こんばんは、明瑞新山です。
今日も先週勝利を挙げた2歳馬を評価していくわけですが、その前に残念なニュースを1つ。
6月22日に新馬戦を快勝し、本コラムでも高い評価をしたブルトガング号が安楽死処分となりました。
今のところ原因は特定されていませんが、おそらく腰痿という病気ではないかとのこと。
この腰痿という病気ですが、通称「腰フラ」と言われ、先天的もしくは後天的アクシデントによって頸部での脊髄の病変によって引き起こされる病気だそうです。
人間に例えると下半身不随に近い状態になるようで、一般的に競走馬としての復帰やデビューは絶望的になります。
私の出資馬アップライトスピンの姉レヴアップスピンも2歳秋に腰痿症を発症し引退しその後体調を崩して亡くなりましたし、デビューから4戦3勝で神戸新聞杯に挑み2番人気の支持を得たマッサビエルもこの病気がもとで引退に追い込まれています。
このように、近年でも少なくない馬たちがこの病気に競走生命を奪われており、非常に怖い病気ですね。
発症するはっきりとした原因は不明で、つまり完全に予防することは難しいということ。
突然表出することもあれば徐々に表れることもあるそうですが、そのほとんどは進行性で、ひとたび発症すれば廃用待ったなしという恐怖。
治療の手立てがないという点では屈腱炎やボーンシストよりも恐ろしい疾患です。
一応、腰痿を発症するのは圧倒的に牡馬が多いようで、防止するために去勢することで一定の効果を得られるそうです。
今回のブルトガング号も牡馬・・・来年のクラシックを賑わせる可能性を秘めた馬だっただけに非常に残念です。
ご冥福をお祈りします。
7月6日
福島5R 2歳新馬
【勝ち馬】フジマサリアル
父 リアルインパクト
母 メジロヒラリー(エルコンドルパサー)
【評価】★★★★【★4】
12.8 – 11.2 – 12.7 – 13.2 – 12.7 – 12.1 – 11.8 – 12.2 – 12.1
メジロドーベルの孫にあたるフジマサリアルが完勝。
パドックでは黒光りする迫力ある馬体。
動きも柔らかく、かなり抜けて良く見えた。
レースでは五分のスタートからスッと好位を取るセンスの高さを見せる。
行きたい馬に行かせつつ、道中はスローな流れでも掛かることなくきっちり溜めを作れていた。
3角手前でペースが上がると一瞬置かれそうになるがすぐに対応して直線へ。
ラストスパートでは逃げ馬の外に進路を見つけると、一気に抜け出して快勝。
最後は外の差し馬に詰め寄られたものの、ステッキ1発で抜け出して完封した。
序盤の大人びたレース運びにコーナーでの対応力や直線での反応、すべてにおいて現時点での完成度が高い。
反面ノビシロという点では疑問符がつくが、2~3歳の早期であれば楽しめそうな存在。
血統構成的に成長力を秘めていてもおかしくはないので、それ次第では大化けの可能性もある。
中京5R 2歳新馬
【勝ち馬】シャレード
父 ダイワメジャー
母 ヴィヤダーナ(Azamour)
【評価】★★★【★3】
12.5 – 11.0 – 11.9 – 11.9 – 11.5 – 11.6 – 12.1
ダイワメジャー産駒らしいコロンとした身体のシャレードが新馬勝ち。
レースではスタート五分から徐々に出していって先行態勢を窺うが、前がそれなりにやりあったのを見て控えめに中団前目からの競馬。
新馬戦にしては流れたレースであり、ここでの判断が最後奏功した。
最終コーナーで外に出されて進路を確保すると、直線では一気に内の先行各馬を呑みこんでの楽勝だった。
最後まで余裕のある競馬で、追えばまだ伸びそうな雰囲気もあった。
次走で評価が定まるはず。
ちなみに、パドックでも最も目を引いたのは9着に敗れたラフマニノフ。
正直、当日馬券を購入できる環境であればこの馬を本命で購入していたであろう、それほど良く見えた。
が、レースでは身のこなしがぎこちなく、2F走ったところでムチを入れられる始末。
外から被されると嫌がったり、直線では内にモタれにモタれて追い出せず、さらには前の馬とラチの間に挟まってレースにならない等、子供っぽさ全開だった。
この辺りが抜けてくれば1つは勝てる馬に見えたので、次走人気がなくても買ってみたいと思う。
中京6R 2歳新馬
【勝ち馬】ファシネートゼット
父 ヘニーヒューズ
母 ファシネートダイア(アグネスタキオン)
【評価】★★★★★【★5】
12.5 – 11.9 – 12.2 – 12.4 – 12.7 – 11.6 – 11.9
青葉賞馬アドマイヤコマンドの姪っ子が新馬勝ち。
姉キューピッドアローは志半ばにしてこの世を去ったが、妹が一発回答でその無念を晴らした。
