【2歳馬評価】明瑞新山の眼【6月13日分】

 

こんばんは、明瑞新山です。

 

先週、開始早々に記事をアップできないというお笑い。

 

ちょっと事情があってなかなか分析する時間が取れずでした。

 

周遅れですが6月13日分をどうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京5R

2歳新馬《芝1400m》

 

 

【勝ち馬】ノックオンウッド

父 Frankel

母 トゥアーニー(Country Reel)

【評価】★★【★3】

 

 

シルクの2歳馬初勝利はノックオンウッド。

 

 

 

 

【血統】

父フランケルは言わずと知れた今世紀最強馬の1頭に数えられる超名馬。

種牡馬としても、初年度から数多の活躍馬を送り出してその評価を確固たるものとした。

ソウルスターリング・ミスエルテの活躍が有名だが、2頭とも競走成績的には早熟という評価に終わったため、そういった見方が多い。

が、欧州の産駒は早期から活躍しながら成長力も見せており、英チャンピオンS連覇のクラックスマンが有名。

日本では、終わったと目されていたモズアスコットがダートで復活し、健在ぶりをアピールしたのが記憶に新しい。

 

また、距離の面でも限界があると思われがちだが、英セントレジャー(芝3100m)勝ちのアナプルナやカドラン賞(芝4000m)勝ちのコールザウィンドなど、長距離に適性のある産駒も輩出しており、奥の深い種牡馬と言えそう。

 

 

 

母トゥアーニーはフランスの重賞勝ち馬。

とはいえ、活躍馬かと言われるとそこまでではなかった。

母のきょうだいにもリステッド競走を勝った馬がいる程度。

一族を遡ればタガノマイバッハやトキオエクセレントの名前があるが、それも遠い親戚のお話で、活力がある牝系というわけではない。

母としても本馬が初仔でポテンシャルは未知数。

 

 

 

【パドック】

バランスが良く、見栄えのする好馬体。

脚の運びもスムーズで、良く仕上げられた馬と言う印象。

 

 

 

【レース内容】

12.9 – 11.7 – 12.9 – 12.9 – 12.0 – 11.8 – 12.6

 

 

好スタートから馬の行く気を削がないように丁寧に先行。

外から行く馬がいると2番手に控えて3コーナー。

外2番手でじっくり構え、ラスト2Fで仕掛けるとしぶとく伸びて粘るレオテソーロを捕まえて新馬勝ち。

 

 

極悪馬場のためラップはほぼ参考にならないが、先行馬に圧倒的有利なレースだったのは間違いない。

 

 

気になったのは外のレオテソーロに行かせた時に馬がカッとなりかけた点。

ジョッキーが上手く処理したため事なきを得たが、気性的に少し問題を抱えているのかもしれない。

ほぼレオテソーロのレースだったのを差し切ったのは評価できるが、やはり正当に評価できるのは次走以降。

今回は色々なものに助けられたので評価としては水準クラスとしておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

阪神6R

2歳新馬《芝1200m》

 

 

【勝ち馬】ヨカヨカ

父 スクワートルスクワート

母 ハニーダンサー(Danehill Dancer)

【評価】★★【★2】

 

九州産馬のヨカヨカが一般馬に混じって快勝。

強さを見せた。

 

 

 

【血統】

父は北米チャンピオンスプリンターのスクワートルスクワート。

輸入後は各地を転々としながら種牡馬生活を送り、シャウトラインやタマモスクワート等、丈夫で長持ちのスピード馬を送り出した。

現在は九州で種牡馬生活を送っており、その中でもキリシマオジョウやエフェクトなどの活躍馬を輩出している。

とはいえ、自身が高齢ということもあって近年はめっきり勝ち星から遠ざかっている。

ヨカヨカの勝利が実に2年6ヶ月ぶりの中央競馬での産駒の勝利だった。

 

 

母ハニーダンサーは中央・園田競馬で走り12戦未勝利。

その母ハニーバンはジャパンカップを制したピルサドスキー、秋華賞馬ファインモーションの半姉という良血。

だが、一族の近しいところに活躍馬はその2頭ぐらいで、活力としては乏しい。

本馬の1つ姉のローランダーも九州産馬の身で一般戦デビューを飾った馬。

ひまわり賞こそ2着だったものの、その後も1勝クラスで健闘している。

九州産としては非常に高い素質を秘めた姉妹と言えそう。

 

