どうもおはようございます
うまうまジェントル氏です
今週はきさらぎ賞がありますが、昨年の有馬記念馬サトノダ
イヤモンドはここを使って皐月賞に挑みましたが
今年も同じ里見オーナーの馬で、池江厩舎に所属する馬が
ここを皐月賞へのステップとして選択してきました
サトノアーサーのオッズは現時点で1.4倍と昨年のサトノダ
イヤモンド同様の一本被り
クラシックに向けて色々忙しくなってきた競馬界ですが
今年は3歳馬にとってどんなドラマが待っているんでしょ
うかね
例えば、今年の3歳世代は史上最強…そんな見出しがネット
や新聞に踊るのが、大体クラシックが始まる前のこの時期で
しょうか
我々競馬ファンの新しい世代に対する期待の現れでしょうけ
ど、毎度毎度の過剰な表現に苦笑を禁じ得ませんね
実際昨年の今ごろも、朝日杯の勝ち馬リオンディーズを筆頭
に、やれハートレーだの、やれエアスピネルだの、やれサト
ノダイヤモンドだの大騒ぎしていたのが記憶に新しいです
でも、実際に春のクラシックを制したのは2歳時点では共に1
勝馬であったディーマジェスティにマカヒキでした
世代レベルも現時点では古馬に混じったところで突出して優秀
であるとは言い難いかもしれません
今年も今のところ牡馬はさておき、牝馬最強世代などと大きな
盛り上がりを見せる3歳のクラシック戦線ではありますけど
始まる前にどれだけ今年の世代が最強と盛り上がったところで、
結局実際にそれが解るのは数年経った後
それまではメディアの並べる美辞麗句に乗せられ大騒ぎしてる
だけですし
じゃあ、過去の世代を振り返った上で競馬ファンが選ぶ史上最
強世代とはどの世代なんですかね?
そりゃ、色んな見方がある以上どれが最強世代などと一方的に
決めつけるわけにはいかないんでしょうけど、私ならこう答え
ますかね
1972年クラシック組
『知ってた』と嘆息の漏れそうな声が聞こえてくるくらいのテンプレ回答で申し訳ないですけど私も人の子なんですよね…多少ひ
ねくれたところで自分自身を偽るのはしのびねぇです
この世代は花の47年組と言われ、今でも競馬ファンに語り継がれる
伝説の世代
ランドプリンスやロングエースといった春の2冠を制した名馬に、
菊花賞のついでに有馬記念まで3歳で制した上がり馬イシノヒカル
クラシックでは3強と言われながらも脇役に甘んじたタイテエム
はその後春の天皇賞を制し、ハマノパレードはそのタイエテムを
宝塚記念で競り潰して勝った後、次の高松宮杯で予後不良となり
伝説化
ハクホオショウやナオキといった名脇役に、タケデンバードのよ
うな曰く付きの個性派
挙げ句の果てには、3歳時は故障で1戦もできなかったタニノチカ
ラがその後日本最強馬として競馬界を席巻したという恐ろしい世代
当時天皇賞と違い出走制限のなかった有馬記念では、イシノヒカル、
ストロングエイト、タニノチカラと3年続いてこの世代の違う馬が
制している事実から、如何にこの世代が強かったのか理解していた
だけるんじゃないですかね
そりゃ、ディープインパクトやオルフェーヴルのような最強馬論争
に出てくるような馬はタニノチカラくらいしかいませんでしたけど
それでもこれだけのタレントが1世代に勢ぞろいすることが稀です
実際、この72年組を最強世代に挙げる競馬ファンは非常に多く、関
西テレビ製作の『名馬物語』でもタイテエムの回ではまず冒頭で世
代に関して触れていましたね
ただ、今週のレースはきさらぎ賞なのでそれにまつわるお話を
しようと思っていたのですけど
実は先程あげた72年組の馬にきさらぎ賞を制した馬はいません
ですが、そのきさらぎ賞を勝った馬こそがこの世代の本当の最強馬だ
ったかもしれないと言われている馬
最強世代の最強馬なら、それすなわち真の最強馬?・・・かも
それが今回のお話の主役
ヒデハヤテ
ヒデハヤテは、父タマナー母ワカシラオキ
父のタマナーはフランスでダービーを勝って日本に輸入された後
5世代の産駒を残して逝去
タマナーの父サニーボーイはフランスのリーディングサイアーで
もあったのですが、タマナー自身は直仔では正直なところ期待に
応えるだけの結果を残したとは言い難いですね
桜花賞馬スギヒメなどとの交配もありましたが、産駒総じての脚
