こんばんは、明瑞新山です。
先週行われた2歳戦は12レース。
少しずつ少しずつ数が増え、それにつれて私の更新速度が遅くなった昨年。
今年も早くもそのスパイラルに陥りそうです(笑)
なんとか序盤だけでも食らいついていきます!
6月29日
福島5R 2歳新馬
【勝ち馬】エレナアヴァンティ
父 アドマイヤムーン
母 ドリームカムカム(メジロライアン)
【評価】★★★【★3】
12.1 – 10.7 – 11.0 – 11.7 – 11.6 – 12.4
パドックではすっきり仕上がっており、いきなりから動ける態勢。
レースが始まると初速こそ五分だったものの、押して二の脚は速く好位へ。
それなりに飛ばす逃げ馬に終始プレッシャーを与えながら競馬を展開、直線入り口で並びかける横綱相撲で後続を封じ切って見せた。
同日の3歳未勝利戦と比べても見劣りしないペースで、それを追いかけた上に前を潰す競馬をしての勝利でそれなりの価値はある。
2着馬はパドックで見た印象では小回りの1200mの馬ではなく、阪神や東京の1400~1600で見直したい。
3着馬はこれだけ勝ち馬に削られる苦しい競馬をしてもそれなりに粘ったことを評価。
次走弱い相手ですんなり先手を奪えるようなら勝ち切れる。
福島6R 2歳新馬
【勝ち馬】ヴァンドゥメール
父 マジェスティックウォリアー
母 エビスオール(Chief Seattle)
【評価】★★★★【★4】
9.6 – 10.8 – 11.1 – 12.0 – 13.1 – 13.2
日本での供用初年度のマジェスティックウォリアー産駒が快勝。
父の産駒は既に地方中央合わせて4頭目の勝ち上がりで、産駒数がキズナの半分だということを考えればかなりのハイペースと言っても良い。
パドックでは均整のとれたまとまった身体で登場。
身のこなしもまずまずで、かなり仕上がりも良かった。
レースでは好スタートから先行態勢も、芝の切れ目に驚いてジャンプするなどまだまだ若い面を見せていた。
かなり積極的な騎乗でハナを主張するも外からスピーニディローザとコウユーユメヲノセも譲らず絡んで来るしんどい展開。
その結果、超縦長の展開になってしまったが4角を回ってこれらを振り切ると、ゴール直前でも迫ってきたサザンレインボーをもう一度突き放す粘り腰を発揮。
まずまず強い競馬をしたと言える。
まだまだ幼い面を見せながらの競馬であったことを考えれば、将来性も含めて楽しみ。
2着馬はもちろん、3着馬、上記の勝ち馬に絡んだ2頭も次走注目。
福島1R 2歳未勝利
【勝ち馬】ウインカーネリアン
父 スクリーンヒーロー
母 コスモクリスタル(マイネルラヴ)
【評価】★★【★2】
12.5 – 11.3 – 12.4 – 12.9 – 12.5 – 12.0 – 12.0 – 11.6 – 12.3
ゲート内でなかなか落ち着けずチャカチャカしていたので出遅れを覚悟したが、ゲートオープンには素早く反応して好位をゲット。
道中も外3番手をガッチリキープして3角からジワッと上げていく横綱相撲。
4角で逃げ馬が少し外にヨレた煽りを受けて膨らんだが影響は最小限。
直線ではしっかりと弾けて2着馬の追撃を振り切って初勝利。
レースセンスの高さは認めるが、能力面では一息か。
中京5R 2歳新馬
【勝ち馬】ラインベック
父 ディープインパクト
母 アパパネ(キングカメハメハ)
【評価】★★★★★【★5】
13.5 – 12.9 – 12.6 – 13.1 – 13.1 – 12.1 – 10.7 – 11.2
父母ともに三冠馬の超良血ラインベックが新馬勝ち。
派手さのないメンバー構成でもあり、パドックでは1頭だけ雰囲気が抜けていた。
一言に抜けていた・・・と言っても、あまりにも良すぎて抜けていたのと、他が良くないために抜けて見えたのとがあるが、今回はどちらかと言えば後者。
良くも悪くも今後の成長次第と言えそうな体だった。
レースでは好スタートから2番手に付けて折り合うセンスの高さを見せる。
道中の走りはフワフワとしながらも硬い走りでまさに未完成。
直線に向いて仕掛けられると走りが変わり、重心が低く綺麗な前肢の運びで鋭伸して勝ち切った。
上記のようにパドックでは飛び抜けた大物感はなかったが、本番では調教の時よりも走りが良くなったように本番でガラッと変身する馬は「持っている」馬であることがままある。
血統的なものも含め、今後に期待したい1頭。
2着アージオンは調教でも素軽い動きを見せており、いかにも新馬向きな馬だった。
