4月9日(日) うまうまジェントル氏予想【桜花賞】

どうもおはようございます

うまうまジェントル氏です

 

今週は春のクラシック第一弾桜花賞
ファンディーナの皐月賞参戦でよりソウルスターリングの1強ムード
がより高まった感がありますが、それを取り巻く周りのメンバーも
例年であれば主役クラスの名牝ばかり

 
対抗に推されそうなアドマイヤミヤビは、皐月賞トライアルで好走し
本番でも人気をするであろうカデナとアウトライアーズを相手に
500万下で完勝していますし

 

2歳時に阪神JFでソウルスターリングに肉薄したリスグラシューは
当時大きな出遅れもあって、当然見直しの声も聞こえます

 
ファンタジーSで怪物ばりの追い込みを披露したミスエルテは、
1番人気で朝日杯に果敢に挑むも馬群に揉まれて4着となったフ
ランケル産駒ですし

 

カラクレナイやライジングリーズンですら、本来なら前哨戦を快勝
してきてる以上もっと評価されてもいい馬なのですが、ここでは
完全に脇役扱い

 
今からちょうど10年前のダービーで、牡馬戦線が手薄と見るや
ダービーに参戦して栄冠をもぎ取ったウオッカがいたのですが、
陣営の本音としては、オークスでダイワスカーレットを相手にする
くらいなら、ヴィクトリー程度で勝てる皐月賞戦線に行った方が確
実と思ったに違いありません

 

実際はダイワスカーレットがオークスを回避して休養するのですが
結果的にその判断が正しかったことは、結果が証明しています

 
正直なところ皐月賞を選んだファンディーナ陣営も、フラワーCからの
厳しい日程云々というよりも、レベルに恵まれた牡馬路線に逃げたと
言った方が正しいかもしれませんね

 
確かにここまでメンバーが揃った上で無敗での桜花賞制覇が期待さ
れるソウルスターリングではありますが、実は長い桜花賞史の中で
無敗での桜花賞馬は、実に数えるくらいしかいなかったりします

 

ダンスインザムード、シスタートウショウ、アグネスフローラの3頭

 

この3頭は、実は共通点として全て12月にデビューしている馬たちで
夏競馬で早いうちに活躍したような馬や、2歳G1を制したような牝馬
は1頭も無敗で桜花賞を制することは出来ていません

 
如何に若い牝馬の長期状態維持が難しいかを物語っているかであり
ますが、更にこの3頭は皆オークスを勝てていないんです

 
どの馬も圧倒的1番人気で出走したはずのオークスで、引っ掛かった
り、伏兵に逃げ切られたり、仕掛けのタイミングをミスって差された
りと結果を出せず終わっており、どれだけ圧倒的な力を持っていよう
とも牝馬そのものの繊細さや、マイルと2400を両方制覇することの
難しさを痛感させられますね

 

ただ、上記3頭以外の例外が1頭だけいました

 
日本競馬史上唯一の無敗2冠牝馬であるミスオンワードです

 
ここまで桜花賞とオークスを制した2冠牝馬は9頭出ているし、
いずれも素晴らしい名牝ではありますが、無敗の馬はこのミスオン
ワードただ一頭

 
スウヰイスーも、テスコガビーも、メジロラモーヌも、ブエナビスタ
も成し得なかった偉業です

 
ミスオンワードは父ハードソース、母ホールドタイトという血統

 

母のホールドタイトがハードソースの仔を腹に宿したまま日本に
輸入された、いわゆる持ち込み馬という立場

 

父のハードソースは、1951年のジュライCを勝った短距離馬で、
産駒自体もブリープブリープなど短距離志向の強い馬が多いので
すが、中にはハードリドンのようにダービーを制する馬もいたの
は第二次大戦中に仏ダービーと凱旋門賞を制した名馬アルダンを
その父に持っている影響でしょうか

 

