9月7日
中山9R アスター賞(1勝クラス)
【勝ち馬】サクセッション
父 キングカメハメハ
母 アディクティド(ディクタット)
【評価】★★★★【★4】
13.0 – 11.5 – 11.5 – 12.4 – 12.3 – 11.5 – 11.1 – 11.3
圧倒的人気を集めたサクセッションがデビュー2連勝。
スタートはあまり速くなく中団から。
しばらくはそのポジションで様子を見るかと思われたが、予想に反して一気に先団に取りついていく。
4F目で一気に緩みそうとみるやハナを叩き、今度は後続を引き離して逃げる形に。
コーナーで一旦後続を引きつけて直線再度突き放す味のある競馬で2連勝。
一見派手な競馬にだが、ラップ面からは至極真っ当なレース。
ハナを主張したヴェスターヴァルトが極端にペースを落としたために離して逃げる形になったが、サクセッション自身は息を入れつつ自身のペースを守って走っていただけ。
3角で後続が並びかけてくる時にペースアップして脚を使わせつつ直線に向いており、まさにルメールマジック炸裂といったレース。
内容としては2着馬と五分で、騎手の差が大きく出た格好だろう。
柔軟性のあるレースが出来たことは、今後に向けて大きな収穫。
中山5R 2歳新馬
【勝ち馬】ブレッシングレイン
父 ディープインパクト
母 レインデート(Unbridled’s Song)
【評価】★★★★★【★5】
12.6 – 11.9 – 13.1 – 12.6 – 13.1 – 12.6 – 12.3 – 11.7 – 11.4 – 11.0
私の出資馬ブレッシングレインがデビュー勝ち。
これで過去7頭出資中7頭目の勝ち上がり、3頭目の新馬勝ちとなった。
パドックでは一目見て勝利を確信するほど他の馬が微妙で、メンバーレベルには大きく疑問が残る1戦。
ブレッシングレイン自身は仕上がり良好で、随所に緩さを残しながらも身のこなしは上々だった。
レースでは五分のスタートから好位につける。
ホームストレッチではやや力みながらの追走だったが、向こう正面では反対に騎手が促すほどリラックスしての競馬。
3角手前では激しく騎手の手が動いてかなりヒヤッとしたが、一旦スピードに乗ると追走楽で、4コーナー手前で勝ちを確信した。
直線では粘るソステヌートペダルをめぐってブリジャールと激しい追い比べになるが、これを最後の100mで並んで交わして1着。
ラスト3Fの構成は完全加速ラップで、自身の上がりは33.6。
ラスト1F突入時に先頭と1馬身差であったことを考えると自身のラスト1Fは10.8前後でそれなりの能力を秘めているのは間違いなさそう。
昨年の秋の中山がラスト3F加速ラップ祭だったのでこの馬の出した時計も眉唾モノだと思っていたが、今年はどうやら昨年よりは出にくい馬場の模様。
上記33.6の上がりは中山競馬場で行われた新馬戦の勝ち馬としては史上最速で、レース上がりも史上2位タイ。
ただし、上記のようにメンバーレベルが疑問でなかなか高く評価するのはむずかしく、★4評価まで。
パフォーマンスや数字そのものは悪くなかったので次走に期待したい。
2着ブリジャールだが、調教やパドックの動きを見る限りダートの方が良さそう。
ブレッシングレインとは内容が違い過ぎるので彼に対する物差しにするには心許無いが、この馬が次走で惨敗するようならばやはりこの新馬戦は低レベルだったと考えて良さそう。
中山1R 2歳未勝利
【勝ち馬】シンプルゲーム
父 ハーツクライ
母 ウィルビーオーサム(Awesome Gambler)
【評価】★★★★【★4】
12.7 – 11.6 – 13.2 – 13.6 – 12.3 – 12.6 – 13.3 – 13.1 – 13.5
五分のスタートから出たなりの競馬。
中団の外目に付けると、向こう正面で早くも2番手まで押し上げると、一旦は逃げるアイルビーメジャーに並びかけてプレッシャーを与える競馬。
4角手前までこれをめいっぱい可愛がってからスピードアップ。
300m足らずで大差突き放して圧勝ゴール。
時計は2歳未勝利としては上々で、次走が楽しみな馬。
2着以下もそれほど悪くない競馬をしているので、大差突き放されたからといって割り引く必要はない。
中山2R 2歳未勝利
【勝ち馬】フィドル
父 ヴィクトワールピサ
母 クレタパラドックス(サクラバクシンオー)
【評価】★★★【★3】
11.9 – 10.6 – 11.6 – 11.6 – 11.4 – 11.6
