6月7日(日)
東京5R
2歳新馬 《芝1600m》
【勝ち馬】サトノレイナス
父 ディープインパクト
母 バラダセール(Not For Sale)
【評価】★★★【★3】
評判馬サトノレイナスがデビュー勝ち。
【血統】
父は説明不要のスーパーサイアーディープインパクト。
母バラダセールの産駒は毎年POGで話題になるほどで、それだけ見栄えの良い仔を出す繁殖なのだろう。
見栄えだけかというとそうではなく、上の兄姉は全て中央競馬で勝ち星を挙げる活躍ぶり。
特に1つ上のサトノフラッグは3連勝で弥生賞を制してクラシックでも上位を賑わした素質馬。
3年連続のハーツクライとの交配から、ディープインパクトへ切り替えた最初の産駒が重賞を勝ったことになり、本馬への期待も高まる。
【パドック】
スッキリとした体で動きもまずまず。
仕上がり良好ではあったが、他兄弟ほど見栄えしない馬体。
追い切りで見せた動きから水準以上のモノはありそうに映ったが、1着固定で飛びつきたくなるような魅力は感じなかった。
【レース内容】
12.7 – 12.3 – 13.0 – 12.5 – 12.7 – 11.5 – 11.4 – 11.6
スタートでやや後手を踏んだものの、行き脚は普通で中団から。
かなりスローな展開だったが、引っかかることもなくスムーズなレース運び。
3角入り口で他馬に煽られるシーンがあったが、それも大きなアクシデントになることはなく直線へ。
直線では大外で一瞬伸びあぐねるシーンもあったが、勢いが付くと最後まで伸びきって優勝。
全体的なレース運びが大人で、フォームもほぼ固まっている印象。
ここを突き抜けたのは完成度の違いかもしれない。
直線で気になったのは、常に重心が右側にあった点。
ルメール騎手が上手くエスコートしていたが、外へ外へ膨れて加速を妨げていた印象。
修正できるモノであれば良いが、そうでなければ致命的な欠陥となる可能性のある悪癖だけに、見過ごせないポイント。
正直、今後上積みを期待できるのはこの点ぐらい。
フォームからも、兄程のインパクトは感じられず現時点での過大評価は禁物。
次走試金石。
東京6R
2歳新馬 《芝1400m》
【勝ち馬】グレイトミッション
父 ダイワメジャー
母 アートスタジオ(Bernardini)
【評価】★★【★2】
【血統】
父はダイワメジャー。
パワフルな馬体を有する産駒が多く、一目見ればダートで大化けする可能性も感じさせるほど。
だが、ダートで大成する産駒は多くなく、基本的には芝で先行してしぶとさを活かす競馬を武器とする。
母アートスタジオはアメリカ産の牝馬。
未出走で日本に輸入され、4歳から毎年産駒を輩出。
12歳ながら本馬は7頭目の産駒になる。
兄姉に特筆すべき活躍馬はいないが、6頭中3頭が中央で勝ち上がっており、まずまずの仔出しと言えそう。
【パドック】
このレースのパドックは当該週に行われた新馬戦の中で最も酷いものだった。
その中においてとりわけ目立つ存在ではなかった。
ダイワメジャー産駒らしい体つきではあったが、筋肉が付ききっておらず、父の産駒にしてはやや非力な印象。
だが、脚の運びや身のこなしは及第点で、見る人によれば最も良く映った人もいたかもしれない。
【レース内容】
スタートは五分だったものの、口向きの悪さと行き脚の悪さを見せて中団から。
前半の速いところで前について行けない一面も見せたが、勢いが付くとしっかりとした追走ができていた。
終始外々を回らされる競馬となったが、内が荒れていることを考えると結果オーライ。
直線では先行勢が次々と脱落する中、外から一気に伸びて勝利。
ラストに見せた弾むようなフットワークには好印象で、馬体に実が入っていないことを考えると次走以降のノビシロには期待できそう。
ただし、相手関係が極めて楽だったことを考えれば、このレースで勝利したことに対する評価は上がらない。
阪神5R
2歳新馬 《芝1400m》
【勝ち馬】アスコルターレ
父 ドゥラメンテ
母 アスコルティ(Danehill Dancer)
【評価】★★★【★3】
新種牡馬ドゥラメンテ産駒が新馬勝ち。
種牡馬・ドゥラメンテの記念すべき初勝利となった。
【血統】
父ドゥラメンテはアドマイヤグルーヴの忘れ形見。
圧倒的な強さで2冠を制したが、故障に泣き早期引退を余儀なくされた。
個人的見解だが、産駒は胸前の発達が良い代わりにトモが貧相な産駒が多く、そこがどれくらい成長するかが成功へのカギ。
仕上がりはそれなりに早いが、エアグルーヴの流れを汲んでいるだけあり、やや晩成型に出るのではないか。
母アスコルティはアイルランド産。
日本に輸入され、新馬戦では持ったままレッドファルクス以下を突き放す衝撃の走りを見せた。
が、その後は体質の弱さもあって伸び悩み、2勝止まりで引退となった。
初仔のアストンクリントンも体質の弱さに悩まされてデビューが遅れたが、ダービー当日に勝ち上がり。
2週続けて産駒が勝利を挙げる活躍となった。
母父Danehill Dancerは見慣れない名前だが、芝のスピード特化の種牡馬。
日本に輸入された産駒の勝ち星は全て2000m以下(唯一障害未勝利の2880mがあるが)で、中央のダートでは1勝のみ。
地方競馬で勝ち星を挙げた馬もいるが低級戦であり、基本的には芝特化の種牡馬。
母父としては距離の融通は利くが、それでも大成功した馬は今のところおらず、血統面での天井を低くしている印象。
【パドック】
小柄で細見ながら、柔らかい身のこなしと素軽い脚の運びは母を彷彿とさせるものがあった。
やや物見しがちではあったが、それでも他馬と比べると群を抜いて良かった。
【レース内容】
12.6 – 11.2 – 12.0 – 12.0 – 11.6 – 11.2 – 11.4
好スタート好ダッシュからハナを奪うと、あとは独り舞台。
後続を引きつけながらの逃げで、直線ではノーステッキで楽々突き放しての圧勝。
ピッチ走法で距離の壁がありそうな走り。
フォームそのものはキレイで一定以上の素質はありそうだが、距離延長は歓迎できないタイプ。
走破時計もまずまずで昨年のタイセイビジョンと比較すると1秒も速いが、も今年の馬場の方が速いためその点を手放しで評価するのは難しい。
レースセンスの良さやスタートダッシュ、溜めてからの瞬発力は母ソックリなので、体質面で問題がなければ1400mまでの距離であと1勝は出来る馬。
2着マイネルジェロディはアスコルターレにレースを掌握されたことが敗因。
直線までに並びかけることが出来ていればひょっとしたら逆転できたかもしれない。
ただし、馬体面から伸びシロは全く感じられなかったので、早期の未勝利戦以外では買いたくない馬。



