どうもおはようございます
うまうまジェントル氏です
先週のフラワーカップは、1番人気に推されたファンディーナが圧勝
4角で早々と前を捕らえた後は持ったままで後続を引きちぎる一方的
な競馬を披露し、付いた着差は実に5馬身
しかもレースレコードのおまけつきで重賞制覇を成し遂げました
500kgを超える大きな身体を持て余したせいか、今年の1月後半の
デビューになり、とても桜花賞には間に合わないのではないかと
思われていた馬でありましたが、無事3連勝で今年のハイレベル
な牝馬戦線に参戦することとなった
とは言え、現状レース間隔を考えると桜花賞に出るかは微妙なライン
だそうで、今の段階では回避も十分にありえるという話
前走をあれだけ楽な競馬で勝っている以上、何とかして桜花賞に出て
ほしいと言うのが一競馬ファンとしての個人的な本音でありますが、
ターフスポートのような欲の皮の突っ張った弱小クラブなら、この千
載一遇の宣伝チャンスを逃すまいと出走させてくれると信じています
ただ、現段階でのファンディーナは今のハイレベルな牝馬戦線の
相手とは一度も戦ったことがない馬
フラワーCに出走予定だった物差し馬、フローレスマジックが回避
したことにより、この馬の能力は現段階で不透明な部分も多いと思
われます
一応阪神JF4着のディーパワンサが出ていましたが、あれだけ惨敗さ
れると比較対象にするにも少し物足りないですよね
私個人の見解では、ここ3戦の上がり差やラップを見る限りソウルスタ
ーリングやアドマイヤミヤビよりも格上と判断するのですが、例え無
敗で新馬戦を9馬身引きちぎろうが、重賞を5馬身ちぎろうが、そんな
もの何の意味も持たないという事例も過去にあったりするんですよね
今週のお話の馬は、ファンディーナと同じく3歳の1月後半にデビュー
した後、新馬戦で後続を推定20馬身引き千切り、続く一月後の条件戦
も圧勝
挙句の果てには今週行われる毎日杯で5馬身差の圧勝を収めていざ無
敗でクラシック戦線に参戦したら、実は
\ゼンゼンヨワイー/(CV:尾崎由香)
という悲しい馬
正直、この馬の存在があったからいまいちファンディーナを信じきれ
ないという競馬ファンも多いのではないでしょうか
まさにここまでのファンディーナと瓜二つの戦跡を歩んだ馬
それが今回の主役の馬である
ダイゴアルファ
ダイゴアルファは父トウショウボーイ、母エリオーダー
父のトウショウボーイは最早説明不要の名馬で、父のテスコボーイ
と共に日高の一時代を築いた日本競馬史に名を刻む内国産種牡馬
ですね
現役時代はテンポイント、グリーングラスと共にTTGの一大競馬ブ
ームを担い、引退してからも3冠馬ミスターシービーを初めとする
数々のG1ウィナーを世に送り出してきました
母のエリオーダーは小岩井の基礎牝馬であるプロポンチスの血を
引く日本古来の牝系であり、古くはアスコットやワカクサなどを
輩出した名門
近年でもアイネスフウジンやレガシーワールドにその血脈は受け
継がれていたりします
エリオーダーの母母であるツキヒサは京都記念を勝ち、更にその
母であるバンナーゴールは桜花賞を5馬身差で圧勝しています
やはり日本の基礎牝馬を母系に持つ馬からはどっしりとした
安定感のようなものを感じますね
ダイゴアルファは福永祐一の師匠として有名な栗東の北橋修二厩舎
に入厩
ダイゴアルファのデビューが遅れたのはその体質の弱さゆえでした
非凡なスピードを持っているのは分かっていても、父トウショウボ
ーイ同様腰が甘く、仕上がりに時間がかかり何度もデビューを先送
りにしてきた結果、年明けのダートデビューとなってしまいます
実際に父のトウショウボーイも体質が弱く、同じく年明けの新馬戦
を使っていましたね
