4月16日(日) うまうまジェントル氏予想【皐月賞】

どうもおはようございます

 

うまうまジェントル氏です

 

今週は皐月賞、先週の桜花賞では圧倒的1番人気に推されたソウルスタ
ーリングが敗れ、どことなく不穏な雰囲気が漂い始めた3歳クラシック
戦線

 

今週も紅一点となったファンディーナが1番人気で出走とあらば、
馬券妙味といった点でも、競馬の歴史と言った観点からも非常に
重要な一戦

 

過去、皐月賞に挑んだ牝馬の結果はここまで散々お伝えしたとおり、
決して芳しいものではありません

 
これだけの人気を背負ったファンディーナがどうなるかは不安でも
あり楽しみでもありますね

 

牝馬とは言え500kgをゆうに超える恵体の持ち主ゆえ、中山という
舞台でも牡馬に引けを取らない可能性も十分

 

牡馬の一線級とは完全な別路線ですが、ここまでの3戦を全て圧勝で
臨むこの馬がどういう結果になるのか

 
歴史を動かすほどの名馬であれば、まさにクリフジの再来となるか
も知れませんね

 

さて、今週の馬の話ですが

 
まさにファンディーナ同様、3戦3勝の無敗で皐月賞に挑んだ馬が
昔いました

 
しかもその全部が圧勝・・・その馬は結局皐月賞を勝ってしまいます

 

そりゃ20年も競馬やってればある程度色んな馬を見てきましたし
趣味の範囲ですが、昔の馬や海外の馬などの勉強も少しながら
嗜んできた自負はあります

 
しかし、リアルタイムで私が見てきた馬の中でどの馬が一番強かった
かと問われると、この馬と即答しますね

 

3戦3勝で挑んだ無敗の皐月賞馬

 
それこそが、私の中の最強馬である

 

 

アグネスタキオンであります

 
一応サイレンススズカだのシンボリクリスエスだのディープインパク
トだのダイワスカーレットだのオルフェーヴルだの、色んな名馬を
現役で見てきたつもりですがどれが一番かと問われると、まずはこ
の馬アグネスタキオン(次点でキングカメハメハですかね)

 

アグネスタキオンは父はサンデーサイレンス、母はアグネスフローラ

 

父は言わずと知れた日本競馬史に残る説明不要の種牡馬の1頭である
サンデーサイレンス
現役時代はアメリカで2冠を制し、ヒーロー的な活躍をするものの
その血統と馬体が嫌われ本国では牝馬が集まらず、一部馬の権利を
持っていた吉田照哉が購入を持ちかけ、そのまま日本に輸入

 
その後、競馬史を塗り替えるレベルでの目覚しい活躍で名馬を
輩出し、今の日本競馬の礎ともなった大種牡馬と言っていいでしょう

 

サンデーサイレンスの本邦輸入は日本の競馬を軽く50年は進化さ
せたと言っても大げさではありません

 
今日本がパート1国となり、世界の大レースで結果を出せるように
なったのは間違いなくサンデーサイレンスのお陰

 

サンデーサイレンスに限り、血統や戦跡を端折って書いているのは、
ぶっちゃけいちいち説明するのも面倒だからです(笑)

 
そして母のアグネスフローラは、言わずと知れた桜花賞馬
オークス馬アグネスレディにロイヤルスキーを付けて産まれたこの
名牝は5戦5勝という完璧な戦跡でドロドロの馬場の桜花賞を圧勝

 
父のロイヤルスキーはアメリカのリーディングサイアーである
ラジャババを父に持ち、父の産駒の傾向同様、早仕上がりで
タフな馬場で結果を出しています

 
重馬場の桜花賞で、ダートの新馬で大差勝ちして挑んだケリーバック
を全く相手にせず勝ちきったのは、まさにこのロイヤルスキーの血

 

先週の桜花賞を勝ったレーヌミノルの母系にもしっかりとその血が
残っており、タフな馬場での早熟血統馬の激走という結果には
納得いただけるはずではないでしょうか

 

