ジャパンカップ展望 よすーけ氏

ジャパンカップ 展望

東京18日目、芝C2400m戦。

有力馬を順に見ていく。

ジェンティルドンナは叩き2走目。一度使ったことで順調に調子を上げてきており、いい状態で出走できそう。休み明けが特に動かない馬なので、前走の2着は着差以上の価値があったと言える。条件的には今回がベスト。掛かりにくくハンドルが利く馬で、ペースを問わず折り合えるのは強み。今回も出たなりでの追走になるだろう。史上初の3連覇なるか。問題はマークされてどうか、という点。前にイスラボニータがいるので、これを楽に行かせるわけにはいかない。しかし、早めにイスラボニータを捕まえに行こうとすればするほど、脚を溜めている後ろの馬に有利になる。仕掛けるタイミングが非常に難しく、過去2度のジャパンカップと比べると、優勝の難易度は最も高いと見る。国内外の名手が集う中、ムーア騎手の手腕は発揮されるのか。

ハープスターが2人気。凱旋門賞以来になるが、体調は良くも悪くもないと見る。53キロで参戦できることに加え、能力は間違いなく世代No.1なので、良い状態であったなら、臨戦過程が良かったなら、あるいは軸にしていた可能性がある。折り合いのつく馬なので、距離はベストではないにしろ、世間で言われているほど問題ではないだろう。力は百も承知だが、買えても相手まで。思い切って消しで挑むのもひとつの手かもしれない。

ジャスタウェイが3人気。疲れが出やすい馬で、慎重に仕上げられてきたが、今回はどうなのか。もちろん万全ではない。では、距離がどうかと言えば、やはり1800~2000mがベスト。通用しないとは言わないが、ベストの距離・状態ではない。こちらも買えても相手まで。個人的には消しで勝負したい。

エピファネイアはここまで順調に来ている。常に折り合いとの戦いになる馬で、今回は内枠と乗り替わりでかなり折り合いやすいと見る。こういった馬は今までなら大きく人気落ちしていたものだが、引き続き4人気とは恐れ入る。能力はここに入ると見栄えはしないが、条件的には文句なしの買い。

イスラボニータは叩き3走目。こちらも至極順調に来ており、状態面での不安はない。前走の負けは仕掛けが早すぎた分と抜け出してからソラを使った分、そして15番枠からの発走だった分。今回は願ってもない真ん中の枠。再度の好勝負は十分に考えられる。

スピルバーグは前走ジェンティルドンナと軸候補対決に敗れたが、結果は展開の助けもあってこちらが完勝。距離不安が囁かれているが、折り合いのつく馬なので、心配ないと見る。ただ展開待ちの面は否めず、今回も後ろからになるので、軸に据えるのは難しいかもしれない。

デニムアンドルビーが7人気。今回で8戦連続でのG1参戦になるが、(0106)と結果が残せていないのは気がかり。ただ、調子も上がっており、人気に即しているので、押さえに一考できる馬。

ワンアンドオンリーは同舞台の日本ダービーを快勝したが、現在8人気と大きく人気落ち。菊花賞を勝っていたなら、またはパスしていたなら、一体どういった人気になったのだろう。オッズも馬券も一喜一憂していては、年間プラスは望めない。横山騎手は動向が非常に読みづらいのだが、今回は真ん中の枠なので、前に馬を置いて、折り合いに専念すると見る。展開が向けば一発あるかもしれない。

フェノーメノは岩田騎手に手が戻るが、こちらも前走から大きく人気落ち。好位からひっそりと脚を伸ばす、大きい武器がない優等生というのが個人的なイメージ。こういった馬は混戦やスタミナ勝負になると浮上しやすい。岩田騎手なら恐らく出して行くだろう。前目に着けて最後まで脚が上がらなければ、後ろが届かない展開になれば、あるいは一発あるかもしれない。つまりは上記のワンアンドオンリーとは真逆の展開待ちであるため、どちらも同時に押さえる、という買い目を組んでいる人は、考え直したほうがいいだろう。