こんばんは、明瑞新山です。
先週は土日総計9つの2歳戦が行われました。
順番に評価していきましょう。
6月22日
東京5R 2歳新馬
【勝ち馬】ブルトガング
父 ディープインパクト
母 タピッツフライ(Tapit)
【評価】★★★★★★【★6】
13.4 – 11.8 – 12.3 – 12.3 – 12.6 – 12.9 – 11.5 – 11.5 – 11.8
今年の桜花賞馬の弟がデビュー戦を快勝。
直前の追い切りではフォームこそ良いものの、やや硬めの動き。
正直いきなりからはどうかなと思っていたが、出遅れをものともせず快勝した。
当日のパドックを見ても感じたのだが、調教の動きも含めて同厩舎のシェーングランツに似た印象。
姉グランアレグリアとはタイプは違うが見栄えのしないという点では共通した馬体で、周回を重ねても半信半疑は変わらなかった。
レースではボコッと出遅れた上に他馬に驚いて怯み最後方から。
すぐに立て直して道中で押し上げて行く。
中団まで加速し、そこからは思うように進まなかったのかやや押しながらの追走。
3コーナーでは完全に置かれそうになっており、外を回す余裕なくインを突いて直線へ。
直線に向いて外に出されると一完歩ごとに逃げるシェクロエとの差を詰めてラスト1Fで交わす。
そこからも止まることなく伸び続けてラストは流したにも関わらず3F 11.5 – 11.5 – 11.8の快勝。
自身の刻んだラップは恐らく 11.3 – 10.8 – 11.8 ぐらいの構成で、かなり優秀。
ただし姉の様な切れ味タイプではなく、身体の作りや調教での走りが似たシェーングランツの様な重厚な脚を使うタイプで、キレッキレの切れ味勝負では分が悪いかもしれない。
現代競馬では分が悪いタイプか。
2着馬に関してはラスト1Fこそ苦しくなったものの完全にレースを自分のものにしており、それなりの力は見せたと言える。
ただし、ラップ構成を見ると3~4コーナーで息を入れているにも関わらず後続との差が開いていて、かなり恵まれた部分が大きかったと言えそう。
これは、自然に考えるならば2番手以下に付けた他馬が弱すぎた or 馬場を苦にした馬が多かったのどちらか。
直線でも伸びてきたのは勝ち馬とコスモタイシくらいだったことを考えるとメンバーレベルが低かったから起きた現象と考えるのが妥当かもしれない。
次走は距離短縮なら購入したいが、延長やこのままの距離で出走となると少し疑ってみたい。
東京1R 2歳未勝利
【勝ち馬】ビッククインバイオ
父 キングズベスト
母 アニメイトバイオ(ゼンノロブロイ)
【評価】★★★★【★4】
12.4 – 11.9 – 12.5 – 12.7 – 12.7 – 11.2 – 10.9 – 11.4
予想文で「負けない」と豪語したロジアイリッシュが4着に沈み、逃げたビッククインバイオが楽勝。
非常に恥ずかしい結果となった。
パドックでは新馬戦から大きく変わったような馬は見受けられず、順当に馬券が当たると思い込んでレースを見守った。
レースがスタートすると、超ロケットスタートでビッククインバイオビッククインバイオが先手を奪う。
そのままスローな流れでレースを作り、他馬に抵抗の隙を与えなかった。
直線では入り口でアクセルオンし楽々後続を突き放して圧勝V。
ラップ構成的にはスローで恵まれた形だが、ラスト3Fの脚はまずまず評価できるもので、レースの巧さも加味すれば2勝してクラシックまで歩を進めてもおかしくないレベル。
ジョディーに近いイメージか。
この馬をモノともせず差し切ったモーベットの強さが際立った。
正直、この流れで前を交わせず後ろから差されたロジアイリッシュは駄馬としか表現できない。
瞬発力勝負が苦手だったとしても、芝にこだわるならば未勝利で終わってもおかしくないレベル。
次走新潟の芝の未勝利戦だったら問答無用で消したいレベルで、ダートに矛先を向けてどこまで。
阪神5R 2歳新馬
【勝ち馬】ラウダシオン