母のアグネスレディは中長距離の大レースで数々の名馬を輩出
したリマンドの仔

 

癖の強いロイヤルスキーの血を持ちながら、この一族がクラシック
ディスタンスで活躍できたのは、このリマンドが祖に持つ名うての
長距離種牡馬であるアリシドンの血の影響でしょう

 
父は米国の2冠馬で世紀の名種牡馬、母は桜花賞馬で祖母はオークス
馬、更に一つ上の兄であるアグネスフライトはダービーを制しており
まさに超エリートの一族に産まれたアグネスタキオン

 
クラシックを目指すためだけに産まれたといっても過言ではないその
血統

 
更に、当歳の時点で既に『兄より上の素材』などと牧場では
囁かれており、その兄がまさかダービーを勝ってしまったので
社台ファームは逆にこの馬に対する評価を曖昧なものにしたと
いう逸話まで残っています

 
そりゃ、ダービーを勝った馬より強いなどとデビュー前から
騒ぎ立てて、もし結果が出なかったら赤っ恥ですしね

 

そんなアグネスタキオンは、母や兄と同じ栗東の長浜厩舎に
入厩

 
体質と脚元の弱さからデビューは12月の阪神と、少し遅めの
デビューとなりました

 

新馬戦は阪神2000mというクラシックを意識した有力馬が出走する
距離を選択した上に、脚元の弱さが原因で直前の調教がコースで
上がり14秒台と全く時計を出せないままでの出走

 

人気も牧場時代の前評判とは打って変わって10頭立ての3番人気と
いう低評価となります

 
しかし、アグネスタキオンは3コーナーから徐々に進出すると
4角で逃げるリブロードキャストを捕らえ、そこから突き放す

 

何と付けた着差は持ったまんまで3馬身半、そして何より恐ろしい
のは、当時の競馬でラストの1fが11秒フラットというとんでもない
時計を出しての圧勝

 

スローペースでどの馬も余力があった中での上がり勝負で、一瞬で
これだけ突き放して見せたアグネスタキオン

 
メンバーも2000mの新馬らしく、後に重賞を制するボーンキングに
メイショウラムセスと立派なものでした

 
2着のリブロードキャストも故障に泣かされて未勝利を勝てませんで
したが、母ロジータという血統背景もあり、無事なら重賞の一つは
勝てたのではないかという評価をされています

 

この圧勝劇で評価を高め、暮れのラジオたんぱ杯に出走することと
なったアグネスタキオン

 

しかし、ここでのアグネスタキオンの評価は完全に脇役

 

ここまで京都と阪神で2000mの2歳レコードを更新して圧倒的1番人気
で出走してきたクロフネがいたからです

 
ちょうどこの翌年、外国馬にダービーが開放されるタイミングで
このネーミングセンス

 
日本のクラシックを侵略するまさに黒船などと言われ、メディアは
大きく騒ぎ立てます

 

正直事前評価は、クロフネがどんな勝ち方をするかだけが焦点
札幌で重賞を制したジャングルポケットが休養を挟んで出走
していましたが、そちらも完全に脇役でした

 

調教も相変わらずレース前にも拘らず15-15のような追い切りを
こなすのみだったアグネスタキオンは1戦1勝とキャリアにも乏し
かったせいか、単勝では2番人気に推されるものの、連複やワイド
ではクロフネに大きく離された3番手評価

 
レースが始まると、逃げるスターリーロマンスを追走する馬
達の真後ろでじっくり構えるクロフネ

 
同じような先行捲くりの競馬でここまでレコードで連勝してきた
クロフネにはまさにもってこいの展開となります

 

そして、満を持して4コーナーで前を飲み込もうとするクロフネ

 
いつもの勝ちパターンでここからどれだけ突き放すのか

 

同じく4角で後ろからやってきたアグネスタキオンはどこまで
クロフネに詰め寄れるのか

 

