4月30日(日) うまうまジェントル氏予想【天皇賞】

どうもおはようございます

 

うまうまジェントル氏です

 

今週はゴールデンウィークに差し掛かる4月最後の日に天皇賞が
行われます

 

昔はいわゆる昭和天皇の誕生日であった4月29日に、土日でなく
とも開催されていた春の天皇賞

 
今回みたいな開催日に4月29日を含める場合に限り、昔に準じて
土曜日に開催してみるのも面白かった気がしますけどね

 
さて、今回の天皇賞はいわゆる2強対決

 
休み明けの大阪杯を勝ったキタサンブラックと、昨年の有馬
記念でそのキタサンブラックを破ったサトノダイヤモンド

 

共に3歳時に菊花賞を制しており、キタサンブラックはその後
春の主役であったドゥラメンテの引退などもあってG1を3勝

 

サトノダイヤモンドも既に春に後塵を拝したディーマジェステ
ィやマカヒキとは既に勝負付けが済んだという評価が与えられ
ています

 
その昔、
皐月賞は『はやい馬』
ダービーは『運が良い馬』
菊花賞は『本当に強い馬』

 

が勝つなどと言われていたことをご存知でしょうか?

 

皐月賞の『はやい』という言葉は『早い』と『速い』の
両方が掛けられており、開催時期と距離から、仕上がりと
スピードのある馬が有利と言う定説がありました

 
ダービーの『運』というのは、ダービーの出走馬が今のように
フルゲートで18頭で無かった時代、実力以外の多くの要因で
勝ち負けが左右されると言われた時代の名残ですね
30頭近い出走馬の大外などに入って、すぐに1コーナーを
迎える東京の2400mなど死活問題
良い枠を引くだけでも運が必要ですし、後方でゴチャ付いたら
抜け出すスペースがなくなるので、追い込み馬であろうと好ス
タートから10番手以内につけるのがセオリーという『ダービー
ポジション』などと言う言葉まであった始末

 

それに対して、大レースに長距離主体のレースが多かった昔は
多少の不利も長い距離の間に挽回できる菊花賞こそが紛れの少
ない真の名馬を決めるレースと言われていました

 

今でこそ長距離勝ち馬の種牡馬の需要が減り、重要視されなく
なった菊花賞や春の天皇賞ですが、このキタサンブラックと
サトノダイヤモンドは、一介の長距離馬ではなく、成長力で菊
花賞を勝った馬達

 
少し昔の馬ですが、スーパークリークやメジロマックイーン、
ビワハヤヒデ、マヤノトップガンといった名馬たちに近い戦
跡を辿っていると思います
※ビワハヤヒデ以外は秋以降に台頭してきた上がり馬ですが・・・

 

ここまでの話だと、キタサンブラックもサトノダイヤモンドも
凄まじい名馬で、これだけの馬達がここで崩れるのかと言われ
るとなんとも言えませんが

 
しかし、これらの馬の評価とは別に、何故か春の天皇賞は2強と
呼ばれたときに限り、昔からどちらかが連逸するのがお約束

 
古くはハイセイコーとタケホープ、テンポイントにグリーン
グラス

メジロマックイーンとトウカイテイオー、ナリタブライアン
とマヤノトップガン、シルクジャスティスにメジロブライト

 

おおよそ、ワンツーで決まらないのがお約束

 
更に古くなりますが、タケシバオーとアサカオーで決まった
春の天皇賞も枠連が人気一本被りの2強対決ですが、圧勝を
決めたタケシバオーに対し、最後の最後でダイイチオーに差
されそうになったアサカオーなどをみていると、やはりこの
レースの2強というのは危なっかしいことその上ありませんね

 
しかし、それよりも前に春の天皇賞での圧倒的な2強対決で
ワンツーを決めた馬がいました

 

そして、そのとき天皇賞を制したのは、昨年の菊花賞馬で
あり、古馬になって以降、世代最強馬として君臨した
大名馬

 

実はそのとき負かした2着馬が同世代のダービーの覇者で、
勝ち馬は皐月賞2着、ダービー3着という、春の時点では
少し足りない馬

 
つまり、菊花賞を制した以降馬が覚醒して、世代最強馬と
なったキタサンブラックやサトノダイヤモンドに良く似た
馬といった感じですかね

 
個人的には、顕彰馬になっても良いくらいの馬だと思っている
のですが、それがハクリヨウ

 
ハクリヨウは父プリメロ、母第四バッカナムビューチーという
名前を聞いただけでも恐れ戦くような超良血

 
父のプリメロは何度もお話の中で出てきている通りの名種牡馬
その繁殖力から、間違いなく日本の種牡馬五指に入る馬ですね

 

