こんにちは、明瑞新山です。
さっそく先週勝ち上がった2歳馬たちを見ていきましょう。
◆9月8日(土)
中山9R アスター賞(500万下)
【勝ち馬】グレイシア
【評価】★★★★★★【★6】
12.7 – 11.1 – 12.0 – 12.3 – 12.3 – 12.1 – 11.3 – 11.1
新馬後に絶賛した好素材グレイシアがあっさり連勝。
スタートの出が悪く最後方からの競馬になったものの、鞍上はどっしり構える競馬を選択。
新馬とは真逆の競馬でどうなるかと思われたが、直線軽く2発ステッキを入れただけであっさり突き抜けた。
大物感ある勝ち方で文句なしのパフォーマンスだったが、実質ラスト2Fの競馬で瞬発力の違いが如実に出た結果とも取れる。
新馬戦後にも★7を付けたいと評したが、もう少し骨っぽい競馬を経験してから改めて評価を変えたいと思うので現状維持の★6。
とはいえ、来春のクラシックまで駒を進めているべき馬だと思うので次走も要注目。
中山5R 2歳新馬
【勝ち馬】リバーシブルレーン
【評価】★★★★★【★5】
12.8 – 11.2 – 13.5 – 13.3 – 13.6 – 12.1 – 12.5 – 11.9 – 11.4 – 11.2
パドックでは小柄で筋肉の硬そうな馬というのが第一印象だったリバーシブルレーンが快勝。
抜群のスタートから絶好位を確保すると、スローな流れでも掛かることなく追走。
レース中盤で一気に捲った馬いたため、1.5秒の急激なペースアップがあったが難なく対応。
捲った馬と捲られた逃げ馬が弱くすぐにバテたために持ったまま4角先頭。
直線ではあっさり突き抜けて余力たっぷりの楽勝。
いかに前半スローペースであったといえども、ラスト急坂の中山でこのラップ構成は立派。
・・・に見えるが、昨今の中山開幕週は時計が出やすい上に差してきた馬が台頭しやすく、加速ラップで締める馬も珍しくはなくなってきている。
事実、当日土曜日に行われた芝レース(障害を除く)6レースでラスト2F→ラスト1Fでラップが落ちたのは最終レースのみ。
それ以外の5レースのうち4レースがラスト2F→ラスト1Fを加速で締め、残る1Rは同じラップだった。
このことから、ラスト3Fのラップ構成だけを切り取って高く評価することは非常に危険。
大人びたレースぶりを評価して★5までとする。
中山1R 2歳未勝利
【勝ち馬】エコロディアマンテ
【評価】★★★【★3】
12.2 – 11.2 – 12.2 – 12.8 – 12.3 – 12.9
好スタートから3番手での競馬。
終始前にプレッシャーをかける強気の競馬で粘る2着馬を競り落として初勝利。
内容としては平凡、良くもないが悪くもなかった。
2着馬は早いうちに勝ち上がれる器。
中山2R 2歳未勝利
【勝ち馬】ミトロジー
【評価】★★★★【★4】
12.8 – 11.5 – 12.5 – 12.7 – 12.3 – 11.8 – 11.5 – 11.1
スタートの出が悪く後方からの競馬。
とはいえ、道中極端なスローペースになったおかげで終始前は射程圏内に置いていた。
3角から徐々にエンジンを掛けると、直線では大外一気に差し切った。
上記のようにラップ構成がアテにならない馬場であり、近年の中山開幕週は差しが決まりまくるのでこのパフォーマンスは鵜呑みにはできない。
最低限の力を見せていたことから、決して弱い馬ではなく500万下でも十分に勝負になるが、過大評価は禁物。
阪神5R 2歳未勝利
【勝ち馬】シャドウエンペラー
【評価】★★★★★【★5】
12.6 – 11.3 – 11.9 – 12.5 – 12.2 – 11.3 – 11.7 – 12.2
好スタートから先行争いに加わり、先行集団の後ろに付ける形に。
決して押して行ったわけではなく馬なりでポジションを取った感じだった。