誰もがそんな感じでレースを眺めていたと思います

 
しかし、直線に入って前を交わし終えたクロフネに異変が起きます

 

なんとアグネスタキオンがあっという間にクロフネに並び、
そのまま持ったままで軽く交わし去って行ったのです

 

クロフネはいつもの競馬をして、他の馬を完全に引き千切っている
にも拘らず、アグネスタキオンはあっさりとクロフネに並んで
そのまま鞭も使わず抜き去った

 

正直、その瞬間のWINSのどよめきは17年経った今でも忘れられません

 

G3であそこまで場外馬券場が沸いたのは、人気馬の落馬や故障以外
ではその時以来一切記憶にないからです

 
そして、アグネスタキオンはそこから持ったままでクロフネ相手に
約4馬身の差を付けゴール

 

焦って仕掛けたクロフネを最後交わしたジャングルポケットとも
最後は2馬身半差をつけての圧勝で、クロフネの後ろには5馬身の
差が出来ていました

 
そして、おまけと言わんばかりに前述したクロフネの阪神2000mの
2歳レコードはあっさりとアグネスタキオンが更新

 
アグネスタキオンがゴールした後もWINSは、どよめきが収まりません

 
そりゃそうでしょう

 
当たり前のように勝つと思ってた1.3倍の馬が、当たり前のように
勝つ競馬をして、当たり前のように周りをちぎり捨てにかかったら
1頭だけが何事もないようにスゥーッと横に並んで交わし去る

 
もしも、ディープインパクトが勝った有馬記念で、ディープインパ
クトと一緒に上がってくる馬がいて、それが直線に入って早々ディ
ープインパクトを鞭も使わず突き放してしまったら・・・

 

そんな事態を想像してもらえれば分かりやすいと思います

 
皆さんもご存知のようにジャングルポケットはこの年のダービー馬
クロフネはNHKマイルと、この3頭で春のG1戦線は総なめにする
馬達です

 

そして、ジャングルポケットはJCでテイエムオペラオーを競り落とし
優勝、クロフネはJCDでとんでもないタイムで圧勝

 
そんな馬を相手にアグネスタキオンは鞭も使わず軽くちぎり捨てて
しまった

 
今考えると更にこの馬の恐ろしさが思い起こされます

 

こうなると来年のクラシックの展望はアグネスタキオン一色

 

調教師が『3冠を取れる馬』と吹けば、競馬記者は最優秀2歳牡馬
でアグネスタキオンに大量投票して、G1を勝ったメジロベイリーに
あわやと言うところまで詰め寄らせる

 
私個人としても、生まれて初めてこの目で3冠馬が見られると
色めきたっていた当時の気持ちが思い起こされます

 

翌年を迎え、日に日に評価を高めるアグネスタキオン

 
ファンの間でも、競馬雑誌でも3冠という期待が日増しに
大きくなっていったのを思い出します

 
そして、そのファン達の期待に応えるかのように、万全の状態で
弥生賞に出走してきたアグネスタキオン

 
しかも2歳時とは異なり、馬なり調教ではなく普通に追い切りをこな
しての出走

 

2番人気は新馬戦で遥か彼方にちぎり捨てたボーンキングが、その後
重賞勝ちと含む2連勝で出走してきたのみ

 

当時のオッズは1.2倍でしたが、逆によくもまぁそれだけ付いたなと
思えるくらいのオッズでした

 

競馬に絶対はないと言いますが、この弥生賞に関しては絶対はあった
と未だに思えますね

 

そして、結果は5馬身差の圧勝で後続を相手にしなかったアグネスタキ
オン

 

2着にはボーンキング、3着にはその後種牡馬となって天皇賞馬を輩出
したミスキャスト、4着には後のG13勝馬マンハッタンカフェ

 
そんなメンバーで5馬身とはもう、馬のレベルが違ったんだと思い
ます

 

