東京5R
2歳新馬 《芝1800m》
【勝ち馬】ユーバーレーベン
父 ゴールドシップ
母 マイネテレジア(ロージスインメイ)
【評価】★★【★2】
レガトゥスやグアドループといった評判馬が出走したレース。
勝利したのは4番人気の伏兵だった。
【血統】
父ゴールドシップは昨年産駒がデビュー。
いきなり札幌2歳Sをワンツーフィニッシュするなど早期から活躍。
クラシック戦線でもウインマイティーがオークスでしており、それなりの成功を収めていると言って良いだろう。
だが、高いトップスピードが要求されないローカル競馬場に良績が集中しており、中央場所では奮わないのも特徴。
また、坂があるコースが苦手で、産駒トータル勝率7.6%に対して中山では4.2%、中京に至っては0%となっている。
その他、ダートでの成績もイマイチでかなり偏った成績傾向にあると言えそう。
まだ1世代だけだが、ステイゴールドのような意外性を発揮できるかがカギになってきそう。
母マイネテレジアは中央3戦1勝。
勝ち上がり直後に故障により引退に追い込まれたが、ラフィアン肝入りのマイネヌーヴェルの血統ということもあり大切にされている。
繁殖成績は優秀そのもので、競走馬になった5頭のうち4頭が中央で勝利(4頭目が本馬)。
特にマイネルファンロンは函館記念2着、スプリングS3着と重賞戦線でも活躍を収めている。
近親にもラフィアン関係の活躍馬がズラリと並んでおり、クラブ期待の血統馬と言えるのではないか。
が、それが良い事なのかと問われればなんとも言いにくい。
瞬発力に欠ける配合で、現代競馬で大活躍できる下地があるとは思えないのだ。
【パドック】
やや詰まり気味の胴、リズミカルな歩様、筋肉質な馬体・・・・どれを取ってもゴールドシップ産駒らしい馬。
仕上がりは良好で、血統面を鑑みてもこの馬場状態は大歓迎。
穴を開ける気配は漂っていた。
ちなみにこのレースで人気を集めて着外に沈んだレガトゥスには地雷臭が漂っていた。
ノッペリとした凹凸のない馬体で、まだまだ競走馬の体になりきっていなかった。
モーリスは自身がハードなトレーニングで強くなった馬なので、産駒もその傾向を受け継いでいるのかもしれない。
【レース内容】
13.1 – 12.0 – 13.0 – 13.3 – 13.0 – 12.6 – 12.1 – 11.3 – 12.2
スタートはモッサリ。
よっこいしょといった感じでゲートから出て後方追走。
各馬道悪を気にしてなかなかペースが上がらない中、序盤から徐々に追い上げて3角前に好位へ。
3.4角で各馬内を開けるなか、インを選択。
コーナーワークで一気に2番手に浮上して直線へ。
直線、インからグアドループが抜け出すも、ラスト1Fで脚が鈍ったところを一気に追い上げて差し切り勝ち。
直線は完全にグアドループの勝ちレースだったが、それを差し切ったのはラフィアン伝統のしぶとさの塊とも言える血統に父の持久力がブレンドされた賜物だろう。
完全に馬場が味方した内容だった。
が、ラストのしぶとさは評価に値するもの。
次走パンパンの良馬場での競馬を見てからしっかりと評価したい。
現時点では水準クラスより少し下という評価。
阪神5R
2歳新馬 《芝1600m》
【勝ち馬】フラーズダルム
父 キズナ
母 クーデグレイス(ホワイトマズル)
【評価】★★【★2】
【血統】
父はファーストクロップが大活躍中のキズナ。
短距離馬、ダート馬、中距離馬・・・実に様々なタイプの馬を輩出する種牡馬で、未来のリーディングサイアー候補。
まさかここまで成功するとは思いもよらなかった。
母クーデグレイスは中央4勝。
3歳秋にはローズS3着から秋華賞4着があり、一線級でも通用する能力を見せた。
産駒はいずれも大器の片鱗は見せるものの体質の弱さや勝ち切れなさが災いしてまだ大成していない。
本馬も健康面に問題がなければ良いが。
【パドック】
やや華奢ながら仕上がりは良好。
歩様は良さを感じさせるものではなく、踏み込みの浅さが気になった。
全体的に覇気に欠ける感じで、パドックで推す要素は乏しかった。
【レース内容】
12.7 – 11.2 – 12.3 – 12.5 – 12.9 – 12.3 – 11.4 – 11.8
五分のスタートからスッと好位へ付ける大人びた競馬。
道中は2番手でじっくり構えると、そのまま逃げ馬をたーっぷり可愛がって直線へ。
超スローの流れということもあり、直線では余力たっぷりに独壇場を演じて見せた。
逃げ馬が弱すぎてこの馬に最大限に流れが向いた格好。
ラスト1Fでも大きく脚が鈍らなかった点は評価できるが、パドック雰囲気を考えると、ここはやや低レベル戦だったか。
函館5R
2歳新馬 《芝1200m》
【勝ち馬】リメス
父 カレンブラックヒル
母 ケイティマイヒメ(コロナドズクエスト)
【評価】★【★1】
【血統】
父は2勝馬を送り出したことがないカレンブラックヒル。
それだけでもう大活躍を期待するのは酷だと分かるはず。
母ケイティマイヒメは中央1勝。
キャリア17戦中15戦が1000m戦という変わった戦歴の持ち主で、やや辛辣だが中央競馬の中で最底辺条件とも言える1勝クラスの1000m戦で掲示板を狙えるかどうかという程度の馬。
Machiavellianの肌にコロナドズクエストという薄っぺらい配合。
距離の壁があるのは間違いなく、産駒も基本的には一本調子のスピード馬に出そう。
【パドック】
筋肉質な体で、キビキビとした動き。
いかにも初戦向きといった馬。
【レース内容】
好スタートから馬に任せた競馬でハナへ。
3角までに内の馬を競り潰すと、そのまま一杯一杯に逃げ込んだ。
内容平凡。
このレースで気になったのは一番人気で9着に沈んだテネラメンテ。
良い感じで追走できていたのに3角から突然鞍上の扶助行動が大きくなって失速。
恐らく極度に右にモタれてコーナーを曲がれる状態になかったのだろう。
パドックでの見た目は悪くなかったので、次走以降レースになれればどこかで激走があってもおかしくないと思う。