母の第四バッカナムビューチーは名前の通りバッカナムビューチ
ーの血を引く、日本指折りの牝系ビューチフルドリーマーの
系統

 

特にバッカナムビューチーの系列からは、シンザンやメイヂヒカ
リといったレジェンド級の名馬が出ており、ハクリヨウの例に
漏れず、競走成績繁殖成績共に素晴らしい結果を残しています

 

実際にハクリヨウの全姉であるシラハタが、メイヂヒカリを産ん
でおり、戦後の競馬の核といっても過言ではない血統であったの
は言うまでもありません

 

違う厩舎ではありましたが兄のニューモアナ、姉のシラハタとも
ども活躍している中でのデビューを期待されたハクリヨウは、
大正義尾形藤吉厩舎に入厩

 
1000mで行われた新馬戦こそ3番人気の3着と敗れるものの、徐々に
頭角を現していきます

 
ちなみに、新馬戦と3戦目で負けたトキツという馬は、ハクリヨウ
と同じ盛田牧場の出身で、皐月賞でも3着に入線するという実力馬

 
血統から大きく期待されたハクリヨウではあったが、当時として
は規格外ともいえる恵体をなかなか絞りきることが出来ず、その
馬体重の重さで蹄を痛めて思うような走りが出来なかったとされて
います

 

ハクリヨウがその能力を垣間見せたのは、4戦目の条件戦
距離が1800mに伸びたことが功を奏したのか、5馬身差の
圧勝劇で血統も含め一躍クラシックの注目馬として持ち上げ
られることになります

 
続く4歳特別では不良馬場で大差の圧勝

 
この結果を受け、皐月賞ではあの65年ぶりに皐月賞で1番人気に
推されたファンディーナ以前に皐月賞で1番人気になったことで
も有名なチエリオに続く2番人気に推されることとなりました

 

そこで7番人気のボストニアンにこそ遅れをとるものの、チエリオ
やトキツには堂々と先着しての2着となったハクリヨウ

 

ダービーは貰ったも同然という評価で、前哨戦のNHK杯に臨みます

 
しかし、そこで皐月賞で後塵を拝したボストニアンに連敗

 
あの皐月賞はフロックではなかったと、ここにきてボストニアン
の評価が急上昇

 

評価を落としたチエリオに取って代わる形で挑んだダービー
でしたが、結局は1番人気をボストニアンに譲る形での2番人気
での参戦となりました

 

この年のダービーの出走頭数は史上最多の33頭

 
後方から進んだハクリヨウは、結局先に抜け出したボストニアン
とダイサンホウシユウを捕らえることは出来ませんでした

 

ダービー後もそのまま馬を走らせ続けたハクリヨウは、続くオー
プンをなんとダービーからの連闘で8馬身差圧勝した後、安田賞
に出走

 

そこでは古馬の壁に阻まれ、スウヰイスーとキヨストロングの
3着と敗退、またまた連闘で挑んだ中山の特ハンでもキヨストロ
ングを交わすことは出来ず、世代の壁を感じさせる敗退を喫す
ることとなります

 

しかし、同世代のレースに戻れば話は別

 
中一週で臨んだ中山4歳ステークスであっさりとレコードを更新
し勝利をあげた後はようやく休養に入ることとなります

 
ここまで、3月に勝ち上がって以降4ヶ月足らずで11戦もこなして
きたハクリヨウ

 
この出走数は当時としては割と普通なのが恐ろしい話で
同世代のチエリオなんて、年初めの1月に5走もしてますからね

 
ラガービッグワンならさておき、世代の一線級の馬たちが
これだけ使い倒されることは今となっては考えられませんよね

 
似たような例を挙げるなら、野球のピッチャーも

 
昔は投げれば投げるほど肩は強くなると信じられてきましたが、
今は肩が消耗品で、間隔や投球数を遵守しているのと同じかも
しれませんね

 
話を馬に戻すと、無事9月の暮れに復帰したハクリヨウは
オープンを2連勝

 
3戦目のカブトヤマ記念で、ここまで負かしてきたチエリオ、
カネハル、ハタオーといった世代の強豪を相手に5馬身差の
圧勝を決め重賞初制覇、その評価を磐石のものとしました