多分、クリフジとかトキノミノルとかマルゼンスキー辺りと同等でし
ょう

 
そして続く皐月賞では単勝1.3倍という圧倒的な人気の中、完勝した
アグネスタキオン

 
レース自体は、1.3倍の馬が先行してから4角で抜け出して突き放す
という非常につまらないものでした

 
言い方は悪いですが、1番人気の馬があまりに強すぎて・・・
想定内の競馬過ぎてつまらないと感じた人は多かったはずです

 
無事トキノミノルに次ぐ皐月賞の単勝支持率に見事応えて見せました
アグネスタキオンですが、レース後しばらくしてから屈腱炎が発覚

 
皐月賞のパフォーマンスが、これまでとは違って平凡だった
のは、重馬場の弥生賞で既に故障を患っていたのではなかった
かという話すらありました

 

結局この怪我が原因で皐月賞限りで引退することとなったアグネス
タキオン

 

3冠の夢は幻となり、サンデーサイレンスの最高傑作とまで言われた
馬としてはあっけない幕切れになりました

 

その後は内国産種牡馬として、クモハタ以来のリーディングサイアー
になるなど活躍するも、早逝していまやその直系は風前の灯火

 

ダイワスカーレットやディープスカイなどの名馬を輩出したものの
そこからがなかなか繋がりません

 

昨日、アンタレスステークスを勝ったモルトベーネは、父がディープ
スカイで、アグネスタキオンの孫に当たる馬

 

どういった形でもいいので、何とかその血を残してほしいと願って
止みません

 
それでは今週もよろしくどうぞ~

 

 

 

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4月16日(日)

 
中山11R        皐月賞

 
1番人気は割と抜けた形でファンディーナ

 
さすがに1倍台はないが、最終的には3倍以下に落ち着きそう
なオッズである

 
ここまでのファンディーナはデビュー時より4kgずつの馬体減

 

元々大きい馬である上に、詰めて使われた経緯がある以上
これは仕方ないが、この中間は終始馬なり調教に徹した

 

輸送などの加減もあるのだろうが、もしこれで馬体が減っている
ようだとこれは大きなマイナス評価

 
やはり、常識といった観点からはファンディーナは凄まじく買い
にくい

 

なぜ桜花賞に使わなかったのか、それがわからない

 

今回の皐月賞挑戦自体が匹夫の勇となる可能性も十分

 

前走の勝ち方が凄かったとは言え、単純な走破時計では同週開催
されたスプリングSの方が時計が優秀

 

ここは静観が妥当とする

 

本命はスワーヴリチャード

 
レース内容の向上が目に見えて分かるハーツクライ産駒

 
デビュー戦でエンジンがかからなかったことを考えれば
前走の勝ち方などは本当に成長したものだ

 

東スポ杯で切磋琢磨したムーヴザワールドとも、きちんと
勝負付けを済ませ、更なる成長を感じさせる内容

 
中山のG1で内枠といえど、この馬は先行もできる

 

7倍も付くのであれば狙っていける馬であろう

 
相手に買いたいのは、アウトライアーズとアメリカズカップ

 
前者も叩き良化形のヴィクトワールピサの子

 

前走ひいらぎ賞で負かしたウインブライトに後れを取ったのは
松岡の好騎乗と、休み明けにやられた形

 

500万の競馬内容をみるに、中山だとカデナにも引けを取らない
馬だと思われるくらいコーナリングが上手い

 
鞍上の田辺込みで非常に面白い一頭だ

 

そして、あまりにも評価の低いアメリカズカップ

 

前走は最後方待機のサトノアーサーをコーナーで置き去りにして、
最後は全く同じ脚で突き抜けた

 
確かに馬場が重く評価のしにくい競馬ではあったが、50倍を超える
ような馬ではないだろう

 

鞍上の松若ももう4年目、浜中も川田もこの頃にはG1を勝っていた

 
別に騎手がどうこうといって切るような馬でもあるまい

 
最後に元返しくらいでカデナを抑えておく

 

 
スワーヴリチャード      4,500円
アウトライアーズ       2,500円
カデナ            1,500円
アメリカズカップ       1,500円