天皇賞・春 展望 よすーけ氏

 

天皇賞・春 展望

『外回り向きではなくなったキズナ』


『速い脚が使えないゴールドシップ』



足枷の着いた2頭が人気を分かつ春の盾


京都4日目、芝C外の3200m戦。馬場はフラット、内外ともに荒れは見られない。芝は例年通り短めで、時計が出やすくなっていることに注意。
有力馬を順に見ていく。


キズナ
が1人気。前走の分析は#460(※4月度の有料会員さまのみに配信)に書いたので割愛するが、一言で言えば、馬が変わり、それに付随して馬の適性も変わった、ということ。
昨年の天皇賞・春と同様、後ろから行くとは武豊騎手談。体重を上へ逃がすことでピッチ気味の走法にシフトしたキズナが、このメンツを相手に、外枠から前を撫で切ることができるかどうか、甚だ疑問である。


ゴールドシップ
が2人気。とにかく気ムラな馬だが、3年前の有馬記念で「好走の条件」を見抜いて以来は多少扱い易くなった。
好走の条件は「気分よく行けるかどうか」。
これをズバリ言い換えると「捲る際に外から被せられず、かつ他馬より良い脚色を保つこと」である。
プライドの高い馬なので、外から被せられた場合、および他馬と脚色が同じになった場合は、もれなく馬群に沈んでいる。
また、速い脚が使えないのも事実。速い脚、というのは33秒台、という意味ではなく、他馬と一線を画す末脚、という意味だ。33秒で上がって来ても他馬が33秒台ならそれは速い脚、とは言えない。これらの展開になった場合、ゴールドシップに出番はないだろう。
強みを挙げるなら、自分でレースを動かせるという点。有馬記念の岩田騎手はミスを犯した。抜けて速い脚が使えないなら、早めに動いて回りにも脚を使えなくさせる必要があった。続くAJCCでは、2角でハミを取らせたのを馬がゴーサインと勘違いしたので引っ張ったところ、走る気をなくした。
操縦が非常に難しいが、キズナが骨折によって末脚の質をを変えた今、長距離適性が最も高いのはこの馬。

アドマイヤデウスが3人気。皐月賞でもダービーでも印を回していた素質馬が一気に開花してここへ。正直、内枠を引いていればこの馬を軸にするつもりだった。
故障明け・調整不足のまま重賞を連勝。ポテンシャルは計り知れない。が、枠が悪すぎる。外を回り続けて押し切れるほど力が抜けているわけではないと見る。
縦長の展開になって、内めに入れれば勝機はあるが、果たして。

サウンズオブアースが4人気。前走は休み明けながら上々の競馬を見せた。走法から、本質的には京都コース向きの馬なので、ひと叩きして京都替わりはいかにも有利。
こちらも外枠を引いたのが残念だが、スタミナは文句なし。今回は文句なし、買いの一手。

この4強から行くなら、キズナは軸候補からは外れることになる。