皐月賞 展望
中山16日目、芝Bコースの内回り2000m戦。
現段階では晴・良の発表。
『両雄並び立たず』の皐月賞か、
『両雄共に立たず』の皐月賞か
有力馬を人気順に見ていく。
サトノクラウンは弥生賞1着から中5週。この馬の武器は、折り合いがつくことと、恐ろしくギアチェンジが速いこと。
東スポ杯では速い流れを差し切った形だが、これは待たされて脚が溜まったもので、フロックとまでは言わないが、かなり流れが向いてのもの。続く弥生賞でも先団が丸ごと止まったところを持ち前のスピードでスパッと抜けて、押し切った。先団がごっそり後退しているところを見ると、中団では一番前にいたこの馬に流れが向いたと言える。
詰まるところ、サトノクラウン馬自身は2~3Fの追い比べに滅法強く、3戦ともそのスタイルで勝っている、ということ。流れに任せて早めに動いた場合には、人気に応えられるという保証はない。
リアルスティールは中3週。誰がどう見ても能力が高い。
スプリングSでは福永騎手が「ダノンプラチナを過信しすぎた」と騎乗ミスを自供している。特定の馬をマークすることで、レース全体の流れを見ておらず、その結果勝ちに行く競馬ができなかった。これは1人気としては非常に不信感の募る騎乗だった。今回は勝ちを意識した競馬をするので、前を残すことはなさそうだ。この馬が軸で問題ないだろう。
……と、今までなら考えていたし、間違いなくリアルスティールを軸にしていた。今回はもう少し踏み込んで考えてみたい。
ダノンプラチナをマークして捉えにいった前走、結果としては捉えているが、勝負どころで一旦置かれている。当時は内Aの1800m。内回りの意識はどちらもしていたはずだし、ダノンを捉えるなら、勝負どころで一緒に上がっていかないと話にならない。しかし、ダノンと全く同時に仕掛けたにもかかわらず、一度1~2馬身ほど離され、そこから追い上げてきている。
「中山も内回りも対応済み。今度こそ負けない」
と新聞などでは報道されているが、これはギアチェンジの遅さを露呈していると言えないか。これが広くて直線の長い東京コースであったなら、リアルスティールが軸で9割がた間違いないだろう。しかし今回は中山内回り2000m。ましてやクラシック第一弾の皐月賞。半数以上の馬が勝ちに行く競馬を試みる中で、この弱点は命取りにならないか。
差し馬に流れが向けばこの馬が一番強い、それはほぼ間違いないが、もし流れが向かなかったら?自分から動いて先団へ、なるほど、この馬の性能で果たして間に合うだろうか?
信頼度は下がるが、この馬軸でも50%程度来ると見ているが、
個人的には、連逸を睨みながら馬券を組み立てたいと考えている。
ドゥラメンテは2ヶ月の放牧明け。相変わらず馬なり調整ばかりだが、堀厩舎はいつもこんな感じなので、特に調子が悪いとか馬体が戻らないなどの問題があるわけではなく、調整は至って順調と見ていい。
4戦して全て上がり最速、連も外していないが、これは4戦とも東京1800mでのもの。右回りも距離延長も鞍上も、すべて初めてというのは事実。
では、割引するのではなく、適性そのものはどうか。ゲートは良くも悪くもない。気性はかなり荒く、操縦に苦労していた。掛かりっぱなしでも最後は後続を突き離す末脚がある。印象は、近年で言うとディープブリランテに近いように思う。最後脚が上がっているわけでもないので、距離延長には対応できそう。掛かり癖も、内枠なので我慢が利くと見る。あとはごった返す先団を捌いて来られるか。
キタサンブラックが無敗ながら4人気。本来鋭い脚を使える馬が、前走は先行してマークを外し、好位差しという形で鮮やかに後続を封じた。今回も特別マークはされないが、皐月賞は「直線に向いた時点で先頭」という馬がかなり多い舞台なので、前走と同じ競馬はできない。どこで流れに乗るか、テン乗りの浜中騎手にはかなり難しい舞台になった。
ブライトエンブレムは弥生賞2着から中5週。前述の通り弥生賞は差し決着だったが、差し馬勢では一番後ろから差を詰めてきた。最内枠は歓迎できないが、乗り方が決まっているので小細工が要らない分乗りやすいだろう。これまで同様、一番外に出して追い比べ。
ダノンプラチナは大外枠がかなり痛い。作戦を立てづらいので、出たなり勝負だろう。蛯名騎手は、先週のレッツゴードンキの岩田騎手同様、行く馬がいなければ先団へ、前が速ければ中団で、というスタイルを取ると見る。休み明けを叩いて状態は上がっているので、相手に一考。
ベルーフは前走最内へ入って伸びず。「今回は外へ出す」とは陣営談。一度の連逸で随分人気が落ちているが、上位勢と大差はないと見ている。こちらも相手に一考。
以上を2015年度・皐月賞の展望といたします。
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