ミスオンワードの母であるホールドタイト自身も、ゲインズボロー
の直系を持ち、マンナやブランドフォードと言った今なお重厚な欧
州血統として残っている血統を持っていたことも、ミスオンワード
がマイルの桜花賞と2400mのオークスを制することが出来るスピー
ドとスタミナを要していた一因であると思われます

 

今の若い競馬ファンにもシンザンで有名な名門武田文吾厩舎に入厩し
たミスオンワードは、10月の暮れに京都の新馬戦でデビュー
鞍上には当時の若手No1とも言われていた武田厩舎所属の栗田勝を
起用

 

後にコダマやシンザンと言った歴史的名馬でダービーを制する栗田が
初めて跨った正真正銘の名馬とも言えるでしょう

 

1番人気に推されたミスオンワードは、最内枠から先行しそのまま
新馬戦を押し切りました

 

次走の3歳Sでは後のダービーで4着、中山4歳Sで2着と健闘するヨドノ
カゼを相手にあっさりと逃げ切り勝ち

 

世代の牡馬でも有力候補であったヨドノカゼに勝ったことで大きく
評価を高めたミスオンワードは、更に12月の3歳オープンを完勝し、
暮れの関西馬の2歳チャンプを決める京都3歳Sに出走します

 

この年に限り、阪神ではなく京都で開催された関西の2歳チャンピ
オン決定戦
名称もこの時のみ京都3歳Sとなっていますが、現在開催されてい
るG2レース、京都2歳Sとは全くの別物

 

正真正銘の2歳チャンプを決めるレースであります

 

※ぶっちゃけた話、この年は年末の阪神開催と京都開催が入れ替わ
って行われてしまったため、阪神3歳Sも12月の頭に行われていたり
するのですが、ややこしくなるだけなのでここは割愛します

 
そんな中、前述のヨドノカゼに勝ったことで1番人気に支持された
ミスオンワード
最も2番人気がそのヨドノカゼであった以上、この評価は妥当と
いえるところ

 

ここでは、後の皐月賞を3着し、古馬になっても阪神大賞典や日経
新春杯を制したトツプランが同じ武田文吾厩舎から参戦

 
ミスオンワード同様持ち込み馬として期待され、後に天皇賞で1番人
気に推されるほどの素質馬であったトツプラン

 

この馬も新馬、2戦目と共に栗田が手綱を取っての参戦となったので
すが、ここで栗田が選んだのはもちろんミスオンワード

 
厩舎2番手の松本善澄(シンザンの有馬やカツラノハイセイコで有名)
がトツプランに乗っていたこと自体が、ミスオンワードの評価の
高さを伺わせています

 

多分に漏れずここもトツプランを退けあっさりと押し切ったミスオ
ンワード

 
2着トツプラン3着ヨドノカゼと続いた後ろには実に7馬身の大きな
差が出来ていました

 

牝馬と身ながら、ここまで牡馬を相手に4連勝

 

関西の3歳チャンピオンとして、無事最優秀3歳牝馬に選出される
こととなります

 

ここでミスオンワードは桜花賞に向けてしばしの休養に入ることに・・・

 
今でこそローテーションの確立で3月から始動するクラシック候補の
馬は多いですが、当時は馬が元気ならとにかく使えの時代

 

そんな時期にきちんと休養を挟むという前衛的な選択をした武田厩
舎も良かったのでしょう

 
桜花賞の前哨戦として、同じ舞台の阪神1600mの牝馬限定のOPを
使って本番に臨んだミスオンワード

 

このレース自体が今で言うところのチューリップ賞みたいな扱い
でしょうか

 

そこで世代の牝馬でも有力視されていたヒシチヨ相手に1馬身差の
快勝をしたミスオンワード

 

もう、本番に向けて敵はいない状態となって桜花賞を迎えます

 

単勝支持率は実に75.4%で単勝は100円の元返し

 

2番人気に推された馬が前回同じ舞台で完勝したヒシチヨである以上
この評価はしょうがないところでしょう

 

