5月21日(日) うまうまジェントル氏予想【オークス】

 

おはようございます

 

 

うまうまジェントル氏です

 
今週は3歳牝馬の頂点を決めるレース、オークス

 

 

どうしてもダービーの前哨戦のイメージが強く付きまといますが、
今年に限っては、桜花賞前までダービー以上に期待されていた
レース

 

 

圧倒的1番人気ソウルスターリングの敗退、牝馬相手に無敗で
臨んだアドマイヤミヤビの惨敗、ファンディーナの回避
桜花賞の勝ち馬は、阪神JFやクイーンCでソウルやミヤビに完敗
したはずのレーヌミノル

 

 

と、ここまで盛り上がりに欠ける結果が揃って、尻すぼみ感がぬ
ぐえない印象になってしまいましたが、前回のどろどろの馬場を
度外視する見方もありますし、現段階の人気を見てもやはり
ソウルスターリング、アドマイヤミヤビ、リスグラシューの3強
オッズは変わらず

 

 

ファンも、この3頭の巻き返しに期待していることが読み取れますね

 

 
馬券の売り上げが運営に直結する日本の競馬はファンあってのもの
と言い換えても過言ではありません

 

 

消化不良な感じで終わった桜花賞とは打って変わって、結果はどう
であれ、今回のオークスは見ているファンが楽しめる競馬になれば
いいですね

 

 

ちなみにファンあっての競馬である日本の競馬

 

 
一口馬主のようなシステムで馬主資格が持てないような一般人でも
馬を買うことが出来るというのは、日本の競馬において非常に
理にかなったものですし、オグリキャップやダビスタブームを見て
分かるよう、競馬への関心が馬券の売り上げに直結するのは当然

 

 

また一方ではキタサンブラックのような著名人の馬が活躍する
ことによって、競馬自体に興味が無い一般人にも競馬を知っても
らえる機会があるのはとても素晴らしいことですね

 

 

21世紀以降でも、キタサンブラック以外に佐々木主浩氏や前川清氏
の馬がG1を制していますし、草野仁氏が一口馬主としてブエナビスタ
を持っていたなどということも、競馬そのものの宣伝効果としては
十分です

 

 

古くは菊池寛や吉川英治のような文豪が八大競走を制するような
馬を持っていました

 

 
じゃあ、最も有名な著名人が持っていたG1馬は?

 

 

と言うと誰を思い出しますかね?

 

 

ちなみに、このオークス勝ち馬では、2冠牝馬のスウヰイスーの馬主
が女優の高峰三枝子という著名人の馬でありますが、もう一頭
日本の著名人馬主でも一番有名と言っても良い人の馬がこのオークス
を勝ったことがあります

 

 

それは、時の首相でもありました田中角栄

 

 
馬券が買える年齢である20歳以上の日本人で北島三郎を知らない人は
いても、田中角栄の名前を知らない人は恐らくいないでしょう

 

 
だって、北島三郎の名前は歴史の教科書に出てきませんけど、
田中角栄の名前は義務教育の教科書に太文字で出てきていま
すからね

 

 
一般的な知名度としては、聖徳太子や徳川家康レベルの人物

 

 
同じような政治家馬主だと、ダイコーターやダイナナホウシユウで
有名な上田清次郎氏が有名ですし、一時期政治家で馬に投資してい
たことが問題視された小川敏夫氏などもメディアを通して悪い意味
で吊るし上げられたことが思い出されます

 

 
しかし、そんな中でも田中角栄の知名度は別格

 

 
おそらく、日本の歴代総理大臣の中でも指折りの知名度を誇る
くらいの有名な政治家です

 

 

多分、G1馬の馬主としてはこの人が日本で一番有名だと思います

 

 

そんな田中角栄の持ち馬でオークスを勝った馬こそが

 

 

ベロナ

 

 
と言っても、今の若い競馬ファンにはそこまで知名度が高い馬では
ありませんよね

 

 
実はこのベロナ、正式には田中角栄氏の馬ではなく角栄氏の奥様
である田中はな氏の持ち馬

 

 
と言うのも、田中角栄氏が日本の財政の根幹を担う大蔵大臣に
なった1962年に、財政担当が競馬に興じているのはイメージが悪い
という政党内部の圧力に屈し、泣く泣く馬主資格を手放したからで
して、それ以降は自分の持っていた馬を全て奥様の名義に移し変え
て馬を走らせていたということです

