どうもおはようございます
うまうまジェントル氏です
今週のスプリングSに向けて調整していたブレスジャーニーが先週
骨折を発表しました
昨年の2歳戦でサウジアラビアRC、東スポ杯2歳Sと連勝をしていた
クラシック候補が直前にまさかの戦線離脱
ここまでクラシック未勝利の主戦騎手柴田善臣が33年目にして初の
悲願を成就するかと思われていた矢先の悲劇で、群雄割拠の牡馬ク
ラシック戦線からまた一頭期待馬が消えてしまったことになります
ブレスジャーニーは父バトルプランという異色の血統ながら、今年
の共同通信杯を勝ったスワーヴリチャードを東スポ杯で破っており
少なからずチャンスのあった馬と思われるだけに残念でなりませんね
ただ、このようにクラシックまでに完璧な成績を残していた馬が
いざクラシックに向かうとボロが出るということは差し当たって
珍しいことではない気もいたします
例えばこの前お話したヒデハヤテなどは、スプリングSを最後に
故障して、そのままドロップアウトしました
ブレスジャーニーも父が古馬戦線で一切実績のないバトルプラン
でお値段も270万という安馬だけに、どこまでやれたか正直なと
ころ解りかねる部分もあります
そして、当然ながら過去にもこのような馬がいました
皐月賞に至るまで、後のクラシックホースたちを幾度となく叩き
潰したにも拘らず、本番で惨敗した以降は全く結果を出せなかっ
た馬
その後3年間ほど一度も重賞を勝つことが出来なかったのですが、
何故かその馬は最後に何かを思い出したように人気薄で安田記念
を勝ってしまいました
ビワハヤヒデを破って2歳チャンプに輝いたエルウェーウィンが
古馬になって以降3年間1勝も出来ない状態で出走したアルゼ
ンチン共和国杯で何故か勝ってしまった時、この馬のことを思
い出した競馬ファンも多いのではなかったでしょうか?
それが今回のお話の主役
タケデンです
タケデンは父セダン、母シルバーギニーと言う血統
父のセダンはデルビーイタリアーノやミラノ大賞典を含むイタリア
の大レースを数多く制している言わずと知れた大名馬だったにも拘
らず、種牡馬としてイタリアで1年併用された後すぐに日本に輸出さ
れ、その後本国に残した産駒が大活躍してイタリアのリーディング
サイアーとなってしまった、ある意味伝説の馬です
輸出された日本でも期待を裏切らず、ダービー馬コーナルランサー、
天皇賞馬アイフルを筆頭に、数々の名馬を輩出した名種牡馬ですね
セダンの父であるプリンスビオは日本でも産駒のシカンブルの系譜
が活躍しており、ムーティエやファラモンドといった産駒の気性に
難のある種牡馬が結果を残していました
母のシルバーギニーはイギリス産の輸入牝馬で、本国での競走生活
では3勝をあげており、ヨーク競馬場の中距離重賞であるストレン
ソールSで3着入線の実績を持っていたそうです
父のグレイソヴリンは現役成績こそ大したことなかったものの、父
がナスルーラ、兄が2冠馬ニンバスという血統背景のみで種牡馬入り
し、世紀の大成功を収めた名種牡馬
グレイソヴリンの父系を持つ馬は総じて芦毛が多く、日本でも
ダイシンフブキ、タマモクロス、オグリキャップ、ビワハヤヒデ、
アドマイヤコジーンなどが有名であるでしょうか?