なによりトウショウボーイも腰が甘く、2戦目ではあるがダートを
使っていたりするのも結構有名な話じゃないでしょうか
奇しくも父トウショウボーイがデビューした日と同じ1月31日の
京都の1400mダート戦でのデビュー
父トウショウボーイの2戦目同様、少しでも脚元への負担の軽減を考
えた末の選択でありました
当時はデビューした月に限り、新馬戦に既走馬が出走できたというル
ールがあったゆえ、月末の新馬戦であったダート1400mで4番人気と言
う微妙な人気での出走となったダイゴアルファでしたが
しかし、そこで誰もが目を疑う光景を目にすることになります
少し出負けたようなもっさりとしたスタートだったにも拘らず、
既走馬相手にスピードの違いであっさりとハナを取り、1400mと
いう短い距離の間に馬群をどんどん離してゆくダイゴアルファ
直線に向いた時には後続とは既に5馬身以上の差があった上に
その差はどんどん開く一方
なんと、ゴールしたときには2着に3.1秒差(およそ20馬身)というとん
でもない着差で初戦を飾ることになります
ちなみにその新馬戦自体も、OP勝ちのエイシンハピネスを筆頭に
出走馬10頭中8頭が勝ち上がるという、後から考えても決してレ
ベルの低い一戦ではなかったというから恐ろしい話です
栗東の坂路が出来て以降、未だ西高東低が重く圧し掛かる日本の
競馬事情でありますが、その坂路が出来たのが1985年
それ以前は関東馬が圧倒的に強く、関西の馬は大舞台では全くと言っ
て良いほど通用しない時代が続いていました
西の秘密兵器などという陳腐な二つ名でクラシックに参戦して、人気
になっては惨敗の繰り返し
かの伝説クラスの名馬テンポイントが阪神3歳Sで7馬身差の圧勝劇を
披露してなお、当時の関西の競馬ファンや関係者は、
『ようやくこれで関東の馬と互角に戦える』
と胸を躍らせたのは、当時関西テレビで競馬実況を担当していた
杉本清氏の実況を聞けば分かっていただけるのではないでしょうか
ダイゴアルファの2歳時が坂路開設翌年の86年と言うことは、当時は
まだ坂路に関しては手探りの状態で、調教方法なども確立されておら
ず、依然関東馬が強かった時代
そんな関東至上主義の末期に登場した関西の期待の星としてダイゴア
ルファは新馬戦でその名を轟かせたのでありました
年明けのダートの新馬戦とは言え、ここまで鮮烈な勝ち方を見せられ
ると何としてもクラシックに乗せたくなるのは陣営としては仕方のな
いものでしょう
次走に距離をマイルまで伸ばした芝レースのこぶし賞を選んだのも
先を見据えてのレース選択でした
参戦する馬のレベルもぐっと上がったこぶし賞
後の桜花賞3着馬ワンダーレジストを筆頭に、OPを4勝するマヤノ
オリンピア、新馬戦でエイシンハピネスを負かしているコウエイプ
ロスパーなど、年明けのマイルの特別戦らしい面子が揃った中で、
ダートとは言え前走の20馬身圧勝が評価され1番人気に推された
ダイゴアルファ
スタートからあっさりとハナを切ると、そのまま2番手以下を
引き離した逃げを打ち、2馬身半差の快勝
直線に入るまでの6fで11秒台のラップを4回も挟まれては当時の
競馬のレベルを考えればたまったものではないでしょう
後続はなすすべもなく、ハイペースからの大逃げを打つダイゴア
ルファの背中を見つめるだけに終わってしまいます
ちなみにこのこぶし賞が行われた日は2月22日
にゃんにゃんにゃんの猫の日・・・ではなく
新馬戦に続き、またしてもダイゴアルファの父であるトウショウボー
イが2戦目のつくし賞を勝った日と同じだったんですよね
この辺りからダイゴアルファの評価は、期待の星から西の秘密兵器
に格上げされたような声がちらほらと聞こえ始めます
