高松宮記念 展望 よすーけ氏

高松宮記念 展望

【状況展望】
中京6日目、芝Aのスプリント戦。3週間とはいえ中間に降雨が多く、3~4角はかなり傷んでおり、力の要る馬場になっている。今年はアンバルブライベンとハクサンムーンが互いに「ハナは譲らない」と宣言。この言葉を鵜呑みにするのは危険だが、それでも前がかなり速くなりそう。締まったラップになるが、スプリント戦なので前が全滅するでもなく、極端に後ろからでも出番はない。中団で器用に立ち回れる馬にチャンスがある。
なお、雨予報なので馬場状態には注意したい。大勝負は避けたいところ。

【有力馬の分析】
エアロヴェロシティは香港のG1馬。スプリント戦では世界トップレベルを誇る香港馬の取捨をどうするか。「左回りではモタれる癖があり、ラチ沿いを走らせるのが理想」とは陣営談。出脚では逃げ馬2騎に敵わないため、好位のインにつけることになる。そうなると、先頭に出るためには馬場の悪い内を通るか、ヨレを矯正しながら外へ振るかの二択になる。個人的には買い目に組む予定はない。

ダイワマッジョーレは叩いて中3週。ローテ・状態ともに文句なし。ただ、スプリント未経験。これをどう見るか。ゲートはかなり悪いがレースセンスは良く、後ろからでも差してくる脚はある。軸鉄板とは言えないが、押さえに一考。

ミッキーアイルは当メルマガでも何度も取り上げているように、ワンペースで走る馬なので、同型がいたり早めに来られる場合は消し、それ以外は買いという分かりやすい馬・・・のはずだった。

前走一発で脚質転換に成功。好位差しを覚えたことが評価され、現在1人気。「乗り方は(浜中)騎手に任せる」とは音無師談。今回も好位から早めに前を捉えにくるだろう。

ここで問題になるのが「再現度」。前走が良かったからこそ人気になっているし、前走通り走れれば圏内鉄板と言える。しかし、再現性が低いのが競馬の性。毎度同じレースをして勝ち続けたのは近年ではディープインパクトくらいだ。

前回は1400mで内枠。今回は初のスプリントでピンク帽、前に壁はなく、そして真横にはハクサンムーン。状況は全く違うと言っていい。前走に引き続き、浜中騎手はこの馬を卸せるか。鞍上にとっては試練の一戦。

ストレイトガールは香港遠征後の3ヶ月明け。藤原調教師は「枠が最悪だ」「天候が」「馬場が」と巧みに隠しているが、これは間違いなくガチ仕上げ。ここ目標で作って来ている。大外枠だからと侮っては痛い目を見るかもしれない。

去年や一昨年は滞在中、力の要る馬場など好走条件が限られていたが、本格化してからは高速馬場も馬群もマイルもこなせるようになった。確実に差して来れるので掲示板は間違いない。あとは勝ち負けまで持ってこられるか。

【穴馬の分析】
リトルゲルダは去年のこの時期より30キロ近く増えている。本来は出して行っても最後まで脚を伸ばす馬。今回は流れが向きそうなので、スムーズに捌ければ出番があるかも。

ローブティサージュはいい枠を引いた。馬群に入ったほうが力を出せるし、何より外を回っていては届くスピードがない。勝ちに行く競馬はしないと見るので、インで我慢して、前が止まるタイミングで上位進出を狙ってくる。

レッドオーヴァルは前走馬体が大きく増えていた。2~3歳時はカイ食いの悪さから消耗が激しく、馬なり調教のみで出走して連勝したり、馬体を減らし続けながら戦ったりしていた。ここにきて2週続けて一杯に追えたのは収穫。ただ、外に馬がいると良くないので、被せられない競馬が理想。

サクラゴスペルは近2走が復調を思わせる走り。枠・状態ともに文句なし。好位につけて抜け出しを狙ってくる。押さえに一考。

【展開】
アンバルブライベンとハクサンムーンがハナ争い。外のハクサンムーンのほうがテンのスピードがあるのが大問題。本当にハナを奪い切るならアンバルブライベンより前へ行く必要があるし、実際可能ではあるが、かなりテンに脚を使うことになる。

中京1200mはスタートして120mですぐに下り坂があり、そこから3角を回って、4角まで延々と下りが続く。4角終わりからなだらかに上がっていき、直線ではきつい傾斜の坂になる。ラスト1Fは平坦。競り合いになるとかなり厳しいレースになる。

アンバルブライベンは元々平坦コースでのみ力を出す馬で、これについて行くと脚が残らない。色気を出さずに競れば共倒れになるが、もしも早めに控えた場合、ハクサンムーンが最後まで残る可能性がある。力の要る馬場より軽い馬場のほうがいいので今回は残らないとは思うが、人気もないので3連系を買う場合は押さえも一考。

前2頭をコパノリチャードが追いかけて、好位のインにリトルゲルダとエアロヴェロシティ。ローブティサージュやレッドオーヴァル、サクラゴスペルがその後ろ。縦長の展開になる。

これらの外にダイワマッジョーレ、ミッキーアイル、ストレイトガールがかぶさって進む形に。先行争いの副産物として、外枠でもそれほどロスにならず競馬ができ、スムーズにレースが運びそう。

個人的には、有力馬を軸にするならストレイトガール、穴馬を軸にするならレッドオーヴァルあたりを選びたい。

以上を高松宮記念の展望といたします。