タケデンの名前は、今でもたまに名前を見るタケデンの冠名で有名な
馬主、武市伝一氏から取られており、当時既にタケデンバードやタケ
デンジャガーといった重賞勝ち馬を所有した経験があったにも拘らず
『タケデン』という名前を選んだことは、この馬に対する期待以外の
なにものでもないでしょう
余談でありますが、現在美浦で調教師をしている武市康夫師は、この
タケデン冠の現オーナー、武市弘の息子としても有名ですね
関東の鴨田次男厩舎に入厩したタケデンは、7月の新潟1000mの新馬
戦にて当時若手の期待株として実力をつけてきた岡部幸雄を背に早
期のデビュー
430kgに満たない小さな身体のタケデンでしたが、持ち前のスピード
で1番人気に推され6馬身差の圧勝劇を収めました
その後も新潟で走り続けたタケデンは、チューリップ賞、新潟3歳Sと
1番人気に応えて連勝し新潟チャンプになります
中央場所に帰ってきたタケデンは重賞制覇を目指して次走を京成杯3
歳S(今の京王杯2歳S)に定めるも、ここも新潟3歳Sで負かしたシバマ
ンナが2番人気に推されており、確勝ムード漂う中、圧倒的1番人気に
て快勝
そこで2着に負かしたファンタストは後の皐月賞馬であり、3着に負か
したヒロノスキーはこの後4歳牝特を制して1番人気でオークスに挑む
ことになる馬(結果は3着)でありました
次走は2歳チャンプを目指して朝日杯を目指すこととなっ たタケデン
でしたが、ここにはマルゼンスキーの再来とまで言われ、ここまで逃
げて2戦2勝で大差勝ち
配当は共に元返しという大本命馬ギャラントダンサーが出走していま
した
無論ここもギャラントダンサーの1倍台だったわけですが・・・
しかし、この圧倒的不利な下馬評の中、逃げたギャラントダンサー相
手にコーナーで自ら差を詰めて最後は1馬身半差まで追いすがったタ
ケデン
この時期に鴨田厩舎から元石孝昭厩舎に転厩になるといういざこざが
あったにもかかわらず、この好内容
しかもタケデンから2馬身半離れた3着は後のダービー馬サクラショウ
リ
そこから更に4馬身後ろは、後の皐月賞馬ファンタストだったわけで
す
しかも、文字通りマルゼンスキーの再来と言われたギャラントダンサ
ーには外国産馬のためクラシックの出走資格がないということは事実
上この時点での世代最強馬の称号をいただいたも同然
こうして、一躍スター候補にのし上がったタケデンは限りなくクラ
シックに近い馬として2歳戦を終えたのでした
年が明けて、取り合えず1月の京成杯に照準を定めたタケデンであり
ましたが、その間に関西で7戦6勝という戦跡で阪神3歳Sを制した
バンブトンコートが故障し、皐月賞には間に合わない状態になると言
うアクシデントが発生
タケデンにとってはこれ以上無い大きな追い風の中での、京成杯出走
となりました
京成杯では、この年のメジロ1番馬と言われたメジロファントムが
出走し、朝日杯で負かしたサクラショウリとファンタストも顔を揃
えるという後々考えれば超豪華なメンバーが揃いましたが
そこでスローペースで2番手を追走したタケデンは、サクラショウ
リとメジロファントムの追い込みを退けハナ差勝ち
いくら展開の利があったとはいえ、3kgの斤量差があったにもかかわ
らず、後のダービー馬を凌いで見せたタケデンはこの時点では紛うこ
となきクラシック最有力馬であったはずです
そして、ここで弥生賞を目標に定めたタケデンは2ヶ月の休養に入り
ますが、その間に行われた東京4歳Sでは、ここまで幾度となく負か
してきたサクラショウリとファンタストが1,2フィニッシュを決
め、更にタケデンの評価は磐石のものとなりました
しかしながら、皐月賞から逆算する形で馬を休ませたタケデン陣営
は予定通り弥生賞からスプリングSを経て皐月賞へ向かうこととなっ
たのですが、休み明けの弥生賞でタケデンはあっさりと5着に負けて
しまいます
前で早め抜け出しを図ったタケデンを、京成杯で負かしたはずのサ
クラショウリ、ファンタスト、メジロファントムがあっさり交わし
てしまいました
京成杯のときは斤量差があっても粘りきれたタケデンでしたが、弥
生賞は定量戦