パドックではヘニーヒューズ産駒らしい見栄えのする馬体ながら、まだ緩さや線の細さを残したプロポーションで登場。
ともすれば芝でも通用しそうな柔らかさを見せるのが父の産駒の特徴でもあるのだが、当馬もその特徴を持ち合わせていた。
レースではポンッと好スタートを切ったものの、あまりのスタートに驚いたのか次の一歩が遅かった。
そのため先手を譲り、先行集団の後ろからレースを組み立てることとなるが、終始余裕のある手応えで追走して直線へ。
直線では前のホットミストの手応えがバツグンで届くかどうかハラハラさせられたが、ラスト1Fで突如覚醒したように伸び出すと一気に交わし切ってみせた。
ラップ構成や展開も考えると相手に圧倒的に分があるはずだが、最後の200mは恐らく11.4前後で駆け抜ける鬼脚を発揮して捻じ伏せた格好。
走破時計も上がりも秀逸で、パドックでの緩さも考えると将来が非常に楽しみな逸材。
2着ホットミストは完全に勝ちパターンだったが、相手を少々ナメ過ぎたか。
とはいえここまでの馬が混じっているとは鞍上も想像できなかったはずで、仕方のない敗戦と言える。
次走確勝。
中京1R 2歳未勝利
【勝ち馬】テーオーマルクス
父 ロードカナロア
母 パープルストック(フレンチデピュティ)
【評価】★★【★2】
12.5 – 10.7 – 11.5 – 11.4 – 11.3 – 12.2
スタートは一息だったもののそこから積極的なレース運びで一気にハナへ。
コーナーで大きく内を開けながら余裕のある逃げで、直線でも後続を寄せ付けずに楽勝。
距離短縮で大変身したが、減量をフルに活かした騎乗でもあり内容としては平凡。
函館5R 2歳新馬
【勝ち馬】プリンスリターン
父 ストロングリターン
母 プリンセスプライド(マンハッタンカフェ)
【評価】★【★1】
12.3 – 11.0 – 11.6 – 11.7 – 11.8 – 12.2
五分のスタートから押して先行策。
押したことで掛かってしまったが、コーナーまでには落ち着けた。
3角からジワっと上げていき、ゴール前で前を捕えて後続を抑え切ったところがゴール。
雪崩れ込んだだけのレースで評価はできないが、曾祖母が悲劇の名馬ツキノイチバンの母という渋い血統の持ち主でディープなファンがつきそうな馬。
ツキノイチバンのような戦績になればおもしろいがさすがに無理か。
函館6R 2歳新馬
【勝ち馬】リュウノゲキリン
父 グランプリボス
母 ケイアイミサイル(スペシャルウィーク)
【評価】★★【★2】
12.6 – 11.5 – 11.9 – 12.1 – 12.3
好スタートから押して行くも内の馬にあっさりハナを叩かれ2番手から。
3角で逃げ馬に対して外からプレッシャーを掛けにいき、直線でそれを競り落としてゴール。
時計面では水準クラスだが、他に特に見るべきもののない凡戦。
エーデルワイス賞なら買ってもいいかな程度。
函館1R 2歳未勝利
【勝ち馬】ケープコッド
父 ダイワメジャー
母 ハーロンベイ(Elusive Quality)
【評価】★★★★【★4】
12.4 – 10.7 – 11.0 – 11.6 – 11.8 – 12.4
確勝クラスが2頭いるとし、本命にしなかった方がケープコッド。
それに奮起し(たかどうかは知らないが)、楽勝した。
スタートはあまり良くなかったもののすぐにスピードに乗って先行策。
3角では早くも他先行馬を潰し逃げ馬に競りかける横綱相撲の形。
直線でも持ったまま抜け出して突き放す完勝と言える内容だった。
前がかなり飛ばしたレースで、これを楽に追走して潰しに行った上にさらに突き放す大楽勝。
函館2歳Sに出られるなら楽しみな存在。
もう1頭の確勝クラス馬、私の本命だったダンツシルビアは7着。
新馬戦とは一転、スタートから出して行かれたことでやや反抗気味で、レースの流れに乗れなかったのが大きな敗因。
次走も注目したい。
7月7日
福島5R 2歳新馬
【勝ち馬】エヴァーガーデン
父 アイルハヴアナザー
母 モエレカトリーナ(ゴールドヘイロー)
【評価】★★【★2】
12.7 – 12.2 – 12.5 – 13.3 – 13.3 – 12.8 – 11.7 – 12.0 – 12.0 – 12.5
好スタートから押して先手を主張するもなかなか加速がつかず。
結局内から押し上げてきたセイエスコートにハナを譲る格好で1コーナーをカーブ。
1.2コーナーでコーナーワークを利してトーセンコパンがハナを奪うスローながらも出入りのある展開だった。
向こう正面に入る頃には3.4番手の外というポジション。