とは言え、未だ400万条件を勝ったばかりのダイゴアルファにクラシ
ックに出走できるだけの条件は整っていませんでした
体質の弱さゆえ詰めて使うことも難しく、2月暮れに一度使ってしま
った以上、クラシックトライアルにも間に合いません
皐月賞トライアルであるスプリングSでマティリアルが空前絶後の
大追い込みを決め、競馬っぷりと馬主と父から連想されたであろう
『ミスターシービーの末脚を持つシンボリルドルフ』
などと言う大層な評判が踊り狂う中、ダイゴアルファは皐月賞の
最終切符でもあった関西の3歳重賞、毎日杯に出走することになり
ました
無論単勝オッズはダイゴアルファの一本被りで2倍代前半
しかし、これだけ人気が集中したこのレースで陣営が意識したことは
クラシックに向けての控える競馬
ここまで2戦続けて逃げて圧勝してきたダイゴアルファであります
が、そんな競馬しか出来ない馬がクラシックで通用することは難
しいことは承知
クラシックに向けての最終切符である重賞で、初めて中段前目に
馬をつけて競馬をすることになったのですが
前につけたキョウワゲートとトッピングガイが早々に脚を無くし
3コーナー手前までに既に逃げるインターホダカ一頭を前に置いた
競馬になってしまいます
そして、最後の4コーナーでインターホダカを捲り上げた後は
最後の直線でダイゴアルファに付いてこれる馬はいませんでした
みるみるうちに後続を引き離し、最後は5馬身差の圧勝
後方から追い込んだ人気馬のダイカツケンザンやダイナチョイス
を遥かに上回る上がり最速の末脚で堂々と毎日杯を制したダイゴ
アルファ
今まで西の秘密兵器という扱いだったダイゴアルファでありますが、
この辺りから、
『遅れてきた真の主役』
『天馬2世』
などと言ったマティリアルに勝るとも劣らない派手な二つ名が
メディアの紙面を飾ることとなります
年明けデビューからの3戦3勝という父トウショウボーイの再来とも
思える戦跡と、東高西低時代の関西の期待の星というテンポイントの
要素を併せ持つダイゴアルファ
関西期待の星であったテンポイントのクラシック制覇を打ち砕いた
トウショウボーイの仔が、そのテンポイントと同じ立場で
クラシックに挑むと言うのもまた面白い話でですね
マティリアルがシービーとルドルフならば、こちらはボーイとテンポ
イント
毎日杯からのローテならぎりぎり皐月賞に間に合う
俄然盛り上がる3歳クラシック戦線への新星の誕生
しかしそんな中、北橋調教師が選択したのは皐月賞を回避して
NHK杯からダービーを目指すと言う結論
元々脚元が弱くデビューが遅れたが、結局のところ能力にものを
言わせて皐月賞に間に合ってしまった感のあるダイゴアルファ
父のトウショウボーイも同じような立場ではありましたが、トウ
ショウボーイの時は厩務員ストで皐月賞の開催が遅れた上に、関
東馬ゆえに中山への輸送も考慮する必要がなかったんですよね
北橋調教師のダービー一本化の選択は、馬を本意に考えたならば
妥当であったと言えるかもしれません
しかし、その選択肢が大きくこの馬の歯車を狂わせてしまうことに
なります
輸送と体質と本番であるダービーを考慮して馬体を緩めて出走した
NHK杯
ここまでの圧巻のレースぶりと騒ぎ立てたメディアの評判が評価され、
初の関東での1戦にも拘らず1.7倍という圧倒的な1番人気での出走と
なったダイゴアルファだったのですが
毎日杯と同じような中段前目のポジションからの競馬で直線伸びを
欠いての4着
同じ位置から叩き合ったベルグマイスターにも差し返されての
力負けでした
恐らく今の競馬ファンの感性なら、
『所詮関西馬wwwwww』
『ダイゴアルファとは何だったのか?』
『33-4』
などと言われ
ネットでオモチャにされるであろう惨敗劇です