の弱さなどもありリーディングの順位は50位前後と冴えないまま
でした
母のワカシラオキは、名前からもわかるようにシラオキの仔
ワカシラオキ自身は3勝をあげたのみで、大レースとは縁の無い馬
でありましたが、その母のシラオキがダービー2着の実績を持ち、
コダマやシンツバメと言ったクラシックホースを2年連続で輩出
名牝フロリストの血を今日まで繋ぎ止めたシラオキに、父はリー
ディングサイアーのソロナウェーとなれば繁殖としての期待値は
相当高かったはず
事実その見立ては大正解で、21世紀を代表する名牝ウオッカの5
代前母としてワカシラオキは堂々とその名を残しています
そんな40年後の未来を露知らず、後の名牝ワカシラオキがタマナ
ーとの間に産んだこの馬こそがヒデハヤテ
※ちなみに全兄も全妹もいます
ヒデハヤテは、関西の名門伊藤修司厩舎に入ることとなりますが、
まず新馬戦でぶち当たったのが凱旋門賞馬セントクレスピンを父
に持つ評判の持ち込み馬で、後の天皇賞馬タイテエム
1200mという持ち前のスピードがものをいう新馬戦でタイテエムをどう凌ぐのか
ですが、実際にレースが始まるとそんなものは我関せず、1番
人気に推されたタイテエムを2秒7、2着馬を1秒以上ちぎり捨
てて衝撃的なデビューを飾ります
ちなみにタイテエムは、勝ち馬であるヒデハヤテから2秒7離
された時計と同タイムで次の未勝利戦を快勝しており、如何に
当時のヒデハヤテがスピードに優れた馬かがわかりますね
2走目こそヒデハヤテの持つスピードを活かせない不良馬場に
脚をとられて負けてしまうのですけど、3走目の銀杏特別で後
の皐月賞馬であるランドプリンス相手に持ったままの楽逃げを
かまし、1馬身1/4差で楽勝
続く2歳最後のレースとなった阪神3歳ステークス(当時表記)で
は、1分35秒1という破格のレコードで8馬身差の圧勝しま
した
2着のシンモエダケは、その後シンザン記念と4歳牝馬特別を
勝って桜花賞に1番人気で出走(結果は7着)してますし、決し
て弱い馬ではないです
半マイルを46秒台半ばで通過するという、45年前では考えられ
ない競馬で後続の脚をなし崩しにしての圧勝劇はカブラヤオー
も尻込みするようなハイペース
実際同じ阪神マイルで行われたこの前の朝日杯のサトノアレス
の勝ち時計は、1分35秒4ですから
残念ですが45年前に走っていたはずのヒデハヤテは、昨年の朝
日杯で3着に逃げ粘ったボンセルヴィーソよりも強いかもしれ
ないですね
圧倒的な速さで2歳王者に輝いたヒデハヤテはその後オープンを
一つ挟んだ後にきさらぎ賞に出走
当時2月半ばに中京で開催されていたきさらぎ賞は、ローテーシ
ョンもなにもない時代の場当たり的な立場で、1800mという距離
も含めてクラシック目標の関西馬が取り合えず皐月賞トライアル
までの穴埋めに出走するようなレースではあったのですが、ダイ
コーターやマーチス、タニノムーティエにヒカルイマイなど実際
に関西馬のクラシックホースはこのレースを勝っていることが多
かったため出世レースとして名を馳せていました
重賞ではないですけど、ポジション的には今でいうところのセン
トポーリア賞や大寒桜賞のようなものといったところじゃないで
すかね
ヒデハヤテも多分に漏れずクラシックの有力候補であったためこ
こに出走
共にセカンドブラザーを相手に1馬身3/4という着差で勝ってい
るのですが、以前のようなド派手な競馬は鳴りを潜めていました
特にきさらぎ賞はメンバーも頭数も揃わず相手も前回完封して
いるセカンドブラザーくらいしかいなかったため、楽勝が期待
されたメンバー
もしも日本にブックメーカーがあったなら、ヒデハヤテが勝つ
かどうかよりも、ヒデハヤテなら何馬身突き放すかがギャンブ
ルの焦点になってもおかしくないようなレースだったんですけど
まぁ、実際勝つには勝ったし当然楽勝だったわけですが、何
か物足りないんですよね
それもそのはずで、ヒデハヤテは既にその類い稀なスピード
により脚に不安を抱えて走っていたのです
何としてもクラシックで結果を出したいヒデハヤテはその後も
騙し騙しレースに使っていくわけですけど、きさらぎ賞を制し
た次の矛先は京成杯
ん?・・・・・・京成杯?