 

 

ちなみにベロナがデビューしたのは1964年

 

 
馬主資格の返上は、馬を購入した矢先の出来事だったそうです
ここまで良い馬にめぐり合えなかった田中角栄氏ですが、
馬主資格を手放した途端に、八大競走を制するような名牝に
出会えるとは本当皮肉なものですね

 

 
ベロナは、父ソロナウェー母ミスサカエ

 

 
父のソロナウェーは当時アイルランドから輸入されて種牡馬に
なった、期待の種牡馬

 
ソロナウェーの父、フェアウェイは英国で3度リーディングサイアー
に輝き、全兄にノーザンダンサーの祖となったファロスを持つ超名血

 

 

アイルランドで9戦6勝と言う成績をあげ、2000ギニーも制した
名馬、種牡馬としても英国の2冠牝馬であるスウィートソレラを
輩出しており、当時血統の墓場と言われた日本競馬にとっては
まさに鳴り物入りで本邦輸入となった馬であります

 

 

母のミスサカエは現役時代は1勝も出来ないまま繁殖となりますが、
牝系には社台一族が輸入し、今のモーリスに通じる日本の基礎牝馬
の一頭であるデヴォーニアを祖に持っていました
父のシマタカは、大レース勝ちこそないものの、当時の名繁殖である
第参マンナを母に持ち、自身もクラシック勝ち馬であるコマヒカリ
を輩出

 

 

父ソロナウェー母父シマタカという一見アンバランスな血統背景は
翌年のダービー馬であるテイトオーと全く同じ配合であり、
施行回数の少ない種付け数を考えれば、今で言うところのある種の
ニックスのような関係だったのかも知れませんね

 

 
2歳の7月という早い時期に小倉でデビューしたベロナは、1番人気で
迎えた新馬戦をシルバーヤングのハナ差2着とし、勝ち上がったシル
バーヤングがそのまま出走した次走の小倉3歳特別に登録

 

 

新馬では1番人気で負けたベロナだが、ここでも再度1番人気に推され
またもシルバーヤングとのハナ差争い

 

 
しかし、今度は逆にハナ差凌いで見せたベロナ

 

 

当時の小倉2歳レコードで勝ち上がったことにより、にわかに周囲の
期待も高くなりました

 

 
その後、京都と阪神の3歳ステークスで逃げきり勝ちを収めたベロナ
は、京都のオープンで後のダービー馬であるキーストンと対すること
になります

 

 

キーストンにハナを譲る形で道中追走するが、力及ばず2馬身差の
2着と敗れたベロナ

 

 

しかし、負けたといってもここまで3戦3勝で2着との合計着差が
27馬身もあったキーストンが相手

 

 
しかも、それを差し置いてそのレースで1番人気(3着)に推されたのは
後の菊花賞馬であるダイコーターだから恐れ入ります

 

 

むしろ名馬物語などを見て競馬を覚えた人は、ベロナ自体をオークス
勝ちの牝馬というよりも、この初顔合わせとなった因縁の2頭の間に
潜り込んだ馬として知っている人もいるかもしれませんね
※キーストンとダイコーターの因縁というか、上田清次郎オーナー
のダービー制覇への夢といったところですが・・・

 

 
今でこそ、伝説の新馬戦や伝説の500万などという言葉が揶揄され、
後のG1ホースが多数出走したレースが話題になったりしますが、
この京都のオープンは今なら間違いなくそれに該当するでしょう

 

 
キーストン、ダイコーター相手に善戦出来たベロナは、次走
関西の2歳チャンピオン決定戦である阪神3歳Sで後に宝塚記念を
勝ち、繁殖としてもナオキやクラウンピラードを輩出した名牝
エイトクラウンと戦うことになりますが、ここはエイトクラウンに
最後の最後捉えられての3着

 

 
しかし、勝ち馬、2着馬との時計差はなく、ベロナ以下は5馬身差

 

 
むしろ先行してこのペースを粘りきったベロナの評価は上がる一方と
なりました

 

 
年が明けての京都のオープンで2着となったベロナは、ここで桜花賞
に向けてしばしの休養

 

 
2ヵ月半の休み明けで同じ阪神マイルのオープンを快勝した後
桜花賞に進みます

 