父 リアルインパクト
母 アンティフォナ(Somgandaprayer)
【評価】★★★【★3】
12.6 – 11.0 – 11.2 – 12.0 – 11.5 – 12.4
またまたまたまたまたまたシルク馬である。
今年の新馬戦出走機会6連勝。
驚異の勢いである。
まずパドックでの評価だが、仕上がりこそ良好なものの、やや柔らか味に欠ける身のこなし。
距離延長や切れ味を要求される馬場を苦にしそうなタイプに見えた。
レースでは初速があまり速くなかったが二の脚でスッと先行態勢へ。
そのまま外3番手を保ち直線へ。
直線ではしばらく持ったままで周りの出方を窺う余裕があり、ラスト1Fで追い出されるとスッと反応して楽勝。
ラップ的にはラスト1Fで一気にラップを落としておりかなり微妙な構成だが、楽な勝ち方ではあった。
次走試金石。
阪神1R 2歳未勝利
【勝ち馬】スリリングドリーム
父 フェノーメノ
母 ドリームレディ(ロージズインメイ)
【評価】★★【★2】
12.7 – 11.2 – 12.1 – 12.2 – 12.1 – 11.4 – 11.9 – 12.6
新種牡馬フェノーメノの仔が初勝利。
東西の未勝利戦をモーベット組が快勝した形になった。
スタートの出はあまり良くなく、中団からの競馬。
道中はそこまで緩んだペースではなかったが祖父の血が騒いだのか行きたがる素振りを見せつつの追走。
なんとか宥めつつラチ沿いを追い上げると、直線では逃げ馬の真後ろをピッタリと進出。
ラスト1Fで前が苦しくなったところを捻じ伏せた。
「捻じ伏せた」の表現通り、パワーでなんとかしたいう感じの競馬。
時計は普通、上がり微妙。
平凡。
函館5R 2歳新馬
【勝ち馬】パフェムリ
父 ヴィクトワールピサ
母 タイヨウパフューム(ジャングルポケット)
【評価】★★★★【★4】
12.1 – 11.0 – 11.7 – 11.8 – 11.7 – 11.9
パドックでは小柄でコロンとした感じ。
仕上がりは良好で、いかにも新馬向きという感じだった。
レースでは絶好のスタートを切ったものの出脚は速くなく内外から一気に交わされる形。
それでも押して押して3番手のインを確保するとそのまま抜群の手応えで直線へ。
直線では内から2頭目を鋭く伸びて逃げ馬を交わすとあとは突き放す一方。
それなりに気合いは付けられていたが、最後までノーステッキの快勝。
馬体的に大きな舞台での活躍は難しいかもしれないが、距離は伸びた方が良いと思えるくらいで、クラシックまでという意味で考えればそれなりに楽しませてくれる可能性は秘めていると言えそう。
函館6R 2歳新馬
【勝ち馬】ヤマメ
父 パイロ
母 サザンジュエリー(アフリート)
【評価】★★【★2】
12.7 – 11.5 – 12.3 – 11.9 – 11.9
パイロ産駒らしい身体つきで登場したヤマメが新馬勝ち。
好スタートから外3番手を追走すると3.4コーナーで前にプレッシャーを掛けつつ進出。
直線では手応えほど弾けず、逃げ粘るハヤブサペコムスメを捕えるのに苦労したが、ペコムスメを交わして外から来たコパノフィーリングを抑え切ったところがゴール。
時計は馬場を考えれば速くはなく、水準クラスのレースだったと言えそう。
2着コパノフィーリングはパドックでの印象からダ1000mの馬ではない。
1200~1400で活躍しそうで、未勝利ならば1000mでも勝ち上がれる素材。
次走注目。
6月23日
東京5R 2歳新馬
【勝ち馬】サナチャン
父 マジェスティックウォリアー
母 ヒシパール(ディープインパクト)
【評価】★★【★2】
12.9 – 11.4 – 12.1 – 12.4 – 12.5 – 11.7 – 11.6 – 12.0
パドックでは小柄でスッキリ仕上がった馬体。
レースではスタート微妙もすぐにリカバリーして好位からの競馬。
ややスロー気味の流れを逃げ馬の真後ろを時々行きたがりながら追走。