唯一問題視されていたのは当時25歳の栗田勝

 
当時実績に乏しい若い騎手がこの大舞台で圧倒的1番人気に乗ること
に対する不安が、重箱の隅をつつくような感じで穴党の間では
持ち出されていたそうですが

 

そこで調教師の武田が栗田に指示したことは

 

『どれだけ頭数が多かろうが、逃げれば問題ない』という一言

 
その言葉通り、ハナを切って桜花賞を一人旅

 

ミスオンワードは単勝100円という圧倒的オッズに応えて見せます

 

最も複勝は110円付いたそうで、当時単勝を当てた人はなんとも言
えない気持ちになったであろうと想像に難くないですね

 

その後もオークスへの叩き台として57kgを背負わせれたOPを使う
のですが、そこでも4馬身の圧勝をしたミスオンワードは、オーク
スでも1番人気に推される

 
関東の新星として、朝日杯に1番人気で臨んだ期待馬セルローズが
2番人気に取って代わり、ミスオンワードに挑むこととなりますが
結局ミスオンワードとの競り合いには一歩及ばず3着

 

堂々と無敗で2冠を制して見せました

 
そこで注目されるのが、ミスオンワードの今後

 

無敗で牝馬2冠を制した以上は牡馬との戦いを望む声が大きくなる
一方

 
常識的に考えるなら、ここで休養を取って秋に備え、菊花賞でも
目指すべきなのでしょうが

 

これだけの牝馬でダービーに挑まないのはもったいないと言うファ
ンの声がにわかに大きくなってきていました

 
しかし、秋までたっぷり休養を挟める菊花賞の一方で、肝心のダー
ビーはオークスの翌週

 

実は日本の競馬でも連闘で重賞に挑んで2連続で制した馬はこの時点
では一頭もおらず
その長い歴史の中でも京都杯でシンザンを破ったバリモスニセイただ
一頭

 
オグリキャップがマイルチャンピオンシップを制した翌週に、連闘で
挑んだジャパンカップで世界レコードのクビ差2着となり日本を大い
に沸かせましたが、正直オークスダービーの連勝難易度はそれをはる
かに上回るであろうことは容易に想像できるでしょう

 
まず条件として牝馬にしか挑戦できない上に、周りはオークスもダー
ビーもお釣りなしで馬を仕上げてくるレース

 
一概に牡馬より競走能力が劣ると言われる牝馬で、連闘で牡馬がメイ
ンの最高峰レースに出ると言うこと自体がおかしいです

 
まぁ世の中にはおかしな馬もいるもので、名牝セプターなどは
ダービーこそ負けたものの牝馬で4冠を制していますけど

 

しかし、常識的に考えて普通の馬にはそんなことは無理でしょう

 

一応日本だと顕彰馬クリフジがオークスとダービーを両方制して
いますけど、当時はオークスの開催が秋であり、今とは全然条件が
違ったわけです

 
しかし、ミスオンワードは当時空前絶後の最強牝馬として、
そのまま連闘でダービーに出ろと言う声が競馬ファンの間で
大きくなり、そのまま押し切られる形で武田文吾は
ミスオンワードを急遽ダービーに出走

 

クレオパトラトマス、クリフジ以来の無敗の牝馬がダービー参戦
とあって、その年の日本ダービーは大盛り上がりをみせることと
なります

 

そして、ここまでの実績を評価され、連闘という無茶な出走にもか
かわらず皐月賞の1着2着馬であったカズヨシ、ヒカルメイジに続
く3番人気と言う高評価でファンはダービーに送り出しましたが

 

結果は17着と大惨敗

 

無責任なファンの声を無理に聞き入れたがために、空前絶後の
大名牝は、ごく普通の名牝となってしまったとも言えなくないですね

 

今の若いファンも、14戦無敗のクリフジに関しては名前くらいは知っ
ていても、このミスオンワードのことを知っている人は少ないのでは
ないでしょうか?