 

しかし、菊花賞の最終調整として出走した1週前のオープンで
同じく調整目的で出てきたボストニアンにまたも敗退

 

結局、ボストニアンの3冠濃厚という評価でハクリヨウは
菊花賞に挑むこととなります

 

皐月賞は2着、ダービーは3着

 

共に惜しいレースではありましたが、ともに敗れたのは
2冠馬ボストニアン

 
2番人気には推されるものの、陣営は既に諦めムード

 
ちなみに、あの徳光和夫が初めて見たダービーがこの
ボストニアンだったそうで、その強さに驚嘆して競馬好
きの教師にその話をしたところ、大いに気に入られ
そのまま本人も競馬にはまったというエピソードがあります

 

しかし、いつもなら後ろから競馬をすることの多いハクリヨウが
いざ本番になると抑えが利かなくなり、そのまま3コーナーで
もっていかれるように先頭に踊り出ます

 
当時の京都で、2周目の坂で仕掛けるというのはある意味タブー
今のように、ズブイ馬を下り坂で加速をつけて惰性で最後まで
持たせると言った戦法は、騎手の技量や馬の質からも難しい時代

 
これでハクリヨウは消えた

 

そう思ったファンも多かったはずだが、そのままハクリヨウは
最後まで踏ん張りきって3馬身差でボストニアンを負かしてしまった

 

結局ボストニアンは惜しくも3冠ならずといった2着でしたが
その後はハクリヨウに二度と先着することは無く引退すること
になります

 
もし、3冠馬になっていれば、その後ハクリヨウに負け続けた
ことで大いにケチがついたであろうボストニアン

 
このタイミングで運良くハクリヨウが覚醒したのは、実は日本
競馬史にとっては3冠馬ボストニアンという汚点を残さずに済
んだという神様の粋な計らいだったような気がします

 

未だにミスターシービーがルドルフとの対比でとやかく言われる
様、3冠馬にはある程度の品格なども必要なんでしょうね

 
アグネスフライトが、河内にダービーを勝たせたことだけでなく、
エアシャカールの三冠をハナ差で阻止したことがこういった点
でも評価されているのは、エアシャカールの後の成績を踏まえて
のものでしょうし、ライスシャワーがミホノブルボンを倒したこ
とも、その後一度も走ることの無かったブルボンのことを
競馬の神様が知っていたように思えてしかたありません

 
その後は、日本最強馬としてこれでもかと勝ちまくったハクリヨウ
続く特ハンで扶桑牧場最大の期待馬フソウを相手に勝ったことを
皮切りに、東京杯では兄のニユーモアナが最下位に沈む中、一つ
上の最強牝馬タカハタを相手に5馬身差の圧勝

 
更に5月のオープンでは、ダービーで2着を譲ったダイサンホウ
シユウを相手に9馬身と、当時とは違う力の差をまざまざと見せつけ
あの菊花賞がまぐれでなかったということをボストニアンに
分からせるため、天皇賞に出走しました

 
ここまで連勝と大差勝ちを続けてきたハクリヨウでしたが、
相手のボストニアンも菊花賞以降重賞を走りまくり、7連対


 
菊花賞では先着を許したものの、ここまでの対戦成績は
4戦3勝と圧倒的に分があるボストニアン

 

このあおりを受け、完全な2強対決という図式で
始まった第29回の天皇賞

 
結果は、本格化したハクリヨウの相手にはまったくならず
ボストニアンは6馬身も離された2着

 

4歳になって以降、どの馬もハクリヨウを止めることは出来
なくなっていました

 

そこから蹄が悪化し半年近く休んだハクリヨウですが、復帰初戦
の毎日王冠で、チエリオ、11連勝の記録を持つダービー2着馬で
後の天皇賞馬タカオー、そしてボストニアンを相手に4馬身差の
快勝

 

長期休み明けの影響など全く感じさせないハクリヨウにもう
弱点などはなく、そのまま金杯と目黒記念を蹄の悪化を考慮して
間隔を開けて使いつつも結局は年を挟んで重賞を4連勝

 

 

アサホコに破られるまでの日本重賞連勝記録をマークします

 