直線ではラスト3Fで勝負に行った逃げ馬と大きな差があったが一完歩毎に差を詰めてゴール前できっちり差し切った。
新馬戦らしく荒削りな競馬をする馬が多く、シャドウエンペラーとて例外ではなかった。
しかし直線での前への推進力は素晴らしく、将来性に期待を持てる1頭。
逆輸入の「Just a Way産駒」というのもロマンがあっていい。
阪神1R 2歳未勝利
【勝ち馬】フォートワズワース
【評価】★★★【★3】
12.3 – 11.1 – 11.5 – 12.4 – 12.6 – 12.4 – 13.0
五分のスタートから控えて中団に。
3角から徐々に進出すると、完全に勝ちパターンに持ち込んだ2着馬をゴール前て捕えて差し切りV。
水を含んだダートということもあって、2歳戦にしては速い流れ。
良く差し切ったと思うが恵まれた面も大きかった。
阪神2R 2歳未勝利
【勝ち馬】ファクトゥーラ
【評価】★★★★【★4】
12.9 – 11.4 – 12.1 – 12.8 – 12.6 – 12.5 – 11.2 – 11.2 – 12.4
好スタートも無理には行かせず折り合い重視の競馬。
断然人気のオメガを目の前に置きスナイプする作戦だったか。
3.4コーナー中間地点でそのオメガの外に馬体を寄せると、直線では突き放す一方の圧勝劇。
ラスト250からは流しての勝利であり、どちらがこのレースの主役だったのかさえ忘れるほどの圧勝。
だが、この重馬場が良い方に向いた可能性も高いので次走試金石。
3着に敗れたオメガだが、やや首の高く飛びの大きい走りでこの馬場が不向きだったと言えそう。
また、エネルギーを無駄に使う走りなので距離も短縮した方が良さそう。
今後のローテーションに注目。
◆9月9日(日)
中山4R 2歳新馬
【勝ち馬】ガルヴィハーラ
【評価】★★★★★★★【★7】
12.7 – 11.5 – 12.9 – 13.4 – 13.2 – 13.0 – 13.0 – 13.2 – 12.3
五分のスタートから出たなりの競馬で中団へ。
向こう正面に入ると徐々にポジションを上げ、3角手前では前を射程圏内に入れる。
4角ではほとんどの馬がバテている中、1頭だけ抜群の手応え。
直線であっさり先頭に立つとそのまま後続を突き放しての楽勝だった。
新馬戦にしてはペースが速く、それを向こう正面から動いて楽々差し切り、且つラスト1Fで大幅な加速ラップと見どころだらけ。
次走が楽しみな逸材。
中山5R 2歳新馬
【勝ち馬】ヘリンヌリング
【評価】★★【★2】
13.2 – 11.7 – 12.4 – 12.8 – 12.1 – 11.5 – 11.7 – 11.8
絶好のスタートから2番手での競馬。
主張する馬がいたがペースはいたってスローでうまく流れにのって競馬を展開。
3角で前が一気に突き放しにかかったがあくまでも自分のペースを守ったのが奏功した。
自滅した前を交わし、後続の追撃を凌ぎ切ったところがゴール。
正直見どころのないレースで、全体的に低調。
3着馬は次走仕掛けどころを間違わなければ面白いと思うが、そもそもこんなペースで逃げられるのかが分からないので何ともいえない。
2着馬は正直評判倒れ感を否定できない。
パドックでも大物感はなく、未勝利を勝ててもその先は苦しいだろう。
中山1R 2歳未勝利
【勝ち馬】マイネルアルケミー
【評価】★★★★【★4】
12.3 – 11.1 – 11.8 – 11.8 – 11.2 – 11.4
五分のスタートから逃げる気はなさそうだったがスピードの違いでハナへ。
追いかけてきた馬たちが弱く、4角を回る頃には後続を少し離した単独先頭の形。
そのまま逃げ切って初勝利。
内容は平凡に映るが、直線に向いてムチを入れられると再度反応していた点や、手綱を引きながらも押して主張した馬を交わしてしまうスピード等を考慮するとひょっとしたらひょっとするかもしれない馬。
