1月29日(日) うまうまジェントル氏予想【シルクロードS】

どうもおはようございます

 

うまうまジェントル氏です

 

ようやく長い長い中山競馬が終わって東京開催

 
ここまでのリーディングジョッキーは、なんと田辺騎手

 
この時期の中山に強い騎手らしく、元々馬場読みと仕掛け
のタイミングに長けたタイプではありますけど

 
まさか1月終了時点でルメールや戸崎を寄せつけずにトップ
になるとは驚きました
※というかルメールは先週2度の落馬、戸崎は年明けから
1番人気で惨敗続きと割と散々ですけど

 
馬の質がもろに成績に反映される東京開催になってどうなるかは
見物ですね

 
さて、今週も馬の話をしていきますよ

 
好評か不評かは知る由もないのですが、取り合えず頑張りますぜ

 
だって、馬の話してるときが一番楽しいし・・・

 

 
それでは今週のウマ話です

 

 

今日の主役はシルクロードSを勝ったあの馬です

 

競馬を嗜む人で馬の脚質を知らないなどと言う人はまずいないですよね

 
大まかに『逃げ、先行、差し、追込』と分類される馬の脚質は、競馬予
想における最も重要なファクターである展開に直結して、毎度我々を悩
ませてくれます

 

言うなれば最も良く解る馬の個性とでも言ったところでしょうか

 
ただ、その個性を見つけるのはその馬に関わる調教師やスタッフ

 

右も左も分からない馬に、調教やレースで如何に競馬のやり方を教
えていくかでその個性を引き出せる調教師こそ一流と言えるのでは
ないでしょうか?

 

例えば、ずぶくてスピードの無い馬にどれだけ脚を溜めて追い込みを
やらせても全く伸びないだろうし、一瞬の速い脚が武器の馬を逃がし
たところですぐに脚が上がって捕まってしまうはずですし

 

馬にとっての脚質とは、能力を十二分に発揮するための生まれ持った前
提条件・・・というか、才能のようなものなんだと思います

 

ただ、中にはひょんなことから脚質転換に成功し、G1まで奪取してしま
う馬もいるわけですよ

 

それが今回のお話の主役

 
フ ァ イ ン グ レ イ ン です

 

ファイングレインの父はサンデー産駒1期生であるフジキセキ

 

朝日杯を勝ち一躍クラシック候補に名乗りを挙げたフジキセキでしたが
3歳の弥生賞後に故障し、そのまま種牡馬入りしてその翌月には種付け
開始

 

当初はサンデーサイレンスの代替えというポジションだったのですが、
偉大な父と種牡馬として同じ時代を生き、その中で数々のG1馬を輩出
した言わずと知れた名種牡馬です

 
2011年にはトサミドリの内国産種牡馬の産駒勝利数を抜いて、日本の
歴代トップになったことは有名ですよね

 
母はミルグレイン

 

ミルグレイン自身は3勝のみの条件馬ながらも、全姉のピュアグレイン
は愛オークスとヨークシャーオークスを制した名牝で、95年のジャパン
カップにも出走していたりします

 

母と同じ長浜博之厩舎に入ったファイングレインは、札幌の新馬戦を5番
人気ながら快勝

 

1200mで持ち前のスピードを活かした2番手からの先行押しきりの競馬で
あっさりと勝ちきると、続くあけび賞ではJCの裏開催となった京都競馬場
で逃げの名手である中舘が手綱を取りあっさりと逃げ切り

 

マイルに順応出来たことで一躍クラシックの期待馬として注目されること
となるわけですが・・・

 

クラシックを目指す上で当然控える競馬も覚えていかないといけない、と
中段待機を敢行したきさらぎ賞、スプリングSとどちらも見事な惨敗をか
ましてしまうわけですよ

 

その後陣営は、距離も短い方が良いのだろうと、クラシック路線を諦め
マイルのNZTに出走

 

そこでは再度逃げる競馬を試みて復活の2着

 

無事G1出走の権利を手に入れたファイングレインはそのまま春の総決算であ
るNHKマイルCでも馬場の良い内ラチ沿いをすいすいと先行してあわやG1制
覇というところのクビ差2着に健闘します

 

やっぱりこの馬は逃げてなんぼ、先行しないと話にならない

 

誰もがそう思った矢先

 
好事魔多しとはまさにこのこと・・・マイルCの翌日に骨折が発見され長期離脱
を余儀なくされたファイングレイン

 
割と酷い怪我で担当していた掛矢厩務員は、もう競走馬として復帰できない
かもという診断を受けて絶望しかけたそうです

 

必至の建て直しの甲斐あって、ようやく復活したのはちょうど1年後のOP

 
上村とか言う騎手を乗せて豪華な公開調教を行ったファイングレインは、
そこを一叩きして2走目のエプソムCで後の宝塚記念馬であるエイシンデ
ピュティにあわや逃げ切り
※都大路Sでは、まともにコーナリングできない上村騎手の騎乗に結構唖
然としましたよ、私は

 
とも思わせたコンマ1秒差の4着

 

 

『いける』

 

陣営はファイングレインの走りを見てそう確信したはずです

 

ただ、その後は走れども走れども結果は出せず

 
逃げては捕まる、番手だと伸びあぐねるの繰り返し

 