好スタートから押して先行策。
外の速い馬を行かせておいて4.5番手の外目に付けると、3角過ぎから徐々に進出。
最終コーナーをタイトに回って直線抜け出し快勝。
珍しい武士沢騎手の正攻法の競馬での勝利だった。
内容としてはまずまずで、コーナリングの巧さが目に付いた。
次走はメンバー次第で狙えるかなという感じ。
阪神4R 2歳新馬
【勝ち馬】フェアレストアイル
父 ディープインパクト
母 スターアイル(ロックオブジブラルタル)
【評価】★★★【★3】
12.6 – 11.3 – 11.7 – 11.8 – 11.6 – 11.3 – 11.5
パドックでは脚の長さが目を引くスレンダー体型。
身のこなしはやや硬くスラッしてかなり非力な印象で、兄からボリューム感を引いた馬体。
仕上がりは良く、力を発揮できるデキにはあった。
レースではやや立ち遅れ気味のスタート。
そこから気合いを付けられると一気に加速して先行集団へ。
あっさりと3番手外目の絶好位を確保すると3角過ぎからジワジワと加速。
直線でGoサインが出るとしぶとく伸びて粘るラインエンジェルを交わして新馬勝ち。
厩舎の先輩スターリーステージを彷彿とさせる馬体で、同様の印象を受けたのも同じ音無厩舎のミッキーバディーラ。
両馬ともに早期からそれなりの活躍を見せていたが、古馬になってようやく体が完成しており、この馬も同じパターンかもしれない。
ラップ・走破時計は水準クラスで、仮に次走重賞に出走してきたりするのならば積極的に嫌いたい馬。
まだまだこれからの馬。
阪神5R 2歳新馬
【勝ち馬】クラヴァシュドール
父 ハーツクライ
母 パスオブドリームズ(Giant’s Causeway)
【評価】★★★★★【★5】
12.9 – 11.7 – 12.0 – 12.9 – 12.4 – 11.5 – 10.8 – 11.2
こちらも細見のスラッとした体型で登場。
フェアレストアイルより実が入ったしっかりとした肉体で、歩様も柔らかく及第点以上。
レースに向かうと好スタートからやや促されての先行策。
スローペースでも掛かることはなく、むしろ少し押されているように見えるくらいリラックスした走りで直線へ。
直線ではすぐ外のメモリアルロードが故障し競走中止するアクシデントがあったが特に影響を受けることはなく、追い出されると一気に加速して楽勝。
ラストのラップ構成は優秀で、勝ったクラヴァシュドールはこの速い上がりを楽々差し切っており重賞級の評価としたいが、当日の他レースの上がりがどれも超速。
★6としたいところだったが★5評価とする。
次走以降の注文は馬体重。
仕上がりが良かったのはただ単にガサがなかっただけだと思われるので、ここからしっかりと「作っていける」体に成長して欲しい。
2.3着の両馬は次走も要注目だが、その中でもゴルトファルベンに注目。
パドックでかなり緩さを残した仕上げで、しっかりと仕上がって来ればスターズプレミアを逆転する可能性は高い。
阪神1R 2歳未勝利
【勝ち馬】ルガーサント
父 ヴィクトワールピサ
母 アワーオアシス(デザートキング)
【評価】★★【★2】
12.6 – 11.1 – 11.4 – 11.7 – 11.5 – 11.0 – 12.1
1200mでも先手を主張できる初速を武器に脱兎のごとく飛び出すと、そのまま一目散に逃げこんでしまった。
前走で大きく増えた体が絞れたのが大きな勝因で、開幕週の馬場も味方につけた格好。
ただし、ペース的に遅かったわけでもなく、単に飛ばしてワンペースに逃げ切ったわけではない。
一度溜めてから再加速しての逃げ切りで、この競馬が出来るならマイルまで守備範囲と考えても問題なさそう。
昇級即・・・とは言いにくいが、ひょっとしたら阪神JFで逃げているのはこの馬かも知れない。
阪神2R 2歳未勝利
【勝ち馬】アポロアベリア
父 アポロソニック
母 キタノオペラ(グランドオペラ)
【評価】★★【★2】
12.7 – 11.3 – 13.7 – 12.8 – 13.1 – 13.1 – 12.9 – 12.8 – 12.9
好スタートから押して押してハナへ。
すぐ外のユキノグローリーが速く、しかもかなり先手を主張してきたのだが譲らず。
1コーナーでコーナーワークから単独先頭に立って向こう正面へ。
そこからは淡々と淀みないラップを刻みながらの逃げ。
3角から過ぎからペースアップし後続を振り切って初勝利。