しかし、当時は新聞メディアが天下の時代
トウショウボーイの再来とまで言われ、テンポイントと同じ期待を
込めて送り出した関西の雄がこの程度で終わるはずはない
阪神タイガースよろしく、関西メディア独特のごり押し感もあったで
あろう当時の競馬事情も含め
叩き台となったNHK杯は度外視と言う形で、結局日本ダービーでも
3番人気に推される形で本番を迎えることとなったダイゴアルファは
本番の日本ダービーでは3コーナーでレースに付いていけず
ずるずると後退し、結局24頭立ての20着という惨めな結果で
ダービーのゴールを通過する羽目になってしまいました
結局、その後は馬を立て直すことが出来なかったダイゴアルファ
弱い体質が災いしてそこから1年以上の休養を挟んで復帰するも
2度の惨敗を喫して引退して乗馬に・・・
天馬2世とまで言われたテンポイントの再来は、その期待値から
は想像も出来ないほどひっそりとターフから姿を消してしまうこと
になります
もしもあの時無理をしてでも父のトウショウボーイと同じく
皐月賞への出走を選んでいたら違った未来もあったのでしょうか・・・
ちなみにこの年の皐月賞の上位3頭は、
1着 サクラスターオー
2着 ゴールドシチー
3着 マティリアル
と、不幸な事故により競走生活を全う出来ずに死んでいった
呪われた馬ばかり
体質が弱かったにも拘らず、乗馬として20年以上も生きた
ダイゴアルファにとって、皐月賞に出なかったことは良かったのか
悪かったのかは私には分かりません
しかし、ここまではダイゴアルファと瓜二つの競馬っぷりで
クラシック戦線に一石を投じるであろうファンディーナには、
決して後悔のない選択をしてもらいたいものですね
※なお、ファンディーナ号は昨日皐月賞を目指すと言うオーナー
サイドからの発表が出ました
ご武運を・・・
それでは今週のお話はここでおしまい
予想の方に参りたいと思います
よろしくどうぞ~
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3月26日(日)
中京11R 高松宮記念
1番人気のレッドファルクスは海外で惨敗してからの出戻り
これをどう扱うかであるが、そもそも追い込み一辺倒の
馬を底力のある馬が出揃う中京の1200mで買うこと自体が
相当危なっかしい
人気を落としているならさておき、このオッズなら私は
見送りたい
本命はやはりメラグラーナであろうか
3走前の惨敗は少し不可解であるが、それ以外なら
11秒台前半を前半で3つ刻んだラップでも最後は確実に
33秒台の脚を使ってくる馬
操縦性の高い差し脚が武器ではあるが、セールスポイントとし
ては、その器用さを活かしてある程度前目でも競馬が出来るところ
洋芝の混じった馬場のせいか、早めに抜け出した馬同士の底力勝負
になりがちな高松宮記念ではファストネットロックの力のある末脚
にはぴったりだ
枠も外を回れて不利を受けないぎりぎりのラインである緑帽
タイミング一つで差しきるだけの力はあると思う
対抗に買いたいのはシュウジ
とにかく扱いが難しいこの馬であるが、強い逃げ先行馬がいない
ここでは何をするか分からない1番手
元々2歳時の中京では逃げて競馬をしていた馬
前半3fが35秒などと言うペースで、駄馬に囲まれ番手につけると言
うことになると、周りの馬が手を出せないような状況にも追い込まれ
かねない
セイウンコウセイを除く内枠の馬は全て差し馬
好スタートからさっさと内を取って粘りきる競馬も想定内であろう
最後に取り紙確定ではあるが、展開の利を考えてセイウンコウセイを
少し抑えておく
メラグラーナ 5,000円
シュウジ 4,000円
セイウンコウセイ 1,000円