かつてのG12着馬は既にその面影もなく、NHKマイル好走馬によ
くある単なる早熟馬として片付けられようとしていました

 
年が明けて陣営が目指したレースは淀短距離S、新馬戦以来の2年
半ぶりとなる1200m

 

どういう意図でこのレースに出したかはさだかではないですけど、
何とかして活路を見いだしたかったのか、ただ単に適当な番組が
なかったので投げやり的に登録したのか…

 

ただ、このレースの出走がこの馬にとって大きな転機になったのは
間違いないですね

 

とにかく久しぶりに1200mに出走したファイングレインですけど、な
んとスタートと共に大出遅れ

 
ただでさえマイル付近をずっと走ってきた馬が1200mでいきなりの最
後方

 

ましてや逃げ馬

 
誰もが諦めていただろう最後の直線、ラストの100m付近で画面の見えな
いところから急激にぶっ飛んできた黒い影がありました

 
なんと逃げ馬だったはずのファイングレインが最後方から全馬をぶっ差
したんです

 

今までの競馬は一体なんだったのか

 
誰しもがそう思ったはず

 

 

逃げ馬だと思っていた馬が実は追い込み馬だった
何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も良く解らなかった

 

 

とにかく勝ったことに気を良くした陣営は、ファイングレインを
マイル路線からスプリント路線に変更

 
まさにポルナレフ状態のまま、この馬の真相は春の高松宮記念を目
指すべく次走のシルクロードSに持ち越されることになりました

 

 

そして訪れたシルクロードS、さすがは重賞、ここのメンバーは甘く
なく…昨年のスプリント女王アストンマーチャンが断トツの1番人
気に推され、ぶっちゃけ良く分からないファイングレインは過去の
G1実績も加味されての離れた3番人気

 

この馬の真価や如何に

 

多分、この馬の馬券を買っていたファンが最も注目していたであろう肝
心のスタートは、軽く出負けはしたものの、そこから押しても押しても
前に行かずで、前走同様の断トツの最後方スタート

 
逃げたアストンマーチャンとは、開始10秒で12、3馬身の差が開いてしま
いました

 

軽快に飛ばすアストンマーチャンをはるか前に、ようやく前にいた馬を
1頭交わしたところでそのまま直線に向いたファイングレイン

 
『ダメみたいですね』

 
そんな諦観の声が聞こえてきそうな矢先、ラスト200mのハロン棒付近で大外
から凄い勢いで飛んできた馬がいました

 
それがファイングレイン

 

結局アストンマーチャンもろとも最後方から全馬をぶっ差す競馬を披露してシル
クロードSを快勝…実にこの馬初の重賞制覇となった

 
結局そのまま春の総決算である高松宮記念でも見事な差しを決め、
3連勝でG1戴冠

 
ファイングレインはレースレコードのおまけ付きでスプリント王者になりました

 
大きな脚質転換が功を成してG1を制した馬は当然他にもいる
※トゥザヴィクトリーとかマヤノトップガンなど
訳ですけど、それらはある程度の陣営や騎手の思惑があってな
し得た勲章

 

ファイングレインのように偶然がいくつも重なりあってたまたま本当の脚質を暴露し
た馬はそんなにいないのではないですかね?

 

まさに馬脚を現すとでもいったところでありましょうかw

 
もし陣営が短距離を使わなければ…そこでたまたま出遅れなければ…
もしかしたら高松宮記念馬ファイングレインは誕生しなかったのかもしれません

 

 

ファイングレイン
父フジキセキ    母ミルグレイン
30戦5勝       長浜博之厩舎

 

 

今週のお話はここでおしまい

 

 

それでは今週の予想です

 

 
よろしくどうぞ~

 
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1月29日(日)

 

 
京都11R             シルクロードS

 

 

トップハンデのネロとダンスディレクターの扱いをどうするかが
焦点であろうか

 
ネロは前走はぶっちぎりの勝利とは言え馬場の恩恵を受けたと思われる
ので前面の信頼を置く上で少し不安の声もあるか

 
昨年同レースを着差以上の圧勝しているダンスディレクターだが
それ以降の競馬でちぐはぐな走りを見せており力を発揮できていない

 

だが個人的に評価したいのはネロ

 

この馬の評価を改めたのは昨年のアイビスサマーダッシュ

 

本来ならもっとも得意条件であったであろうベルカントにあと一息まで
詰め寄った

 
正直、この条件でベルカントに迫れる馬がいるとは当時は全く思わず
ベルカントが想像以上に衰えたのかとも思ったが

 

次走のセントウルSの競馬を見ていると、この馬が想像以上に強いことが
わかる

 
10秒台のラップを3回刻んで逃げたビッグアーサーを追いかける馬で
先行して唯一伸びて一旦は直線で後続を引き離した

 
前走の特殊馬場での圧勝はノーカン扱いにしている人も多いかもしれない
が、実はこの馬はG1にいても遜色のない力を持っているのではないか?

 

京都ということでディープ産駒のブランボヌールを抑えに入れてここは2点
で仕留めたい

 
能力的にはソルヴェイグと5分、斤量も同じならそこは血統の差が如実に
出るであろう

 

 
ネロ         6,500円
ブランボヌール    3,500円