小柄な馬体も含めてアドマイヤリードに似ている気がしたが、将来に向けての成長力という点では…さてどうだろう。
3着以下は見るべきものがなかった。
函館5R 2歳新馬
【勝ち馬】スマートカーリー
父 エピファネイア
母 レティセントガール(フォーティナイナー)
【評価】★★【★2】
12.2 – 10.4 – 11.5 – 12.0 – 11.7 – 12.4
パドックではエピファネイア産駒らしい見栄えのする身体を披露。
やや造りに不満のあるところはあったが、このレベルの新馬戦においては問題なく走れそうであった。
ゲートオープン直後に好ダッシュを見せるとそのままハナを主張。
ところが内のメイショウチタンも譲らず、新馬戦にしてはかなり速いペースで逃げることになってしまう。
3角でメイショウを粉砕すると、あとは追いこんでくる後続をいかに封じるかだったが、クビ差抑え込んだところがゴールだった。
ややオーバーペース気味に逃げて最後は惰性で粘り込んだ。
自身はコーナーできっちり息を入れており、名手武豊の手綱捌きにに大きく依存した勝利と言えそう。
3着マイルポストは、スタート直後に寄られて後方からの競馬を余儀なくされている。
さらには3角で他が前との差を詰めに動いた場面で悠然と構えて仕掛け所を逸したばかりか、最後まで鞍上が内ラチ沿いに拘ったため外に出すのが遅れる致命傷。
実質脚を使ったのは100m少々といったところで、まともに走ればこちらが勝っていたと思われる。
将来に向けて折り合いを教えたという可能性もあるが、単純にこのレースのことだけを考えれば騎乗ミス。
次走確勝。
6月30日
福島5R 2歳新馬
【勝ち馬】コンドゥクシオン
父 ダイワメジャー
母 アドマイヤハッピー(トニービン)
【評価】★★【★2】
12.9 – 12.0 – 13.5 – 13.5 – 12.9 – 12.0 – 12.0 – 12.2 – 12.8
ダイナカール一族のコンドゥクシオンが新馬勝ち。
パドックではダイワメジャー産駒らしい身体つきで登場。
やや硬めの身のこなしに筋肉質な栗毛の馬体。
一目見てそれだと分かるような典型的ダイワメジャー産駒だった。
レースに向かうとまずはのっそりとしたスタート。
他も遅かったために互角以上のスタートになったが、決して上手とは言えないスタートだった。
そこからやや促されながら外2番手を確保。
2コーナーを回るとペースが落ちるが特に掛かる様子もなく息を入れながら追走。
3角手前から急激なペースアップとなったがそこも難なく対処し、長く良い脚で逃げ馬を交わして勝ちきった。
雨でパワーが必要な馬場だったこと、そして4F脚を使う流れも絶妙にマッチしての勝利との評価。
不良馬場のため評価が難しいが、少なくともクラシックを沸かせる程の馬には映らなかった。
2着馬は鞍上の絶妙のペース配分が活きた格好。
次走も先手を奪えるなら馬券の対象になって良い。
注目は5着のロバートソンキー。
スタートの出遅れはまぁ新馬戦ということを考えれば許容範囲だったが、このペースであの位置に付けては勝ち負けに参加できなくて当然と言える。
それでも3角過ぎからしっかりと前との差を詰めて上がり最速の末脚を見せており、次走キチンと騎乗してもらえれば初勝利があっても良い馬。
福島6R 2歳新馬
【勝ち馬】ゴッドスター
父 アサクサキングス
母 ラヴゴッデス(Lemon Drop Kid)
【評価】★★【★2】
12.6 – 10.9 – 11.5 – 12.3 – 12.6 – 12.9
パドックでは一際目を引く雄大で筋肉質なルックス。
この父は産駒数こそ少ないものの、このタイプの馬が多く芝ダート兼用。
パワーが必要な馬場はお手の物で、かなり活躍の場がたくさんある印象を持っている。
反面、芝のスピード決着や瞬発力勝負には弱いが、それがない地方のダートならば──既に兵庫ダービー馬を輩出しているが──もっと活躍馬を出してもおかしくない。
ルックス面や父の話はさておき、レース内容。
スタートはイマイチで最後方から。
レース前からの策戦だったのかもしれないが、出遅れた直後に既に後方に構える姿勢で、しっかり脚を溜められていた。
3角手前からジワッと進出し、4角では大外に進路を取り直線入り口では前と6馬身差。
そこから溜めていたものを一気に爆発させると、一完歩毎に先頭との差を詰め、ゴール前でクビ差捕えて新馬V。
ハイペースに出遅れと鞍上の騎乗、さらに重くなった馬場と全てがマッチした結果の勝利と見るのが妥当。
派手さはあるが次走も同じ結果を認めるのは酷。
ダートに転向した方が良いかもしれない。