次走を楽しみに待ちたい。
中山2R 2歳未勝利
【勝ち馬】ディキシーナイト
【評価】★★★★★★【★6】
12.4 – 11.1 – 12.7 – 12.2 – 13.6 – 13.1 – 12.5 – 11.9 – 11.6 – 11.1
スタートで後手を踏み最後方から。
淡々と後方を追走していたが、3角手前から徐々に進出すると直線で末脚爆発。
追いすがる2着馬を振り切って初勝利を手に入れた。
緩急入り混じったペースで先行馬にとっては走りにくいレースだったはずで、最後方からのレースは結果オーライ。
ラストの反応は素晴らしく、並びかけた2着馬を瞬く間に交わした瞬発力は迫力があった。
ラスト3Fのラップもこれならばさすがに評価しないわけにはいかず、今後が楽しみな存在と言えそう。
阪神5R 2歳新馬
【勝ち馬】エクザルフ
【評価】★★★★★★【★6】
12.8 – 11.8 – 12.8 – 12.8 – 12.2 – 12.2 – 12.1 – 11.9 – 11.6 – 12.0
ダノンプレミアムの弟プレミアムギフトの出走で注目を集めた一戦。
パドックで抜けて良かったエクザルフが圧勝。
好スタートからスッとハナを奪うとそのまま一気の逃げ切り。
ラップも5Fどころか6F連続して12秒台前半を刻む快ラップで、追いかけた後続が苦しくなるのは致し方が無い。
逆を返せばこれでラスト1Fまで追いすがった2着馬は次走確勝クラス。
勝ち馬ともども今後が非常に楽しみである。
ただし、両馬ともに重馬場適正が非常に高かったという可能性はある。
極端な瞬発力勝負になると脆かった・・・なんてことも有り得るので、購入の際は見極めを大事にしたい。
阪神6R 2歳新馬
【勝ち馬】ブラックダンサー
【評価】★★★★★【★5】
12.9 – 11.4 – 11.8 – 11.9 – 11.7 – 11.6 – 12.3
ジェンティルドンナの姪ドナウデルタが出走したのがこちら。
好スタートからインのポケットをゲット。
直線で前を捌くと、ゴール前強襲してきた2.3着馬を凌いで新馬勝ち。
抜け出してから流す余裕があり、ゴール前で後続の気配を察知した鞍上が気合を入れると再加速して追撃を許さなかった。
当日私は本場にいたのだが、5R・6Rと連続して良血馬が出走した割にはお客さんが少なかった印象。
やはり雨の影響なのか、少し寂しい気もする。
ドナウデルタは調教超抜、パドック微妙という今年多いパターンで非常に悩ましい馬だった。
結果は本命を打ったブラックダンサーが快勝してドナウデルタが2着。
内容を鑑みてもブラックダンサーの完勝と言えるのだが、ラスト200mでドナウデルタが加速する瞬間のフォームが非常に素晴らしかった。
新馬戦を勝てなかったのは叔母のジェンティルドンナも同じ。
2戦目以降の変わり身に大いに期待したい。
阪神1R 2歳未勝利
【勝ち馬】バイザディンプル
【評価】★★【★2】
12.9 – 11.2 – 13.5 – 13.2 – 12.8 – 12.4 – 12.3 – 12.1 – 12.7
好スタートから行きたい馬を行かせて2番手へ。
道中は逃げ馬の呼吸に合わせてのレースで、3角から少しずつプレッシャーを与えつつ進出。
4角で逃げ馬に並びかけると、直線ラスト1Fで抜け出して快勝。
時計、ラップともに平凡。
阪神2R 2歳未勝利
【勝ち馬】セグレドスペリオル
【評価】★★★★★★【★6】
12.7 – 10.9 – 11.8 – 12.6 – 12.5 – 11.7 – 11.5 – 12.4
スタートで2馬身ほど出遅れ。
最後方からの追走になったが最後の直線だけで一気に差し切った。
並びかけから抜け出しまで持ったままであっさり。
最後に気を抜かせないために一発ステッキを打つを再加速してヨレる等子どもっぽいところもあり、まだまだ成長できる馬。
将来性に期待。