 
無敗であるトキノミノルやマルゼンスキーが顕彰馬となり伝説的な扱
いを受けているにも拘らず、カブラヤオーやミホノブルボンなど準パ
ーフェクトな戦跡を並べた馬でもそれらに比べて少なからず格落ちの
馬という印象を受けるのも確かです

 
その後、ミスオンワードは菊花賞や天皇賞を目指し、共に1番人気に
支持されるも勝つことはなく、古馬になってからの大レース制覇は
目黒記念を勝つにとどまりました

 
ミスオンワードはそこまでの馬だったという声も当然無きにしも非ず
ではありますが、あのダービー出走がこの馬の歯車を大きく狂わせた
のもそれまた事実

 

ミスオンワードは引退後、繁殖としても結果を出し、シンザンの同期
にして武田文吾にシンザンより強いと言わしめたオンワードセカンド
や、重賞を4勝したアポオンワードなどといった名馬を輩出していま
すが、結局大レースの勝ち馬を出すことは出来ず、空前絶後の名牝と
まで言われ、単勝元返しで桜花賞を制した名馬としては現在少々寂し
い評価を受けています

 

我々競馬ファンも、今年の牝馬戦線を見て、

 
やれダービーだ

 
やれ皐月賞だ

 
などと大騒ぎしていますが、ファンに推されて出走したたった一走の
レースがその馬の馬生を大きく変える事だってあるということを
思い出してほしいです

 

もしもミスオンワードがあの時、連闘でダービーなどに出ることを
しなければ、今頃はもしかして生涯無敗のきらびやかの成績で引退し
史上最強牝馬として、未だにクリフジと共に現在の名牝たちとの論争
の種になっていたかもしれないと思うと残念でなりません

 

ファンがあっての競馬というのは馬券の売り上げで運営をしている
日本競馬において決して間違えではないのでありますが、

 

馬がいてこその競馬ということは、一競馬ファンとして心のどこかに
留めておきたいものであります

 

今週のソウルスターリングも、午前中に4000万円を超える大口投票
が確認されており、ただいま1.1倍と言うとんでもないオッズと
なっています

 

ミスオンワードは1.0倍    テスコガビーは1.1倍

 
これらの名牝はいずれも逃げて桜花賞を圧倒しました

 

果たしてソウルスターリングはどうなるのか?

 
その歴史を見ることができるのは、今の競馬ファンである
我々の特権ですね

 

それでは今週もよろしくどうぞ~

 

 

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4月9日(日)

 

 
阪神11R        桜花賞

 
どつぼに填まりそうで申し訳ないのだが、

 

 

さすがに1.1倍の馬は買えない

 
勝ったところで利益は出ず、負けたときはみすみす高額馬券を
取り逃すこととなる

 
ここまで1.2倍や1.3倍の馬券に手を出したことはあるが、それは
オッズが確定してからの結果論であったことがほとんど

 

1.5倍辺りで想定していたオッズよりも相当人気が落ちてしまった
いわば前日予想の穴のようなもので、ご容赦願いたい

 
ただ、今回は既に1.1というオッズが出ている以上、毎レース
同額で予想する以上はそれに手を出すことはありえないだろう

 

そりゃ、ここで100万円ぶちこめるならそういった考えもあるが
さすがにそれはルール違反

 
と言ったことで、ソウルスターリングは無いものとして予想
する必要がある

 

 

来た場合はもう諦めよう

 

 

どうしてもソウルが勝つと思っている人は、他の券種で攻めるか
大口投票で利益を出すかを考えてもらいたい

 
仮にソウルがいないとすればこのレースは非常に見やすくなる

 

 

実際に牡馬路線で結果を出しているアドマイヤミヤビを中心に
時計と実績を持っている馬を優先的に買えばいい

 

結論としては、ミスエルテ、リスグラシュー、カラクレナイの
3頭

 
ソウルスターリングがとんだときに、それ以外の馬が勝つことは
考えにくい

 

 
アドマイヤミヤビ      4,000円
ミスエルテ         2,000円
リスグラシュー       2,000円
カラクレナイ        2,000円