もちろん、当時の休み明け馬は今とは比較にならないくらい信頼が
置けなかったことは事実ですが、実はこの辺りからタケデンに綻び
が生じ始めていたのかもしれませんね
一叩きされたタケデンは、次のスプリングSでは前走の大敗で評価
を下げたのか、西の秘密兵器といわれたインターグシケンに1番人
気を譲る形となってしまいます
インターグシケンは、ここまで関西2歳チャンプのバンブトンコート
の2着に入線すること2回、前走はきさらぎ賞を勝ってこのクラシッ
クの舞台に駒を進めてきた期待馬でした
しかしながら、一度叩かれた効果もあったのか、今度は後方から
追いすがるインターグシケンをあっさり突き放して快勝
ご存知の通り、インターグシケンはこの年の菊花賞馬です
と言うことは、これで事実上タケデンは皐月賞を迎える前にこの年
のクラシック勝ち馬全てに土を付けたことになったわけです
弥生賞の負けは休み明けという杞憂に終わってくれればまさに磐石
一叩きしたスプリングSは快勝できたし、無論皐月賞は1番人気
後は本番を制するのみ
だったはずなのですが・・・
タケデンのストーリーはここでほぼおしまい
タケデンがクラシックを勝つことはなかった
小さな身体で、クラシック前に全力を出し尽くしたタケデンは
続く1冠目、皐月賞でウソのようにボロ負けした―――
皐月賞を9着と惨敗したタケデンは、NHK杯に出走するも
スプリングSで完封したインターグシケンに軽く捻られ、
晴れ舞台のダービーでは、何度も負かしてきたはずのサクラ
ショウリに手も脚も出ずに13着と惨敗
腸捻転のためファンタストが死んだ秋のクラシック戦線でも
決してタケデンに活躍の場が戻ってくることはありませんでした
菊花賞でも6着と惨敗したタケデンは、その後いくつものハン
デ重賞を転々とすることとなりますが、 過去の実績のため常に
ある程度の斤量を背負わされて走ることになり、掲示板を確保
することすら出来ない競馬が続きます
そんな中、オープンレースこそ2回ほど勝つものの、その合間合間に
重賞に出ては惨敗を繰り返す日々
そしてようやく、例の皐月賞から3年と3ヶ月ほど経った安田記念で、
何かに目覚めたように久しぶりの重賞勝利をあげたタケデン
もちろん7番人気と人気など殆どない状態
馬の気持ちなど分かったものではないですが、もしタケデンが人間
だったら安田記念を勝った時は一体どういう心境だったのか聞いて
みたいですね
久しぶりの勝利が誇らしくなったのか、それとも落ちぶれた自分が
晒し者にされているような惨めな気持ちになったのか・・・
10で神童
15で天才
20過ぎればただの人
人間の世界でも言われている諺ですが、なぜタケデンは後一つだけ
せめて皐月賞だけでも踏ん張れなかったのでしょうか・・・
天才と凡人の境目がたまたま来てしまったのが皐月賞だったなら
それはあまりにも悲しすぎるますね
それでは今週のお話はここでおしまい
予想の方に参りたいと思います
よろしくどうぞ~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
3月20日(月)
中山11R フラワーC
舞台こそ中山と3歳のディープインパクト牝馬には不利な条件
ではあるが、前走で異質な上がりをたたき出したファンディーナ
の能力は既に疑いようがない
新馬の頃は優秀な走破時計を見てもまだ半信半疑であったが
さすがにドスローで逃げて完璧に近いラップを刻んだ前走の
タガノアスワドを差すというのは超G1級と言っても差し支え
ない
真面目な話、ここでソウルスターリングが出て存分に人気を吸って
くれれば喜んで私はファンディーナに飛びつくはずだ
もっとも競馬なので何が起きるか分からないのだが、ここで仮にフ
ァンディーナが負けたところで、何かの事故と割り切って次走も購
入するつもりである
現状の単勝オッズは1.6倍
ここからオッズが上がるか下がるかは分かりかねるが、3歳牝馬の
中山への東上という能力とは違う部分でのマイナス要素がある以上、
ある程度の配当は見込めると想定
一切逆らう気などない
ファンディーナ 10,000円