 

 

【パドック】

九州産という予備知識なくパドックを眺め、一番手評価としたほど。

見劣りは全くせず、むしろ今回のメンバーの中では見栄えした馬だった。

 

 

 

【レース内容】

12.5 – 11.0 – 12.1 – 12.2 – 11.2 – 11.8

 

 

スタート一息で先行争いに加われず。

二の脚は速くすぐに先団に取りつくとその位置でじっくりと脚を溜めてレースを運ぶ。

3角過ぎから人気のモントライゼをマークするように動いて直線は一騎打ち。

最後はアタマ差差し切って新馬V。

 

 

味のある競馬で、特に3角からの動いて行く脚は非常に魅力的。

九州産馬としてはかなりの素質の持ち主と言って良い。

ひまわり賞の本命候補。

 

 

2着モントライゼは道中鞍上がバタバタしすぎ。

4角でも内の馬の煽りを受けてスムースさを欠いており、すぐに使えるならば次走あっさり勝ち上がれる馬。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

函館5R

2歳新馬《芝1000m》

 

 

【勝ち馬】リンゴアメ

父 マツリダゴッホ

母 マイネデセール(マイネルラヴ)

【評価】★★【★2】

 

 

【血統】

父は中山巧者で名を馳せたマツリダゴッホ。

以前にも書いたが、仕上がり早ながら使い減りせず息の長い活躍をする産駒が多い。

超一流の美術品は生み出せないが、長く愛用できる生活用品を作りだしている、そんな感じ。

 

 

母マイネデセールは中央競馬12戦2勝。

カンナSを制し阪神JFまで歩を進めている。

産駒はマイネサヴァランが4勝、スペキュラースが2勝を挙げるなどして活躍。

ただし、母系はかなり古く、血統面での刷新が必要。

現代のスピード競馬向きではなく、それなり以上の活躍は見込めなさそう。

 

 

 

【パドック】

小柄ながらバランスが良く、歩様も水準以上。

仕上がりも良好で、好走を予感させるデキ。

 

 

 

【レース内容】

12.5 – 11.3 – 11.4 – 11.0 – 11.4

 

 

好スタートから押して行くも外の馬が速く譲る格好に。

また、その馬を気にして失速して3番手。

すぐに持ち直し、道中は逃げ馬の真後ろに付けて虎視眈々。

4角で前2頭の間隙を突いて抜け出すとそのまま押し切って新馬勝ち。

 

 

走りそのものは荒削りでまだまだ伸びシロはありそう。

道中ずっと他馬を気にしており、気性面でも改善の余地あり。

その中で一番気になったのは鞍上の扶助の拙さ。

もう少し上手な騎手が導けばもっと楽に勝てていた内容。

 

 

血統的に天井が低く突き抜けた活躍を期待するのは酷だが、悪い馬ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

函館6R

2歳新馬《芝1200m》

 

 

【勝ち馬】ラヴケリー

父 カレンブラックヒル

母 ダームドゥラック(シンボリクリスエス)

【評価】★【★1】

 

 

【血統】

父は昨年の新種牡馬カレンブラックヒル。

現在のところ産駒成績は可もなく不可もなく。

勝ち上がりが良いわけではないが悪くもなく、芝ダート共にこなせるがどちらかと言えばダート向きで出世街道を驀進できる感じもない。

未だ2勝目を挙げた産駒はいないが、かといって1勝クラスで馬券に絡んでいないこともない・・・

大失敗・・・というほど期待されていたわけではないのでそうでもない・・・

非常に微妙なラインの種牡馬。

 

 

母ダームドゥラックは新馬ラベンダー賞と2連勝した馬。

その後8戦して掲示板にも載れずで引退。

血統面では種牡馬としてお馴染みのアルデバランⅡやスピニングワールドの近親だが、日本への適性と言う面でいうとなんとも言い難いところ。

 

 

 

【パドック】

活気あふれる周回で仕上がりも良好。

この時期の新馬戦であれば、これで十分に勝負になるデキ。

 

 

 

【レース内容】

12.4 – 11.2 – 11.5 – 11.4 – 11.0 – 12.1

 

 

スタート微妙も少し押すと反応良く加速しハナへ。

誰も内に寄ってこなかったこともありあっさり先頭に立つとそのまま後続を突き放して逃げ切りV。

恵まれた面もあり、ラップ面で見ても平凡。