その間に日本で初めて行われた栄えある第一回年度代表馬の
選定にも選ばれ、名実共に史上最強馬として君臨したハクリヨウ

 
実は、海外からの招待レース出走のオファーもあったらしく
輸送と蹄を考慮して不参戦となったそうですが、名馬の墓場
とまで揶揄された当時の日本馬としてはそれはもう破格の扱い

 
そこからまた蹄が割れて長期休養に入るも、休養の影響と69kg
の斤量が響いて連勝が途切れたところで引退したわけですが、
正直、これほど強い馬が過去日本に何頭いたかって話ですよね

 
種牡馬としても、桜花賞馬シーエースと皐月賞馬ヤマノオーを
輩出しただけでなく、60年代初頭4強と言われた中の名脇役
シーザーを出しており、輸入種牡馬全盛だった当時としては
かなりの成功を収めています

 

ぶっちゃけ、私個人としては殿堂入りはして然るべきだと思い
ますし、ハクリヨウ自体を知らない今の若い競馬ファンには少し
問題があると思いますね

 
以前、タケシバオーの殿堂入りの件に対し、特例で措置が認め
られたのは、当時を知る人間が少なくなって、入る票数が限られて
しまっているためという解答がありました

 

そして、その時同時に決まったのが、引退してから20年以内の
馬のみの選定に限るという条件

 

つまり、現行ルールならハクリヨウの殿堂入りは今後もありえない
ということになります

 

コイワイ、イスズ、ナスノ、フロリスト、バンザイ、アストラル
などといった古い伝説の名馬達にもいえることですが、日本の競
馬ファンが海外の競馬ファンに比べ昔の競馬に明るくないのは
間違いなくJRAの体質が問題だと思っています

 
その昔、日本で20世紀の名馬を決める投票を行ったところ、
1位がナリタブライアン、2位がスペシャルウィークとなった
ことはご存知でしょうか?
シンボリルドルフやシンザンなどは10位前後
伝説と言われたクリフジなどは確か80位くらいだったと思います
そして、100位のブゼンキャンドルと並んだメイズイの名前を
見た瞬間、私はぶち切れそうになったのを今でも忘れられません

 
ちなみにアメリカで同様に行われた20世紀の名馬は
1位がマンノウォーで2位がセクレタリアト

 

顕彰馬と言うのは、競馬を文化として後世に綴っていくための
選定というのは顕彰馬制度が出来たときからの公約みたいなもの
でしたが、まったくその役割を果たせていません

 

例えばアメリカなどは200頭を超える顕彰馬がいますが、日本
だとたったの32頭

 

そりゃ、文化として浸透しないわけですよ

 
だって、若い人に文化、歴史としての競馬が全然伝わってない
ですもん

 

ギャンブルとしての側面から目をそらそうと、若い初心者
を装った競馬のCMを最近良く見かけますが

 

大元であるJRAがあれを続ける以上、日本に競馬と言う文化が
根付くことはないのだろうなとつくづく残念な気持ちになります

 

ちなみに、ハクリヨウは日本の20世紀の名馬では100位にすら
ランクインしていないみたいです

 

日本の競馬界に取って、名馬って一体何なんでしょうね、本当

 
どうも歳を取ると愚痴が増えるようでいけませんね
最近馬券の成績が伴わない影響なのかもしれません

 

来週は楽しい話が出来るといいなぁ

 

 

それでは今週もよろしくどうぞ~

 

 

 

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4月30日(日)

 

 
京都11R        天皇賞

 

 

 
現時点でどちらが1番人気になるなどは知りえないが、
枠の恩恵がキタサンブラックにあろうともサトノダイ
ヤモンドを信じる

 

サトノが大外に入れられたことが論点となっているみたいだが
正直、中山2500mほどの枠の有利不利の差はないはず

 

有馬記念での着差を見ている限り、京都代わりの適正を
考慮すれば、当時の2kg差はすぐにでも埋めてしまえそうだ

 

後はルメールの腕次第

 
キタサンブラックが勝つときは大抵楽な競馬

 

中段前目から削っていけば宝塚のように死角が無いわけではない

 

これまたキタサンブラックよりは良いと思っているシュヴァルグラン
を安く購入して、上記のようなロングスパートの競馬になったときに
抑えとして機能するよう考慮したい

 

 

 
サトノダイヤモンド      8,500円
シュヴァルグラン       1,500円