直線では大きく開いたインを突いて一気に抜け出し、ウイングレイテストの追撃を振り切って新馬V。
大きくキレたわけではないがしぶとく脚を伸ばして勝ちきったのは立派だが、裏を返せば馬場に助けられた面が大きかった可能性が高いということ。
次走試金石。
阪神5R 2歳新馬
【勝ち馬】レッドベルジュール
父 ディープインパクト
母 レッドファンタジア(Unbridled’s Song)
【評価】★★★★★【★5】
13.3 – 12.4 – 12.9 – 13.2 – 12.9 – 12.1 – 11.4 – 10.8 – 11.7
POGで話題になっている馬が多く集まった新馬戦。
その中にあって(他が微妙だったということもあるが)パドックでは1頭抜けた雰囲気で周回していたのがレッドベルジュールだった。
レースでは好スタートから2番手を確保する大人びた競馬。
少し行きたがっている面は見せていたが、それでも鞍上がきっちり手の内に入れてエスコート。
直線では内のメイショウボサツの想定外の抵抗があったが競り合ってからもうひと伸びを見せて快勝。
完成度はかなり高そうに見えたが、レースを見る限りまだまだ荒削りな部分が見え隠れしていた。
夏を越してどれくらい成長するかだが、現時点でもOPクラスでやっていける素質はありそう。
2着馬はパドックでそこまで目立たなかったが、レース内容は秀逸。
次走確勝とまではいかないがいずれ1つは勝てる馬。
このレースでは2頭の人気馬にも触れておく。
まずはリメンバーメモリー。
私はキズナという種牡馬が成功するとは露ほどにも思っていない。
現時点で既に勝ち馬を出していることは繁殖の質や産駒の数を考えれば特に驚く事ではないし、登場した産駒に大物感がある馬もいない。
現時点でも十中八九失敗に終わると確信めいた思いがある。
だが、ここまで評判になっているキズナ産駒となれば話は別。
どんな馬なのかと思って期待していたが、直前の追い切りからして走らなそうで、パドックを見ても平凡。
こりゃダメだと思っていたら案の定…といった感じ。
これは走らないべくして走らなかった馬であり、例えばクールオープニングのようにいずれ1つは勝つかもしれないがかなり時間が掛かりそう。
もう1頭、1番人気に支持されたシルヴェリオ。
こちらは雑誌に載っている身体がヘンリーバローズに似ているところがあり、個人的には好きな身体ではなかった。
が、未完の大器に似ているというのはやはり気になる。
で、直前の追い切りを確認したところ、とんでもなく走る気満々の馬が出てきてビックリ。
走法も兄たちとは似ても似つかない超ピッチで、見るからに「1800mは長いだろ・・・」とツッコミたくなる感じだった。
当日の気配もそこまで良く感じず、レースではこちらの方が大きく負けるのではないかと踏んでいた。
ところが、こちらは思っていたよりも頑張った。
距離は短い方が良いだろうし、切れ味を求められた流れも合わなかった様子。
一応次走まで見守って評価を確定させたい。
函館5R 2歳新馬
【勝ち馬】レッドヴェイパー
父 キンシャサノキセキ
母 レジェンドトレイル(フレンチデピュティ)
【評価】★★★★★【★5】
12.2 – 10.5 – 11.2 – 11.9 – 11.7 – 12.3
先週除外の憂き目にあったレッデヴェイパーが辛勝ながら勝利を手にした。
追い切りから良い動きをしており、出たとこ勝ちと思っていただけにパドックでの好仕上がりを見た瞬間に勝ったなと思った。
が、レースでは想定外に苦戦。
好スタートからの積極策で2番手から。
前半3F33.9の流れは新馬戦と言う事と馬場を考えればかなり厳しい流れ。
直線ではあっさり抜け出したため鞍上がノーステッキでのなだれ込みを目論んだのも着差に影響したかもしれない。
最後はケープコッドの猛烈な追い上げをハナ差凌いだところがゴールだった。
内容は上々で、このレースのレベルはまずまず。
2着馬は次走確勝。



