こんにちは、明瑞新山です。
昨秋、仕事を言い訳に更新しなくなったこの2歳馬の記事。
「前の週に勝利した馬を私なりに評価する」というもので、毎年予想記事よりも多くの閲覧を頂いております。
ただし、秋口から急激に2歳戦が増えて私のキャパシティを突破することが多く、尻すぼみになりがちです。
今年こそ完走を目指して頑張ります!!!
6月6日(土)
東京5R
2歳新馬 《芝1600m》
【勝ち馬】ウインアグライア(牝)
父 マツリダゴッホ
母 ウインアルテミス(Arch)
【評価】★★★【★3】
関東で最初の新馬戦を勝ち上がったのはウインアグライア。
話題のブエナベントゥーラを破っての新馬勝ちとなった。
【血統】
父マツリダゴッホ産駒は仕上がり早のタイプが多く、伸びシロはあまりないものの耐久力に優れ、古馬になっても細々と活躍している馬が多い。
代表産駒のロードクエストやマイネルハニー、ディバインコード等がまさにドンピシャリのケース。
母ウインアルテミスはマル外の未勝利馬。
その父Archはアメリカで快速を武器に7戦5勝を挙げた馬で、その産駒にはBCクラシック勝ちのブレイム等。
産駒の良績はダートに集中しているが、一族からヤマニンパラダイスやアルビアーノが出ており、日本の馬場への適性を備えた種牡馬といえそう。
血統面から超一流の側面は薄いが、父と母父の血が上手くミックスされていれば、息の長い活躍に期待できそう。
【パドック】
見た目はスッキリと仕上がった綺麗な体。
脚の送りも軽く、決して悪くはなかったが、小柄ということが大きく作用してそう見えたのだろう。
飛び抜けて良いという評価も出来なかった。
【レース内容】
12.6 – 12.4 – 12.9 – 12.7 – 12.3 – 11.7 – 11.0 – 11.6
好スタートから3番手に付けると、外で折り合いに苦労するブエナベントゥーラを尻目に大人の競馬。
インのポケットで競馬をすすめ、3.4コーナーでも経済コース。
直線で前がばらけた間隙を突いて一気に脚を伸ばして差し切った。
直線では早めに追い出しながらも最後の最後まで伸びる脚を見せており、まずまずの内容。
ラスト1Fで前を行く馬が内にモタれたため進路を外にスイッチする手間もあったが、それを跳ね返しての勝利なのだから価値はある。
ラップ面で強調出来るものはなく、平凡なレースか。
ただし、この父の産駒の伸びシロはほとんどないと言っても良いくらいなので、来春のクラシックやその先の大舞台という点では参加賞が精一杯かなというところ。
唯一の救いは、直前の追い切りがボロボロだったこと。
助手を背にしていたとは言え、併せ馬で手応え見劣り、上がり13秒台半ばという散々なモノ。
これだけでレースでは消し評価だったが、それの中であのパフォーマンスを見せたことは収穫。
また良化の余地があると考えて良いはず。
このレースで気になったのは3着のサンハーリンゲン。
直線で手応え抜群に抜け出したが、追い出すと外にモタれる面を見せた。
それに慌てた鞍上が右ムチを入れると、今度は一気に内に切れ込む悪癖。
そこで手前を替えたりして一気に失速しての3着。
もう少し扶助の上手な騎手が乗っていればもっと際どい競馬になっていたのではないだろうか。
次走注目。
もう1頭ブエナベントゥーラ。
こちらはレース序盤で鞍上と呼吸が合わずに消耗。
追いきりでも悪さをするシーンが見られており、まずは気性面の成長が待たれる。
馬体はそれなりに立派で、身のこなしも悪くなかったので少なくとも未勝利卒業は目指せる馬。
それ以上のモノはというと、正直今回のレースでは感じられなかった。
阪神5R
2歳新馬 《芝1600m》
【勝ち馬】ダディーズビビッド(牡)
父 キズナ
母 ケイティーズギフト(フレンチデピュティ)
【評価】★★【★2】
2018年生まれ中央デビュー馬の中で最初に勝利を挙げたのがダディーズビビッド。
名手・武豊を背に華麗に押し切った。
【血統】
父はファーストクロップが大活躍中のキズナ。
正直、どのクラブにおいても募集時のキズナ産駒はバランスが悪く貧相な馬ばかりで大失敗すると思っていた。
が、蓋を開けてみるとそこから見違えるように成長する馬が多く、2歳春に馬体がガラッと変わるディープインパクトの特徴をそのまま受け継いでいたのだと認識。
産駒も様々なタイプを輩出しており、今最も勢いのある種牡馬の1頭だろう。
母系は言わずと知れた超名門。
一族からアドマイヤムーン、スリープレスナイト、ヒシアマゾン・ピナクル・ナイルの姉妹らが出ている。
重賞勝ちが無い馬でもメイショウショウブやプレイ、そして本馬の兄ケイティープライドなどがおり、奥のある血統。
【パドック】
胴が詰まりお腹がボテッとした見栄えのしない体。
脚の運びも緩慢で、終始ミストを気にして集中しない等、パドックから買い材料を見出すのは難しかった。
【レース内容】
12.7 – 11.9 – 12.0 – 12.8 – 12.7 – 11.6 – 11.2 – 11.7
五分のスタートから好位での競馬を試みるも、ペースが落ちた際に行きたがる格好に。
一旦は落ち着きかけたものの、外からプレッシャーを掛けられると再び行きたがり、結局2番手で3.4コーナーをカーブ。
直線に入ると逃げるウインメイユールが一気に突き放しにかかるが、それに離されず食らいつくとラスト1Fで鋭く伸びて差し切りV。
開幕週で内ラチから2.3頭目が圧倒的に有利な馬場状態を考えると手放しには褒められない。
が、ラスト1Fのフォームはそれなりの素質を感じさせるもので、これからの成長次第では楽しみな馬になる可能性は秘める。
ただし、キズナ産駒は色々なタイプを出す一方、馬体で大体どのカテゴリーを走るかが推測できる気がする。
私のこれまでの観察眼が正しければ、このダディーズビビッドはダートで良さが活きるタイプとなる。
答え合わせが出来るころにはこの記事のことも忘れ去られているだろうが、どうなるのか楽しみ。
さて、このレース出走馬で他に注目したいのは2着ウインメイユールと3着ステラリア。
ウインメイユールはレースが非常に上手で、早期に勝ち上がれるタイプ。
順調に使えて、自分の流れに持ち込めば秋までに勝ち上がれるだろう。
ステラリアは調教が非常に優秀でパドックもまずまず。
この馬が勝つのではないかと思ってみていたほど。
ところが、スタートでやや後手を踏むとすぐに挽回して前へ→2番手に浮上しそうになったところで手綱を抑えて失速→中団で競馬。
とチグハグな競馬。
その後も馬群に包まれて動けないまま直線に向くと十分な進路がなく進めず。
ラスト200mでようやく大外に出すと一気に伸びて3着となったが、さすがに「敗因は騎手」としか言えない内容だった。
たしかに、直線で追い出してからなかなか加速できなかったが、十分な進路がないままで馬に加速を促しても全開にはならないのくらい察しはつくだろう。
馬だってぶつかりたくないんだから。
次走注目。