『当時はきさらぎ賞より後にあったの?』と今の競馬ファンが
疑問を抱くのは当然
事実京成杯自体は今と同じで例年1月の前半に中山で開催され
るレースだったはずなのですが、この1972年では3月に開催さ
れています
なぜでしょうか?
昨年の有馬記念馬がトウメイといったヒントで解った人はなかな
か聡明(トウメイと聡明をかけたクソウマギャグ)
当時の競馬を見ていた人は七夕ダービーという言葉で理解して
いただけますかね
トウメイは、馬インフルエンザで有力馬が軒並み回避した小頭数
の天皇賞と有馬記念を連勝したことで有名な牝馬なんですけど
その馬インフルエンザがあまりに猛威を奮ってレースが成立する
かどうかも怪しいラインまできてしまったため
有馬記念が終わった後関東圏の競馬はインフルエンザで閉鎖され、
その結果3月まで開催がずれ込んでしまっていたのです
七夕ダービーと言われるようにダービーが7月までずれ込んだの
もそれが原因で、とにかく脚がパンクする前に何としても大きな
勲章をと考えていたヒデハヤテの陣営にとってはそれは大きな誤算
京成杯も何とかランドプリンスの猛追を凌ぎ勝ちきりますが、次
の皐月賞トライアルであるスプリングSでは、絶対的本命視されて
1番人気に推されるも状態を維持することが出来ず、ついに新馬戦
で15馬身ちぎり捨てたタイテエムに半馬身差で逆転を許してしま
うことになります
そしてそこで限界を迎えたヒデハヤテは、皐月賞の回避を明言し
約2年という長期休養を余儀なくされた上、復帰レースでまたも
脚部不安を発症し引退
その後のランドプリンス、タイテエムの活躍はご存じの通りで、
もしヒデハヤテが無事なら、この2頭にロングエースを加えた
花の47年組3強対決などというフレーズはありえなかったんじ
ゃないですかね
少なくとも、2度も完封したランドプリンスには皐月賞でも負
けなかったのではないかと私は思います
ちなみに1972年のスプリングSの開催日は5月7日
例年なら4月半ばに開催される皐月賞に十分間に合った時期なん
ですよ
もしも馬インフルエンザさえなければ…
馬インフルエンザに何の関係もない関西馬であるヒデハヤテ一番
の不幸は、自身の体質の弱さもさながら、高すぎた世代のレベル
も含め、生まれた年が悪すぎたのかもしれません
ヒデハヤテ
父タマナー 母ワカシラオキ
9戦6勝 伊藤修司厩舎
今週のお話はここでおしまい
それでは今週の予想です
よろしくどうぞ~
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2月5日(日)
東京11R 東京新聞杯
金杯を制したエアスピネルがまた参戦
金杯で2着に肉薄したブラックスピネルとは斤量差が縮まること
となり、人気も2倍台前半と再度突出した感じになってしまったが
ブラックスピネルのここまでの競馬を物差しにした場合、
前走僅差のエアスピネルの能力自体が割と懐疑的
前走のように前に行った馬を掃除することは容易かもしれないが
そこから切れのある馬に目標にされる可能性も十分
今回はその切れのあるディープインパクト産駒を本命にしたい
菊花賞でも購入を検討したプロディガルサンをもう一度狙い打つ
何度も言うが、この馬のセントライト記念の競馬内容は秀逸
ディーマジェスティやゼーヴィントにも勝るとも劣らない内容
だったのだが、何故か評価があがらない
菊花賞は論外と言ったとおり、今回はきちんと距離を短縮して
きたのも好感が持てる
前の馬はラスト400m時点で全てエアスピネルが掃除してくれる
と仮定すれば、単勝を抑えるとしても後ろからの強襲がベター
朝日杯や金杯を見るに、早めに動くとどうも末が甘くなる
エアスピネルは、東京でどのような競馬をするかにかかっている
人気の重圧に押し潰されれば、案外あっさりと差しきれるかもし
れない
プロディガルサン 単 3,000円
複 7,000円



