スプリングS 展望
まず最初に、今年の3歳馬はレベルが高いと見ている。
12頭と控えめな頭数になったが、半数が連対率100%という、かなり難解なレース。
路線が増えたのはいいが、直接対決が減るので比較がかなり難しくなっている。
スタンド前発走・コーナー4回・内回りと、かなりトリッキーなコース。
有力馬を内から見ていく。
ベルーフは2ヶ月の休み明け、現在3人気。
過去4戦、全て違うコースでの2000mを使っている。
デビュー戦の京都では掛かりながらも4Fの上がり勝負を制して1着。百日草特別でも引っかかり、中団のインから外へ出すもルージュバックに及ばず2着。エリカ賞では最内を突いて抜け出して、京成杯は大外一気を決めた。
総合して言えることは、内回りへの適性が高いこと、卓越した瞬発力があること、馬群を苦にしないこと。
不安要素は、内回りなので全て差し決着で流れが向いたこと、前に馬を置かないと引っ掛かってしまうこと、そうなると常に包まれる可能性があること、そして抜け出してからはソラを使うこと。
今回は内枠なので前に馬を置けるのは好都合。今週の中山は内が有利ということもあり、外を回しては届かない可能性が高い。インで溜めて、勝負どころで間を割ってこれるかどうか。少頭数でもあるし、持ち前の瞬発力を持ってすれば、見せ場は作れると個人的には考えている。
ブラックバゴも同じく2ヶ月明けで、現在4人気。
デビュー戦では新潟の上がり勝負を後ろから突っ込んできて2着。2戦目では外をぐるっと回って貫録勝ち。3戦目から2000mに延ばして、ホープフルSでは初の出負け。これが結果的に吉と出て、中団インのポケットをすんなり確保できた。直線では最内を突いて鋭く伸びて僅差の3着。京成杯では引っ掛かり、頭を上げながらも最後まで脚を伸ばして2着。
注目したいのは、脚元に不安があったため、3戦目までは満足に調教ができていなかった点。年が明けてからは、脚元の不安も解消され、カイ食いも良くなり、調教でも負荷を掛けられるようになった。この馬はまだ伸び代があると見ていい。
リアルスティールは中4週、現在1人気。阪神・東京の1800mを経験済み。
デビュー戦は馬なりノーステッキで楽勝、と思いきや上がりは33秒3。後続との差は開く一方で、4角の加速ぶりは父ディープインパクトを彷彿とさせるものだった。共同通信杯での騎乗も正直褒められたものではなく、何度も左右へヨレて進路を探しながらのスパート。しかし、そこからトップスピードに乗っていたドゥラメンテをあっさりと差し切り。
ゲートは2戦とも抜群に上手く、折り合いも問題なし。今回は初戦と同じく、4角手前から外を回って進出する競馬になるだろう。ダービーを見据えているため調教は引き続き馬なりのみだが、これは今まで通り。引き続き好勝負が可能だろう。
ダノンプラチナは3ヶ月明け、現在2人気。
デビュー戦は小回り1500m、集中力を欠いていたので直線追わず2着。そこから未勝利・ベゴニア賞と大楽勝と言える競馬で連勝。朝日杯FSでも◎評価に応えて楽勝、2歳王者の座に就いた。レースセンスが非常に良く、馬なりで先頭に並びかけてあとは開く一方、というレーススタイルは蛯名騎手の十八番。手も合っている。
折り合いに難が出てきているようで、今回はそれが問題点になる。
東京で連勝した時のように出たなりで3~4番手、直線馬なりで先頭に並んでスパート、という競馬ができればここでも鉄板と言えるが、朝日杯では折り合いを重視して後方からの競馬をしていた。今回も、皐月賞を見据えるなら、先行ではなく後ろにつけると見る。
前へ行くなら引き続き軸に指名したが、皐月賞への試走になる今回は押さえまで。
これで皐月賞の出走馬が大方出揃うことになる。
レベルの高い一戦、本番へ向けてどういった競馬を見せるか、注目したい。