ラスト900m付近でニシノアオハルが押し上げてくると一緒に動き一気に先頭へ。
そのまま4角先頭で直線に入ると、一緒に上がってきたニシノアオハルを振り切り、最後まで後続の追随を許さず新馬勝ち。
ラスト4F長く良い脚を使ったが、ラップ構成的に圧倒的先行有利の流れであり、馬場も考慮するとあまり評価できない。
このスローな流れを随所で押しながら出ないと追走できなかった点もマイナス。
福島6R 2歳新馬
【勝ち馬】ホープホワイト
父 ヨハネスブルグ
母 プレギエーラ(サンデーサイレンス)
【評価】★【★1】
12.5 – 11.6 – 11.6 – 12.2 – 12.0 – 12.0
五分のスタートから押して2番手へ。
ただし、逃げ馬と内ラチの間に上手く馬体を捻じ込みラチ沿いの経済コースは確保。
そのまま4角~直線へと向かう。
双方手応えが残っていたため一騎打ちの格好になり、後続は完全に蚊帳の外。
最後はロスを最小限に抑えた方が勝った、そんな感じだった。
凡戦。
2着馬はスタートが速いのでそれなりに安定した成績を残すだろうが勝ち上がるまではあさて、どうだろうか。
福島1R 2歳未勝利
【勝ち馬】ダンシングサンダー
父 スズカコーズウェイ
母 スズカローズマリー(アフリート)
【評価】★【★1】
9.5 – 10.5 – 11.1 – 12.0 – 13.0 – 13.4
スタートで出遅れて後方から。
前がやり合う速い流れのなか道中で放されすぎないように徐々に差を詰めながらの追走。
3コーナーではもう外に進路を切り替えて末脚勝負。
最後は前が苦しくなったところを外から一気に差し切っての優勝。
怪我の功名と鞍上のファインプレイによる勝利だった。
福島2R 2歳未勝利
【勝ち馬】コパノビアンカ
父 ノヴェリスト
母 レンデフルール(ブライアンズタイム)
【評価】★★【★2】
12.1 – 10.6 – 11.3 – 12.0 – 12.3 – 12.4
かなり低調なメンバー構成の中、好スタートから2番手を追走。
飛ばす逃げ馬を見ながらじっくりとレースを運び、直線で力強く抜け出して初勝利。
凡戦。
中京5R 2歳新馬
【勝ち馬】マイラプソディ
父 ハーツクライ
母 テディーズプロミス(Salt Lake)
【評価】★★★★★★【★6】
13.3 – 11.8 – 13.7 – 13.7 – 13.2 – 13.2 – 12.6 – 12.0 – 11.3 – 11.2
評判馬マイラプソディが圧巻のパフォーマンスで新馬勝ち。
追い切りでの走りが常にバタバタして素軽さに欠けていたので、鈍足の可能性もあるなと思っていたが、杞憂に終わった。
パドックではまだ若さは残すもののしっかりと仕上げられた馬体で登場。
柔らかさもあり、踏み込みも十分で活気もあり評判通りの走りに期待が持てる格好だった。
レースではやや出負けしたものの許容範囲内で、後方に構えて順調に追走。
かなりのスローペースだったが掛かる素振りも見せず、実に完成度の高いレース運び。
直線で外に出されると一気に加速し内の各馬を捕えて完勝。
どうしてもラスト2Fに目がいきがちだが1000m通過65.7という超スローペースということも考慮すればここの加速ラップにはそれほど価値はないと考えるのが妥当。
3F連続で11秒台前半ならばかなりの化け物と断言できたが、現時点では好素質馬と表現するに留めたいと思う。
それよりも、この流れを楽々差し切った方に着目すべきで、この場合は内で粘ったルリアンやブルーミングスカイの次走に注目する方が良い。
これらがすんなり勝ち上がったり重賞でも好勝負するようであれば、マイラプソディも本物と言えるのではないか。
調教で見せていたドタバタ走りはレースではそれほど気にならず、これからもっと走りが洗練されて来れば非常に楽しみな馬。
中京3R 2歳未勝利
【勝ち馬】セツメンノトビウオ
父 クロフネ
母 ダンシングハート(サンデーサイレンス)
【評価】★【★1】
12.8 – 11.2 – 12.0 – 12.3 – 12.0 – 12.0 – 11.8 – 12.4
ロケットスタートから促すも加速がつかず後方から。
さらに、外からどんどん前に入られてあれよあれよと言う間に最後方追走になってしまった。
道中もやや追っ付けながらの追走で、3.4コーナーもインでロスのないように立ち回る。
そうしないと付いて行けない様子で、直線で大外に出されてもモタモタしていたが、ラスト1Fで急激に前との差を詰めて差し切りV。