 

ここでは阪神3歳Sで後塵を拝したエイトクラウンが1番人気、
続くベロナが2番人気と人気を集める形となったのですが、

 

 
ベロナと同じく逃げ馬であったハツユキがハナを切ると、まんまと
そのまま逃げ切り

 

 
道中揉まれて力を発揮できなかったベロナは12着と大惨敗となって
しまいます

 

 
鞍上を須貝彦三から野平好男に代えて臨んだ4歳牝馬特別でも
ハツユキにあっさりと逃げ切られてしまい、3歳牝馬路線の主
役であったエイトクラウンとベロナは大きく評価を下げてしま
ったのです

 

 
特にベロナは血統的に元々長い距離に不安があり、オークスは
不向きと捉えられていた馬

 

 
しかし、オークスで大本命と思われていたハツユキが、脚部不安で
回避しそのまま引退すると言うアクシデントがあり、
ここまでハツユキの手綱を取っていた加賀武見がベロナの鞍上に
内定

 

 
1番人気に、4歳牝馬特別でハツユキの2着となったビューティー
ロックが押し出されるような形で開催された第26回オークス

 

 
ここでベロナが打った作戦は、桜花賞でハツユキが勝ったときと同じ
逃げと言う一手

 

 

距離不安のある馬を2400mの距離で逃がして果たしてどうなのかと
思われたのですが、ベロナは最後の最後まで粘りとおし、結局
ベストルーラーの追撃を半馬身差凌ぎ切った所がゴール

 

 

決してゆったりとしたペースではなく、快速馬ベロナらしい速い
ペースで後続の脚をなし崩しにしたのは実にこの馬らしい競馬
だったと思います

 

 
実際にレースレコードにコンマ2秒という好時計で逃げ切ったベロナ

 

 

結局この年のクラシックは、桜花賞のハツユキ、オークスのベロナ、
ダービーのキーストンとソロナウェーの産駒が大活躍することとな
りますが、それ以上に興味深いのが、それらの馬は全て逃げてクラ
シックを制したこと

 

 
馬を理解するに置いて、やはり血統と言うのは無視できない大事な
要素であると言えるでしょう

 

 

その後のベロナは、日本短波賞でヒガシソラネオーとカブトシロー
を相手に勝利するも、続くクイーンSとセントライト記念でオークス
で負かしたキクノスズランに連続で敗戦

 

 
以降も人気を背負ってレースに出走するが、オークスで燃え尽きた
牝馬らしく、東京で開催されたオープンレースを一つ勝ったのみに
留まってしまいます

 

 

最後の天皇賞では故障を発生し、そのままレースを中止したベロナ

 

 
田中角栄氏の娘である真紀子氏は、その後2世政治家としても大成
したと言えるであろうが、対する角栄氏の愛馬は結局その血を残す
ことは叶わなかったのも皮肉でしょうか

 

 
それでは今週もよろしくどうぞ~

 

 

 

 

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5月21日(日)

 

 

 
東京11R          優駿牝馬

 

 

ここまで一度も買ったことのないソウルスターリングをここで
初めて買ってみたい

 

 
本来なら血統やレース振りを鑑みるに当たって、前走の桜花賞
を度外視してアドマイヤミヤビを本線に買ってみたいと思っていた

 

 

しかし1週前追いきりで、コースで前に馬を置いたまま伸び切れな
かった調教は正直本命にするのは非常に怖い

 

 
最終追いの坂路軽めに関しては輸送を控えた牝馬であるから規定路線
だったのであろう

 

 
元々桜花賞には出ずにオークス一本で逆算されていた馬だった
はずのアドマイヤミヤビ

 

 
馬主のごり押しで桜花賞に向かったとの声もある以上、その状態
に歪が出てきたことも考えなくてはなるまい

 

 

なら、ここまで毎回買い続けてきたリスグラシューはどうなのか?
と思ったが、一切差しの届かない今の東京の馬場でチューリップ賞
ではソウルスターリングに末脚勝負で負けた馬

 

 
現状で複勝が1.7倍もつくので置きに行くのもありだとは思うが
頭で狙うなら血統的なマイナス要素も含めてもソウルスターリング
だろう

 

 

 

ソウルスターリング      単勝4,000円
複勝6,000円