神戸新聞杯 展望
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阪神6日目、芝2400m戦の菊花賞トライアル。今週からBコース。
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有力馬を内から見ていく。
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ウインフルブルームはダービーの取り消し後、中22週での参戦。人気やペース、距離もコースも問わず常に結果を出してきた馬で、逃げ馬に見られがちな「交わされるとヤメる」癖も見られない。今回もスローの単騎濃厚で、展開利を最大限に得るのはこの馬。
体調面だが、輸送により大幅に馬体が減ったが、今は戻っているとのこと。これは正直、いい傾向ではない。馬体を戻しながらの調教に切り替えざるを得ず、帰厩からきっちり追ったのは当週の1本のみ。ここで勝ち負けを望むのは、体調面からは少々酷かもしれない。軸には据えられない。
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トーセンスターダムは中16週。(※以下、ダービー以来の馬は全て中16週なので説明を省く。)
京都ばかりを使い、3戦3勝した。春から「目標はダービー」と公言し、満皐月賞では重い馬場に脚を取られて惨敗、満を持して臨んだダービーでは内ラチに接触して力を出せずに終了(※当メルマガではどちらも消し評価)。仕切り直しの一戦となる。
能力的にはここでも上位になるが、結局京都以外の適性は分からないまま。中間の坂路調教を見る限り坂は問題ないが、ベストはやはり平坦コース。賞金は足りているので、ここで買うくらいなら菊花賞で狙いたいが、果たして。
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ヤマノウィザードは中20週。春は能力に体がついて行かないまま4戦2勝。フワフワしながら走り、それでも上位に食い込んで来られたのは、高い絶対能力があればこそだろう。調教でも段々と重心が低くなっており、力強さが増してきた。馬体が増えていれば積極的に買い目に組み込みたいが、春までは左回りのほうが動きが断然良かったのも事実。個人的には、(新潟開催だった)セントライト記念で見てみたかった。
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サトノアラジンは如実に力をつけて、中6週での参戦。新馬戦を圧勝したが、「ギアチェンジが出来ていない」として、春の重賞戦線では全て消し評価を下し、結果、1度として連に絡むことはなかった。その後ゆきやなぎ賞からは3連続で連対中だが、上位に食い込む力はあるか。
ここで注目したいのは、近3走での脚の使い方。加速の仕方を見る限り、ギアチェンジは徐々に上手くなってきている。しかし、やはり持続力に欠けるというか、加速した後は惰性と大股で押し切っているように映った。これは坂を上って1ハロン平坦コースがある東京とは違い、ゴールまで坂が続く阪神や中山では、大きな足枷になるのではないか。
惜敗が続いた春の重賞戦線、浜中騎手はこの馬には乗っていなかった。彼はおそらく「前走同様、早めに動けば押し切れる」と見ているのではないか。前にいるウインフルブルームを早めに捉えて、直線で後続を離す。一般的にはこう見られているが、その早仕掛けが今回、命取りになるかもしれない。昨年同厩舎から参戦し2人気で連逸した、サトノノブレスのように。
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ハギノハイブリッドは松田国厩舎特有の押せ押せローテでダービーに漕ぎ着けたが、力を出せず惨敗。明らかに無理が祟っていて、調教もCWに変更、ギリギリの状態での出走だった。今回はしっかり疲れを取っての参戦で、調教も元に戻っている。左へヨレるため、左回りで力を出してきたが、「CPを着けて矯正、右回りでも大丈夫」とは陣営談。仕切り直しの一戦になる。
ハギノハイブリッドは松田国厩舎特有の押せ押せローテでダービーに漕ぎ着けたが、力を出せず惨敗。明らかに無理が祟っていて、調教もCWに変更、ギリギリの状態での出走だった。今回はしっかり疲れを取っての参戦で、調教も元に戻っている。左へヨレるため、左回りで力を出してきたが、「CPを着けて矯正、右回りでも大丈夫」とは陣営談。仕切り直しの一戦になる。
ダービーよりも数段状態がいいので、ダービーで買い目に組んでいたなら、今回買わない手はない。
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ワンアンドオンリーもダービー以来。弥生賞では休み明けの馬体に加え、開幕週の中山内回りでトゥザワールドをハナ差まで追い詰め、続く皐月賞では最後方待機、最内枠から大外へ持ち出して、直線だけで4着に食い込んだ。今回も当然先を見据えた仕上げになるが、その状態で一線級と互角以上に戦ってきた事実は覆せない。今回も馬に任せて出たなりの追走、直線でどれだけ差を詰め、そして離すことができるか。陣営はこういった見立てではないかと考えている。
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サウンズオブアースは低評価を覆して京都新聞杯でダービーへの切符を掴んだが、能力が足りなかったことや、左回りが向かないこともあり惨敗。右回りでもヨレる癖があり、そこを矯正できればかなり有力なのだが、今回はどうか。ギアチェンジが非常に早く、一瞬でトップスピードに乗るため、阪神よりも京都向き、そして外回りよりも内回り向きと見ている。これを踏まえて連に絡むには、馬なりで先団を追走し、内回りのようなタイミングで(つまり遅らせて)仕掛けることが条件になるが、かなり高い技術と判断力を必要とされるだろう。藤岡佑騎手の手腕に期待したい。
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ヴォルシェーブは中13週。荒削りながらも末を伸ばす競馬が板についてきており、セントライト記念に有力馬が軒並み流れた今、能力的にはさほど見劣らない存在。
現段階では賞金的には微妙なラインにいるが、かといって自分から動いて行っては周りと脚色が同じになってしまう。出たなりの位置でじっと我慢して、終いに懸ける。昨年のマジェスティハーツのようにやや展開待ちの騎乗になりそう。
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先週のセントライト記念に負けず劣らず、来る菊花賞を占ううえで非常に興味深い一戦になる。
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