ラップと自身の上がりタイムを見る限り、恐らく11.8 – 11.8 – 11.9という構成で駆け抜けている可能性が高く、そうなった場合、この馬自身はレース中ほぼ加速していないということになる。
ラスト1Fの末脚も前が止まってくれただけであり、この馬が伸びたわけではないと言える。
芝で差して勝ち上がったが恐らくかなりワンペースの馬で、ダートの方が合っているといえそう。
レースそのものも低レベルで、出走馬中次走注目したい馬はいない。
函館5R 2歳新馬
【勝ち馬】オーソリティ
父 オルフェーヴル
母 ロザリンド(シンボリクリスエス)
【評価】★★★★【★4】
12.8 – 12.4 – 13.4 – 13.7 – 13.6 – 13.3 – 12.3 – 11.5 – 11.9
母は自身未勝利も兄弟にエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナリーアがいる良血。
ただでさえ気性面で狂った馬が多いシーザリオ一族の繁殖にオルフェーヴルを種付けするという狂気。
パドックではどんな暴れ馬が出てくるのかと思いきや、意外とおとなしい馬が登場した。
まだ腹帯が食い込んでいたように太めの身体付きで、グニャグニャとしており芯が通っていない感じだったが、出走他馬とは馬の雰囲気そのものが違った印象。
レースでは五分のスタートから前に壁を作ってインの5.6番手に控える形。
血統的に折り合いを欠くシーンが想像されたが、鞍上がグッと抑え込んで我慢を利かせてレースを運ぶ。
3角で押しても加速しないという若さも見せたが、Goサインと理解した瞬間の反応は素晴らしく、その瞬間に「勝った」と確信できたほど。
直線でも危なげなく抜け出し、最後はノーステッキで2着馬の猛追を押さえて新馬勝ち。
実はこのオーソリティ、私の出資馬でもあるのだが、走破時計は馬場状態を考慮しても下の上レベルで超凡戦レべル。
上がりもこの流れでラスト2F11.5 – 11.9では到底評価できるものではなく少々困惑している。
が、終始余裕を持ったレースぶりであったことやパドックでかなり太かったことを考えれば、このメンバーでは力が抜けていたということ。
贔屓目に見ても、すぐに札幌2歳Sに出走してくるようなら消したい馬だが、秋まで待って使うようならば成長力も加味して楽しみな存在と言えよう。
そうそう、某競馬サイトの掲示板等、ネットに蔓延る自称競馬通たちが「2着のブラックホールの方が強かった」とする意見を並べていたが、これは完全に誤りである。
2着以下の馬たちは100回やっても99回はオーソリティに勝てないだろう。
特に、この流れで先行して止まった馬たちは次走全部消しでOK。
2着ブラックホールは4角~直線入り口では勝ち馬の真後ろに居たにも関わらず一瞬で3馬身近く離された事に注目して欲しい。
ここで既に勝負ありで、ラスト流したオーソリティに対してガシガシ追って猛追したことが「勝ち馬よりも強かった」証明にはならない。
しかも、ブラックホールは3角から勢いを付けてコーナーを回ってきており、オーソリティは3角では反応せず4角手前でようやく動いた状態。
つまり、ブラックホールが十分に加速した状態で、オーソリティは今しがた加速を始めた状態で4コーナーを回っているのだ。
アクセル開度で言えば80%と50%といったところ。
そこから一瞬で突き放されたのは能力の違いとしか言えない。
ブラックホールが次走で好走する可能性は多分に含んでいるが、この新馬戦でオーソリティに対してブラックホールの方が優位であったと考える者は、見る目がないと己を戒めた方が良い。
個人的には2着馬よりも5着馬に注目したい。
函館1R 2歳未勝利
【勝ち馬】メイショウナパワン
父 トゥザワールド
母 カクテルローズ(タニノギムレット)
【評価】★★【★2】
12.2 – 10.7 – 11.5 – 11.8 – 11.7 – 12.7
五分のスタートから気合いをつけて前へ。
3番手の外を確保すると、捲ってくる馬にも動じず冷静にレースを組み立てた。
3角過ぎから徐々にアクセルを踏み始めると、直線入り口で全開。
一気に差し切って初勝利を手にした。
内容的には平凡。
2着マイルポストはまたしても鞍上の騎乗に泣かされた格好。
前走は新馬戦だったので教育という観点からも仕方のない敗戦だったが、今回は言い訳が利かない負け方。
スタート直後は出していって、内が速いと見る控える→前に離されそうと感じてまた押して加速させといて外から蓋をされて進路が無くなり控える→勝負どころだから押して加速させるというチグハグな競馬。
次も圧倒的人気になってしまうわ私の推奨馬券は外れるわでいい事なしの糞騎乗でした。