中京5R 2歳新馬
【勝ち馬】ヤマニンエルモサ
父 エピファネイア
母 ヤマニンカルフール(エリシオ)
【評価】★★【★2】
13.0 – 11.7 – 12.4 – 12.5 – 12.3 – 11.7 – 11.3 – 12.3
評判馬バトーデュシエルが圧倒的人気を集めたこのレース。
勝ったのは超人気薄ヤマニンエルモサだった。
パドックでは仕上がりこそ良かったものの目立つような馬ではなく、やや華奢な印象すら受けた。
レースに入ると好スタートを切って無理せず2番手。
道中あまりペースが上がらない中ピッタリと折り合って直線へ。
内の逃げ馬が早々に後退すると1頭になるが、そこでも気を抜かず真面目に走り切ってバトーデュシエルを退けた。
父エピファネイアに母父エリシオとかなり重厚な血統構成をしており、おそらく無二の重馬場巧者。
開幕間もない中京の内を利しての勝利であり、色んな環境に恵まれた感は否めない。
2着バトーデュシエルは調教の走りも抜群でかなり期待していたのだがよもやの2着敗退。
新馬戦+雨+重馬場なので仕方ない面もあり、次走もう一度期待したい。
中京6R 2歳新馬
【勝ち馬】ゼンノジャスタ
父 ジャスタウェイ
母 ウインアンジェラス(Bertolini)
【評価】★★【★2】
13.0 – 11.7 – 12.4 – 12.5 – 12.3 – 11.7 – 11.3 – 12.3
スタートは一歩遅れたが、そこから促して2番手へ。
馬の間を走っている時はスピードに乗れなかったが、周囲に馬がいなくなるとしっかりと追走できていた。
そのまま外2番手を確保して直線。
前を行くタマモボイジャーの粘りにあったが、ラスト1Fで相手がタレるタイミングでグイっとひと伸びして差し切った。
馬場を考えればそこそこ流れたレース展開でこれだけ脚を使っての先行なのである程度の評価は必要だろうが、序盤のスピードに乗れないシーンが気になるところ。
パンパンの良馬場ではあっさり凡走する可能性も秘める。
中京1R 2歳未勝利
【勝ち馬】インザムービー
父 リアルインパクト
母 スポークスウーマン(Invincible Spirit)
【評価】★★★【★3】
12.4 – 11.2 – 11.2 – 11.7 – 11.7 – 11.5 – 12.6
単勝1.3倍、圧倒的支持に応えてインザムービーが快勝。
好スタートから持ったままハナを奪うと、そのまま軽快に飛ばして逃げる。
後続も負けじとついてきたが、マイペースを保ったまま直線へ。
直線でも鞍上はほとんどすることがないほど楽な手応えで、ゴール前150m付近で申し訳程度に軽くステッキを入れただけ。
完勝。
小頭数にしてか淀みないペースであり、内容はそれほど悪くはない。
が、ここに出走した他メンバーはかなり弱く、パフォーマンスとしては満点の勝ち馬の評価も鰻登りとはいかない。
次走試金石。
函館5R 2歳新馬
【勝ち馬】イーサンティラノ
父 ローレルゲレイロ
母 ブラックウィッチ(ブラックホーク)
【評価】★【★1】
12.6 – 11.5 – 11.8 – 11.9 – 11.6 – 12.0
好スタートから気合いを付けられてハナへ。
外連味のない逃げだったこともあり誰も追いかけて来ないまま押し切ってしまった。
初速はそれほど速くなく、次走ハナを切られるかどうかは微妙なところ。
メンバーレベル的にも一息。
函館1R 2歳未勝利
【勝ち馬】ビアンフェ
父 キズナ
母 ルシュクル(サクラバクシンオー)
【評価】★★★【★3】
12.0 – 10.9 – 11.6 – 11.9 – 11.6 – 12.0
前回の記事で「次走確勝」としたビアンフェがギリギリハナ差凌いで初勝利。
好位のインで溜めた前走とは一転、押してハナを主張する積極的な競馬。
一歩目で外の馬に前に出られていたが、すぐにダッシュがついて先頭に立つと、そのまま淀みなく飛ばして最終コーナーから直線へ。
直線では前走と同じく一瞬の切れ味で後続をスッと突き放すと、そのまま惰性で粘り切った。
新馬、未勝利と脚の使い方が同じだったことからも、やはり一瞬で加速してトップスピードに乗り、そこからの惰性の維持力で勝負するタイプの馬で間違いなさそう。
こういったタイプはレースの格が上がる毎に善戦マンへと変貌を遂げるので要注意。
競走馬としての完成度がまずまず高いので、早期の活躍は見込めそう。
次走は函館2歳Sとのことだが、スッと好位に付けて脚を溜められるなら良い競馬ができるかもしれない。
2着馬は内容的には負けておらず、勝ち上がりも近い。