結果として4角で先行集団にいた馬たちが雪崩れ込んだレースだが、その中で上位3頭は瞬発力を見せており悪くない競馬。
レースレベルとしてはそこまで高くはないが、次走以降も狙える馬たちだろう。
勝ち馬の評価は水準クラス。
阪神3R 2歳未勝利
【勝ち馬】ジュンライトボルト
父 キングカメハメハ
母 スペシャルグル-ヴ(スペシャルウィーク)
【評価】★★★【★3】
12.6 – 11.2 – 12.5 – 12.7 – 12.6 – 12.2 – 11.5 – 10.8 – 11.4
五分のスタートから馬なりの競馬で中団へ。
道中はペースが上がらない中、首を上げたり引っ掛かりそうになったりとせわしない追走。
都度、鞍上がきっちり対応して導いてくれた。
3.4コーナー中間地点から進出を開始すると、直線では大外を突いて鋭伸。
内で粘るドゥーベと外から強襲するラインオブダンスを従えて初勝利のゴールに飛び込んだ。
恐らく能力はそこそこだが、クビの高い走法に道中で遊ぶ気の悪さ、さらには直線で内にモタれる癖・・・ウィークポイント目白推しで超えるべき課題を超えるところからスタートの馬。
9月8日
中山5R 2歳新馬
【勝ち馬】シャインガーネット
父 オルフェーヴル
母 ベルベットローブ(Gone West)
【評価】★★【★2】
12.8 – 11.0 – 11.3 – 12.5 – 12.8 – 12.2 – 11.3 – 11.7
パドックではオルフェーヴル産駒らしいバランスの良い馬体に、後肢の可動域が目を引く良い馬。
レース振りも上々で、五分のスタートから促して4番手追走。
前3頭が後ろを離す展開になると離されまいと押して付いて行く形。
その後距離感が良くなって収めても掛かることはなかった。
3.4コーナーで引っ張った馬たちに取りつくと、直線では外から一気に伸びて外のシベールとの追い比べを競り落とすと、最後猛追してきたシングンバズーカを振り切って新馬勝ち。
オルフェ産駒とは思えない大人な気性は評価できるが内容としては平凡。
2着以下も同様。
次走過剰に人気を集めるようなら割引も。
中山3R 2歳新馬
【勝ち馬】イモータルスモーク
父 Into Michief
母 Bellini Sunrise(Machiavellian)
【評価】★★★【★3】
12.9 – 12.3 – 14.9 – 14.4 – 12.9 – 12.1 – 13.0 – 13.1 – 13.0
かなり見栄えのする馬で、芝でもやれそうな体。
たしかに歩様はやや硬かったが、シルエットはブレッシングレインっぽくもあり、是非芝を試してほしい。
レースでは好スタートから鞍上は控えようとしていたが、外から主張する馬が並びかけてきた際に馬が応戦したため逃げる形に。
そのまま向こう正面入り口まではしっかり抑えて走れたが、その後一気にペースアップ。
それでも後続に真後ろに付かれる苦しい競馬だったが、結局最後まで後続を寄せ付けずノーステッキで逃げ切った。
勝ち時計は何の評価もできないクソ時計で、上がりも微妙。
正直数字面からは★1評価が妥当。
ただし、前半が超スローだったために時計面は目を瞑れることと、ペースアップした地点から考えても最後の楽さは驚異的で、しっかり追っていればもっと上がりもだせたであろうことを考慮すればそれなりの評価必要。
★3評価とする。
2着ベストランナーは次走中山ならば狙えるが、東京や京都なら消しでOK。
フォームからは地方の競馬場の方が力を発揮できる馬に映った。
中山1R 2歳未勝利
【勝ち馬】アポロセイラン
父 アポロキングダム
母 ウインドクラスト(スペシャルウィーク)
【評価】★★★★【★4】
12.2 – 10.8 – 12.0 – 13.1 – 12.5 – 12.8
好スタートからスッと好位につけると、そのまま楽に競馬を運ぶ理想的な展開。
4角も持ったままカーブし、追いだしたのは200のハロン棒を過ぎてから。
そこから2 1/2突き放して楽勝ゴール。
序盤のペースも決して遅いものではなく、他馬が止まったにしても最後の楽っぷりは素晴らしい。
勝ち時計も2歳馬のものとすればまずまずで、これは楽しみな存在。
スプリントで勝ち上がりはしたものの、おそらく距離はもう少しあった方が良いと思われる。
中山2R 2歳未勝利
【勝ち馬】ルトロヴァイユ
父 エピファネイア
母 メジロシャレード(マンハッタンカフェ)
【評価】★★★【★3】
12.9 – 11.8 – 13.5 – 13.2 – 13.7 – 11.9 – 12.1 – 11.7 – 11.3 – 11.2
好スタートから馬なりの競馬。
序盤に主張する馬が皆無で、自然とハナに行ってしまいそうになるが鞍上がそれを毛嫌いしてグッと手綱を抑えて1コーナー。
コーナーワークで内の馬に行かせると2番手で折り合って向こう正面。
そこから5F過ぎまで超スローペースに淡々と付き合っていたが、外からグラスデスティーノが動いてきたタイミングで一気にペースアップ。
逃げ馬を交わして先頭に立つと、グラスを従えて3.4コーナーをカーブして直線へ。
直線では完全に一騎打ちだったが、ラスト1Fで相手を振り切ると最後は流してのゴール。
完全にレースを支配しており、ここでは力が違った印象。
コーナリングも巧く、操縦性もそれなりに高いので、中山という舞台もピッタリだったのだろう。
ラスト3Fの構成もまずまずで、次走が楽しみな馬。
阪神5R 2歳新馬
【勝ち馬】アルジャンナ
父 ディープインパクト
母 コンドコマンド(Tiz Wonderful)
【評価】★★★★★★★【★7】
13.1 – 12.4 – 13.5 – 13.3 – 12.9 – 12.7 – 12.5 – 11.5 – 11.1 – 11.4
噂のスーパー2歳馬がここでデビュー。
その評判は調教段階から多方面から伝え聞いており、一体どんな馬が出てくるのかと胸躍らせていた。
ところが、小柄で見栄えせずやけにカリカリした馬がパドックに登場。
身のこなしや柔らかさは最低限のものはあるが、これが噂の馬なのか・・・と拍子抜けと表現せざるを得なかった。
レースでは五分の出から意図的に押さえて最後方。
と言ってもこの頭数なので普通のレースならば好位くらいの位置。
そこで口を割って何度も行きたがっていたが、1コーナーまでに何とか落ち着いて向こう正面へ。
向こう正面でもかなり力みながらの追走。
3角過ぎからジワッと進出すると、4角で内の馬に煽られながら直線へ。
直線では大外から手綱をちょっと緩めただけで矢のような伸び。
アッと言う間に前を捕えると、ラスト1F11.4を持ったまま駆け抜けて大楽勝。
見栄えのしないパドック、微妙なスタート、行きたがる気性。
何から何まで父にソックリで、再来と表現しても大げさではないレベルのインパクトがあった。
阪神3R 2歳新馬
【勝ち馬】アルコレーヌ
父 ゴールドアリュール
母 マチカネタマカズラ(Kingmanbo)
【評価】★★★【★3】
12.4 – 11.3 – 12.3 – 12.5 – 12.6 – 12.7 – 12.6
パドックではむしろ上記アルジャンナよりもこちらの方が見栄えがしたくらい。
それなりに良い馬であった。(アルジャンナはハードル激高状態で見たから拍子抜けしたというのはあるが)
レースでは五分のスタートから促しての先行策。
内から突き上げるサイレントスウープが迫って来た時に一緒に押し上げ、あちらを前で変な走りをしている先行馬との間に挟むファインプレイ。
絶好の手応えで4角を回ると、直線では追いすがるサイレントスウープを突き放して完勝。
ラスト1Fでラップを詰めているのは優秀で、勝ち時計もまずまず。
次走が楽しみ。
2着サイレントスウープは不利が痛かったが、勝ち時計としては平凡。
次走は相手次第で、持ち時計を詰められなければ勝ち上がれるのは来年春くらいか。
阪神1R 2歳未勝利
【勝ち馬】メイショウカムロ
父 メイショウボーラー
母 シェムリアップ(ネオユニヴァース)
【評価】★【★1】
12.5 – 11.0 – 12.0 – 12.8 – 12.6 – 12.4 – 13.3
好スタートから押して先行策。
序盤は5頭雁行状態だったが、徐々に隊列が崩れ外3番手の絶好位に。
そのまま流れに乗って最後の直線に入ると、逃げる断然人気ホットミストにもうぜんと襲い掛かりこれを捕えて快勝。
内容平凡。
ホットミストは新馬戦の内容が非常に良いので見限らない方が良い。
阪神2R 2歳未勝利
【勝ち馬】イズジョーノキセキ
父 エピファネイア
母 キングダンサー(キングカメハメハ)
【評価】★★【★2】
12.8 – 11.1 – 11.8 – 12.1 – 12.1 – 11.2 – 11.1 – 11.6
スタート一息で後方から。
道中はやや行きたがる面も見せたが、鞍上がしっかりなだめて脚を溜める。
直線までじっくり運び、Goサイン。
そこから一気に伸びて差し切って初勝利。
平凡。



